Story  ID:h+VBKG8D0 氏(336th take)

うだるような暑さの中、薔薇水晶はスタジオへと向かっていた。
焼けたアスファルトの向こうには空気が揺らめいている。
ほんの一息のつもりで冷房の効いたコンビニのドアを開ける。

「……ッッ!!!!」

そこで目にしたのは3流タブロイド紙。その見出しに薔薇水晶は驚きの
声すら出なかった。

【人気ロックバンド ローゼンメイデン 水銀燈が路上キス!! 熱愛発覚!!】

当然この記事はただのゴシップでありウソなのだが、薔薇水晶は急いでメンバーが
いるスタジオへと向かった。

「…はぁはぁ……はぁはぁ」
「あら? ばらしーどうしたのぉ?」
「ほんと、汗ビッショリだわ」
「…あっ…ぎ、ぎ、ぎぎ……えっ……あっ、あ、あの…ざざっ……」
「なに慌ててるのぉ?」
「ゆっくり話しなさい」
「……おっ……ぎぎぎ……ざっ…ざざざ……っし…でで…」
「慌てるじゃねぇですぅ、ほら、深呼吸するですぅ」
「……スーハースーハー……」
「どうですぅ、落ち着いたですかぁ?」
「…う、うん……落ち着いた」
「冷たいものでも飲んだらどうかな?」
「ヒナのストロベリージュースあげるの~」
「…あ、ありがとう……ゴクゴクゴク……おいしい…えへへ」
「こう暑いと冷たい飲み物が一段と美味しいかしら」
「……えへへ…そうだね……ゴクゴク…えへへ」
「ところで、さっきは何を言おうとしていたのぉ?」
「…おっ……ざざ……っし………ぎぎぎぎ、キキ……ス…おぉおおおお」
「ほら、また深呼吸するですぅ」
「…スーハー、スーハー……」
「落ち着いたぁ?」
「…うん……もうだい丈夫…えへへ」
「で、なんだったの? ばらしー」
「…ぎ、ぎぎぎ……ね、熱熱………はっ…は、発覚…メ、メイデン…ろ、ろろ路上…き、キ…」

薔薇水晶は驚くとまともに話ができなくなります。
ちなみにこのあと薔薇水晶からまともに話を聞けたのは2時間後でした><




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最終更新:2008年07月18日 10:17