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金糸雀ファイルのテーマ 心霊編 ※クリックでダウンロード

Music  ピコピコ 氏
今や全ての世代から絶大な支持を受け、日本のみならず世界で愛されているロックバンド、ローゼンメイデンは今日も新曲のPVをどのように作ろうか悩んでいた。

「この曲のイメージは破壊的って感じだよね」
「そーですぅ。蒼星石の言うとおりですぅ」
「で、翠星石と蒼星石の意見だとぉ、ズバリPVはどんな映像がピッタリなわけぇ?」
「そうだね、スクラップ工場とかどうかな?」
「翠星石は廃墟がいいと思うですぅ~」
「廃墟ね、そうだわ。この曲は廃墟が似合いそうなのだわ」
「…は、はいきょ……?」
「廃墟って言ってもそう簡単に見つからないわよぉ~」
「だいじょうぶなの~~。ヒナは廃墟を知ってるの~」
「えっ?そうなのぉ? どうして雛苺が廃墟なんて知っているのぉ?」
「前に金糸雀と一緒に探検したのよ~~。ね、金糸雀ぁ」
「そうだったかしらぁ~。先月のオフの日に探検したかしら~。
 あの廃墟なら今回の曲にピッタリのイメージだったかしらぁ」
「そんなにピッタリのイメージですかぁ?」
「ぴ…ぴったり?」
「ピッタリかしらぁ!あの時はビデオも回していたから早速今晩にでも映像をチェックしてみるかしら~~」
「じゃ、金糸雀に任せるとして、次は7月にスタートする夏のツアーについてみんなの意見を聞こうかな」

このような会議が夜遅くまで続き、彼女達が家に帰る時には日付が30分以上も過ぎた頃だった。
マネージャーである金糸雀は明日のスケジュールを確かめながら事務所兼スタジオの防犯スイッチを入れ、ドアのカギを掛ける。
もうすっかり静まり返った事務所前の通りを薔薇水晶を乗せた水銀燈のフェラーリF430スパイダーと雛苺を乗せた真紅のポルシェ911カレラSが競うように走り抜けていく。
その爆音を耳にしながら金糸雀も家路に急ぐ。

「はぁ~。今日も疲れたかしらぁ~」

マンションの駐車場に着くと金糸雀はハンドルから手を離し、車内で大きく背伸びをした。
少し疲労のためなのか、重い足取りで部屋に入るとすぐに温かいお風呂に入る。
このまま眠ってしまいそうになるが、廃墟を撮影した映像を今夜中に見ておかなければならない。
そのため早めに湯船から出た金糸雀はすぐに映像を再生し、写し出される画面を見ていた。

「夜に撮ったから見難いかしら~……はぁ~あ~あっ………」

ついつい大きなあくびと共に睡魔が襲ってきた。うつらうつらとした眼で映像を見ているが、そろそろ限界に近い。
このままでは睡眠不足で明日の仕事に差し支える。そう判断した金糸雀はモニターのスイッチに手を伸ばした。その瞬間!!

「あぁぁぁッ!! こ、これは何かしらぁぁ???」

つい今しがたまで意識を支配していた睡魔は一気に消え去り、今やモニターに映し出されている映像に金糸雀の全ては釘付けになっていた。

注意・この映像は心霊要素を含みます。苦手な人はスルーよろしく

鮮明バージョン

「はぁぁぁぁ~~~。な、なんてことかしらぁ~~」

金糸雀は映像を何度も見直しては出現する謎の少女を凝視している。
もはやロック界で一番のオカルトマニアである金糸雀は興奮のため体が高揚すら覚えだしている。
そんな金糸雀はその日の日記にはこう記されていた。

6月17日 火曜日 

あの日、偶然にも撮影した映像の中にこのような不可思議な現象が
撮れていたとは思いもしなかった。 
もし、あの時この現象を解っていたならこの少女の正体を探れていただろう。 
私一人なら恐怖を覚えていたかもしれないが、隣にはあのデス苺がいたから
強引なことが出来たかもしれない。 
しかし今となれば、過ぎたこと。
さっそく今度のPV撮影もこの場所で行おう。
機会を見てこの不可解な現象が起きた部屋に真紅か翠星石あたりを閉じ込めて
実験してみようと思う。 

そう書き終わると金糸雀はランランと輝く目つきのまま日記をパタンと静かに閉じて真夜中の満月を満足そうに見上げたのだった。




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最終更新:2008年06月17日 23:17