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Story  ID:vDYd7OYH0 氏(23rd take)
Illust 845 氏
ある日の昼下がり、とある楽器店にて。

でれれれでっでっーでっでっでーでっでーれ~♪
「白崎さんこんにちは」
「こんにちはなのー」
「こんにちはですぅ」
「こんにちはなのだわ…何の曲?」
学校の帰り、馴染みのギターショップ「槐」に立ち寄った真紅と蒼星石、翆星石と雛苺。
彼女達が来店したのを見て、白崎はギターを弾く手を止めた。

「いらっしゃい。あ、今日は水銀燈さんと薔薇水晶さんは一緒じゃないんだね。金糸雀さんも」
「あの子達は先にスタジオに行っているの。ところで白崎さんがギターを弾けるのは知らなかったのだわ。今の曲は?」
尋ねる真紅に、白崎は照れくさそうに頭をかいた。
「いやあ~。弾けるって程じゃないんだけどね。ヒマだったんで槐と『昔なつかしの曲を弾いてみよう大会!』なんて言って色々弾いていたんだよ」
店の奥を見ると、いつもは工房にいる槐が椅子に座って笑顔でひらひらと手を振っている。
「今の曲は『ヒゲダンス』の曲。元ネタはテディ・ペンダーグラスってシンガーの曲なんだけどドリフ知ってる?」
「ふぅん…名前ぐらいは聞いたこともあるかしらね」
「他にもピンク・レディーの『サウスポー』って『Highway Star』と似てるよね~とか『UFO』って『Doctor,Doctor』みたいじゃん~とかっていうか『Doctor,Doctor』って演ってたバンドの名前がそもそもU.F.Oじゃん~あはは~とか」
嬉しそうに笑いながら次々と真紅達には分からない話をする白崎。
「そ、そうなんですか」
「うー?」
「何の話ですかぁ?」
「…」
「あ、あれ~?反応薄いんだねえ~。まあ僕達がまだずっと小さかった頃の話だからしょうがないかな~あはは~」
気まずそうに苦笑いを浮かべながら再び白崎は頭をかく。
「あ、そうだ。このへんなら君達も聞いたことあるかな~?」


でっでっででっでっででーでっでっででっでっででー♪
そう言って再び弾き始めた曲に、蒼星石が反応した。
「あ…これは何だか聞いたことがあるね」
「私は知らないですぅ」
「ヒナも分からないのー」
「私も分からないのだわ。白崎さん、これは何ていう曲…」
真紅が尋ねる間もあらばこそ。



「「せーえーらーふっくっをー
   (にゃんにゃんにゃんにゃにゃーにゃーにゃー)←ここ槐。
  ぬーがーさーなっいっでぇー♪」」




いきなり歌い出すオッサン二人。いやオッサンと言っては失礼な年なのだろうが、しかしこのこっ恥ずかしい歌詞をさも嬉しそうに熱唱する姿はどうみてもオッサンです。本当にありがとうございました。ありがとうございました?
真紅はいささか混乱しつつ、それでも白崎に声を掛けた。
「こ、これは何ていう曲なのかしら…」
「そりゃあもちろん!『セーラー服を脱がさないで』に決まってるじゃないか~」
「そ、そうなの…。初めて聞く曲なのだわ…」
「僕はなつメロの番組か何かで聴いたことあったけど…こんな歌詞だったんだね…」
「…破廉恥な歌詞ですぅ」
「にゃーにゃにゃーにゃーにゃ~♪」

自分達が着ているのもセーラー服ということもあり不気味さは倍増である。
さっそく歌を口ずさんでいる雛苺以外は皆、ますます歌に入り込む白崎と槐をげんなりとして眺めていた。
「き、今日は帰ろうか」
「そうね…」
「さすがにちょっとキモいかもですぅ…」
「うゆ?帰るのー?」

「「ともだっちっよりはっやっくぅー
   (にゃんにゃんにゃんにゃにゃーにゃーにゃー)←ここ槐。
  えっちをしったっいけどぉー♪」」

「…とまあ、こんなことがあったのだわ」
「あはははは。それは災難だったわねぇ」
スタジオの一角で、真紅は先に来ていた水銀燈達に先ほどの顛末を聞かせていた。
「全く、結局新しい弦を買いそびれたのだわ」
「その曲なら…私も知ってる…」
「なになに何の話かしらー?」
そんな話でわいわいと盛り上がる彼女達。だがその中で、雛苺は話に加わらずに隣の翆星石を見上げている。
「?。何ですぅ雛苺?」
視線に気付いた翆星石が、持っていた紙カップ入りジュースのストローから口を離して訊いた。
「あのね」
「はいです」再びストローに口をつける翆星石。
2秒ばかりじっと翆星石の目を見つめて、そして雛苺は翆星石の耳元に口を寄せて囁いた。



「セーラー服は、脱がしちゃいけないのよー?」



一瞬の間。翆星石は顔色を白から真っ赤に信号のように変化させて―――。

ごばっぶぷー!。
ジュースをぶちまける勢いで大量の空気をカップの中に吹き出してむせ返る翆星石。
えへへへ、とどこか小悪魔じみた表情で雛苺が笑う。
「きゃ!」「ちょっ…!」「汚いです…」「どどどうしたのかしらー!」「(・∀・)…」
驚いて立ち上がるメンバーの声も聞こえず、真っ赤な顔のまま翆星石は叫んだ。
「ば、ばばば、バカ苺―――!!!」



そしてその夜、一つのスレが某巨大掲示板に建つことになる。


【百合】姉ちゃんがバンドのメンバー♀とただならぬ仲に【ktkr?】
1 :あおのこ◆roZen/vip :****/05/03(水) 23:46:42.22 *********
    (・∀・)<なってるっぽいんだけど。

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :****/05/03(水) 23:50:23.10 *********
    kwsk

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :****/05/03(水) 23:53:15.35 *********
    ちょwwww>>1前にもこんなスレ建ててなかったかwwwww

4 :あおのこ◆roZen/vip :****/05/03(水) 23:59:48.11 *********
    (・∀・)<いや、実はね…


まあ本当のところどんな仲なのかは分からないんだけれど。
そんなお話。


最終更新:2006年07月06日 17:39
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