Story ID:tCaa5vKp0 氏(32th take)
「さぁて、どうしましょう」
と、真紅が言った・・・のにメンバーがこぞって渋い顔をしたのは、その台詞がこれで5回目だからである。
思えばちょうど1週間前にこのサイゼリヤに来たときも同じことを言っていた―――
つまり何もすることがないのであった。
というか、何もすることがないからファミレスにタムロってるのであるが。
「前々回はこの流れからお勧めバンド紹介の流れになっちまったんですけどね」
「なんかもー、そーゆー雰囲気じゃなくなぁい?」
と、そこへ鶴の一声、もとい金糸雀の一声が響いた。
「し ゃ ら く せ ぇ ー ! かしら。
古来からテンションを上げるためには勝負事って決まりがあるかしら」
「あー、うん。ジャンケンとか?」
「ンだその超やる気なさげッス的な切り返しは。ちゃんとモノは用意してきたかしらっ!」
と、金糸雀のでかいリュックサックから出てきたのは、大量のCDケース。
「第1回!Rozen Maidenロック百人一首ー!!!」
「露骨にパクリなのよー」
「この競技は、水銀燈の鼻歌(ギターがないから)を聴いて、
それが収録されているアルバムを早い者勝ちで取り合うゲームかしら!
詳しいことはテレビ東京系列・毎週月曜深夜1時から放送されているRock Fujiyamaを参照かしら。
今回は多人数だから、1枚とった人から抜けていって最後に残った人がペケかしら♪」
「スルーされたのよー」
「ああ、それなら知ってるわ。暇つぶしにはなりそうね・・・
ところでこういうものは罰ゲームがあるとないとでは面白味が違うのだわよ」
「なるほど。じゃあ全員にバナナタルトをおごるとかはどうかな」
「やっぱデコピンとかしっぺとか、痛い系ですぅv」
「じゃあねぇ、今度のミニライブでMC10分間の刑」
「ヒナにうにゅーをいっぱい買うの!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・、槐社長に『( ^ω^)ゞおじゃすー』って挨拶する」
「「「「「「!!!!!!」」」」」」
ご
く
り
。
凍った空気の中、金糸雀が無言でCDをテーブルに並べた。
「じゃ、水銀燈。問題をお願いするかしらっ」
「・・・・・・第1問!!ココがオマエの墓場デスよ!!
ふーん、ふーんふーんふふーん、ふーーふーんふふふー「はいっ!!!」
ばんっ。
翠星石の手が1枚のCDに伸びる。
「Van Harenの「Balance」から、「Can't Stop Lovein' You」ですぅ!」
「・・・You gat it!正解かしらー!」
この地獄を最初に抜け出したのは翠星石であった。
「あっぶねぇー・・・アレだけは勘弁ですぅ」
「フフフ、戦いはまだこれからかしら・・・!次、どうぞ!」
「はいはぁい、第2問!クソくらいー!!
ふーーーーーーんふーーーーーんふーーんふーん、ふーーーーーーんふーーーーーんふーーんふー「はい」
次に回答したのは薔薇水晶であった。
「Smashing Pumpkinsの「メランコリーそして終わりのない悲しみ」から、「Tonight,Tonight」・・・名曲。」
「・・・You gat it♪・・・っていうか、ギターじゃねえかしら今のやつ」
「ストリングスだけど・・・得意分野だったから・・・。」
これで残るは3人になった。
「自分で言ったけど・・・アレだけは正直・・・ぷぷっ・・・くっ」
「仁義なきバトルは次のステージへ!次かしらー!」
「第3問!・・・・・・あ、ネタ切れたわぁ・・・
ん、ふーふーふふーん、んーふーふーふふーん「はぁーーーーい!!!」
「れっどほっとちりぺっぱーずのかりふぉるにけいしょんの、「すかーてぃっしゅ」なのー!!」
「You gat it!だが非常に読みづらいので英語で発音するかしら雛苺」
「一応付け足しておくとぉ、Red Hot Chili Peppers/Californication収録、「Scar Tissue」よぉ」
ペケ候補と思われていた雛苺が抜けてしまった。
そして、それが後の2人――すなわち真紅、蒼星石の一騎討ちの合図であったことは言うまでもない。
「・・・アレだけは・・・イヤなのだわ」
「僕だって・・・アレをやる位なら犬のうんこ踏む」
互いに牽制し合う2人。それを見守る勝ち組の目は(哀れみで)なまあったかい。
「泣いても笑っても最後かしら・・・どうぞ!」
「よぉーし最終問題よぉ!!ココがっ!オマエのっ!ハっカバでえっすよッ!!!
ふーんふーん、ふーんふーん。ふーんふーん、ふーんふーん・・・」
両者は見合ったまま微動だにしない。
「わからなかったぁ?じゃあもう1回。
ふーんふーん、ふーんふーん。ふー「「はいッ!!!」」
今度は同時だった。
だが、真紅と蒼星石の手は交差して違うCDを取っていた。
金糸雀がぼそりと「罠にかかった、かしら・・・ククク」と呟く。
「スピッツの「ハチミツ」から、「涙がキラリ☆」なのだわ!!」
「WANDSの「PIECE OF MY SOUL」から、「世界が終わるまでは・・・」だ!!」
ざわ・・・ざわ・・・
どちらもJ-POP、どちらも・・・えー・・・どっちだよアレは。あっち。ホラあれだって。
この(少々アレな感じの)戦いを制するのはどちらなのか。
2人とも金糸雀にかつがれてる感もあるが。
「・・・・・・、蒼星石、Yoooou gaaaaaatt itttt!!!!」
「きゃあああああああ!!!」
白目を剥いて悲痛な叫び声を上げる真紅。
蒼星石は天井を見やり、生きることの喜びを噛みしめていた。
「フゥーハハハァー!観念して社長に( ^ω^)ゞおじゃすー って挨拶の電話を入れるかしら☆
んんー?絶望のあまり声も出ないのかしら真紅ぅー?
負けは負け、さっさと腹をくくるがいいかし
「負けたのは・・・出題者でもないのに勝手に解説してた金糸雀・・・じゃないか・・・な」
「ら・・・・・・・・・」
あれ?
という目でぐるりとテーブルを見渡す金糸雀。
水銀燈が無言で携帯を取り出し、番号を押す。
ぷるる ぷるるる
「あ、どうもぉお世話になってますRozen Maidenのぉ・・・あ、はぁい水銀燈でぇす。
社長は今いらっしゃいま・・・あ、そこに。はい。お願いしまぁす♪」
そこまで言うと、ハンドフリーモードにした携帯を金糸雀に投げてよこし、
アゴで「イっちゃえ」という合図をする。
話が違うかしらあああ!!!
と抗議したくとも、そういえば私だけ楽してズルして答えてなかったよね。という記憶もあったりする。
いや、それよりなんでみんな最後まで突っ込まなかったのかしら?
・・・・・・あれ?私、ハメられt
「金糸雀ちゃん?Aren't you?」
「・・・・・・」
「Hello-?あれー?」
「・・・・・・お、」
皆に目を向ける。
全員が期待のまなざしで金糸雀を見つめていた。
「お、( ^ω^)ゞおじゃすー」
いったあああああああああwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
「~~~~~~っっっwwwwwwwwwwwwwwwww」
全員が背中を丸めて爆笑をこらえた。
さらにこの後の槐社長のリアクションによって2重の笑いが待っているかと思うと、堪らないものがある。
さあ、どう出る!?槐社長!!??
「んん、金糸雀ちゃん。ヽ(^ω^)√ふぁにすー」
「「「「「「「ちょっ」」」」」」」
( ^ω^)ゞおじゃすー編・完。
最終更新:2006年06月01日 23:29