Story ID:dKcsRJFe0 氏(27th take)
「・・・・・。」
やばい。
何がやばいって、真紅がキレそうなことが一番やばい。
まず理由を言えば「サイゼリヤが改装工事で休業中」といったごく簡単なことなのだが
「じゃあぁ、せっかくだし歩いて他のいい店探しましょうよぉ」
という水銀燈の発案で僕ら7人がぞろぞろと歩き始めてから
すでに40分という時間が経過しているのが真紅のストレスゲージを刺激する。
「ねーねーヒナ喉渇いたのよ、もうどこでもいーのー!座りたいー!」
あ゛ー騒ぐなッ、そのイライラが全員に伝播し然るのちに微妙な空気が流れ始めることが予想できないのか。
「蒼星石ぃ、そのアホを押さえておくですぅ」
・・・・そこで僕に振るのはやめてくれないかな、翠星石。
というか、何が悲しくてロックバンド御一行様がこんな微妙なつげ義春チックな町をゾロゾロ歩いているのか。
高速道路のわき道を無言で移動していると、そのうちラブホテル街に出てしまった。
「ちくしょう、宿屋ばかりではないか・・・」
「ブフッ・・・・!!」
反射的につぶやくと、真後ろで薔薇水晶が噴きだした。くそ、こいつわかっていやがる。
「あ」
真紅がなにか見つけたようだ。
みんなが注目した先には、1件の寂れた喫茶店があった。
「純喫茶・・・グランギニョル・・・・?
純喫茶、グランギニョル・・・・!!!」
「え?なんだい真紅、知ってる店なの?」
「・・・・と、書いてあるのだわ」
ズゴー、とコケるメンバー。
「どうするのぉ?ここでいいならいいわよぉ」
「そうね、もういいかげん歩きつかれたわね・・・」
と。
「あ。あっちの方。マックあったですよ?」
うーん・・・
ここまで歩いた結果が、いつでも食べられるマックというのも寂しいものがある。
だからといって目の前のあからさまに怪しい喫茶店に入る度胸はあるかと言われると厳しい。
「それじゃあこうすればいいのかしら。2手に分かれて、お互い連絡しながら感想を言うかしら。
えっと、パケ代定額の人挙手かしら」
はーい。
僕と翠星石(ちなみに家族割つき)、水銀燈、薔薇水晶の4本の手が挙がった。
「ぅゅ。いつものコンビ×2なの」
「それなら半分ずつに割ればいいわね。ジャンケンで負けたほうが純喫茶だわよ」
「薔薇水晶、ほらジャンケンよぉ」
む。といった反応でグーの手で構える薔薇水晶。
「いくわよぉ・・・・・ さ い し ょ
から。」
勝負はあっけなくついた。
パーの手を出した水銀燈と、平然とチョキの手を出して勝利を収めた薔薇水晶。
「銀ちゃん・・・・その手口、使いすぎ・・・・毎回やるんだもん」
がっくりと肩を落とす水銀燈。
その後、【水銀燈・蒼星石・金糸雀】【薔薇水晶・真紅・翠星石・雛苺】の2グループにまとまった僕らは
1時間後にここで集合、と約束をして別れた。
「いくわよぉ・・・・覚悟はいい?私はできてる」
純喫茶・グランギニョルの、曇り硝子の重い扉がギギギと音を上げて開いた。
(ここからメール内容のみ)
宛先:姉
件名:やばい
内容:待ってwwwwいきなりメニューがないんだけどwwwwwww
宛先:蒼星石
件名:やばい:re
内容:どんだけですかソレ(笑
こっちは今席ついた
真紅が注文とってます
宛先:ばらしー
件名:Message from SkyMail
内容:なんか雰囲気がやべー
コーヒーが高くてやんなるわ。サラダマックっていつからだっけ
宛先:銀ちゃん
件名:喫茶店てコーヒー高いですよね
内容:(内容なし)
宛先:姉
件名:そろそろ怖い
内容:ちょwwww今気づいたけどBGMがキンクリだwwwwww
なんなんだこの店
宛先:蒼星石
件名:そろそろ怖い:re
内容:太陽と戦慄あたりですか^^;
今チキンフィレオ食ってますよ
宛先:蒼星石
件名:そろそろ怖い:re
内容:太陽と戦慄あたりですか^^;
今チキンフィレオ食ってますよ
宛先:蒼星石
件名:すまんです
内容:2回送っちまったです
宛先:ばらしー
件名:Message from SkyMail
内容:やばい、マスターが話しかけてきたんだけど
「君たちバンドやってるのかい」だって(ワラ
新手のナンパかな
宛先:銀ちゃん
件名:ロック好きな人なんですね。気が合いそう
内容:(内容なし)
宛先:姉
件名:帰りたい
内容:なんかもう恐怖で金糸雀が喋ってくれない
宛先:姉
件名:(件名なし)
内容:マスターが水銀燈のこと気に入ったってwwwwwwなにこの状況wwwwwww
宛先:蒼星石
件名:大丈夫ー?
内容:あと30分くらい我慢ですよ
宛先:ばらしー
件名:Message from SkyMail
内容:('A`)
宛先:銀ちゃん
件名:どうしました?
内容:(内容なし)
宛先:銀ちゃん
件名:大丈夫ですか。返信ください
内容:(内容なし)
・・・・・・結局。
その後1時間半たっても集合場所に来ない僕らを薔薇水晶たちが助け出してくれたのは
水銀燈がマスターのロック問答に脳をやられてからだった・・・・・
なんかブルーズは聴くかだとかジョニー・B・グッドなんて単語が出てきたのは聞かなかったことにしよう。
(終われ
最終更新:2006年05月16日 23:37