アットウィキロゴ
「ジュンー、お願いがあるのー。実はね……」
Illust ID:m6bCH5IH0 氏(35th take)

僕は桜田ジュン。
ロックバンド「RozenMaiden」の衣装コーディネイトを担当してる。
今、話しかけてきたのは雛苺。RozenMaidenのヴォーカリストだ。

「ヒナのステージ衣装をね、ちょっとね……み、耳貸してなの」
「なんだよ、はっきり言えばいいじゃないか」
「うとね……真紅には、ちょっと……」
「……………………………………ああ」
そういうことか。

真紅。
僕の目の前で紅茶を飲んでる、RozenMaidenのメインヴォーカリストにしてギタリスト。
彼女の前では、決して話題にしてはならないことがあった。
「……何?私に聞かせられないような話なの?」
「じ、じゃあお願いねジュンー」
用件を素早く耳打ちすると、雛苺は素早く扉の向こうに消えた。
オーケー雛苺、お前は賢い子だ。だが願わくば、取り残される僕の身にもなってくれ。

「……まったく……何なのかしら?衣装がどうとか言っていたようだけれど」
「うん、その、ちょっと仕立て直して欲しいってさ」
「仕立て直す?ついこの間新調したばかりじゃないの」
「まあ無理ないだろ、アイツも今成長期――」

しまった。


「成長、ですって?」


虎の尾とか地雷の信管とか踏んだら、こんな気持ちになるんだろうな。


「…………………………胸……ね?」


♪おお神よ、我を救いたまえ♪
頭の中で、谷村新司の歌声が響いた。あれは我じゃなくて彼だったか、なんてつまんないツッコミを無意識に入れつつ。


「あの子……また、胸が育ったというのね?」


素晴らしい洞察力。流石だな兄者、いや真紅。


「ああ……なんということ?どういうことなのかしら?もうあの子なんか今度から”ひなちちご”に改名すればいいのだわ!そうよ”雛乳児”と書いてひなちちご!un bebe(赤ちゃん)のあの子にはお似合いなのだわ、ふふふ……」

うわあ。今日は又一段とぶっ壊れてますね先生。

「あの子と私の何がそんなに違うというの!?食べているものだって質・量ともそんなに違わないはず、私はそれに加えて牛乳と、水銀燈に倣って乳酸菌だって摂っているのに!ちゃんと毎日のマッサージだって欠かした事はないのに!どうして神様はこんなに不公平なのかしら?ねえ何が、何が違うの?ねえジュン答えなさい!」

何がって……そりゃ、多分、素し「もしや、うにゅーなの?あの子の好物のうにゅーなのね?そうだわ、うにゅーを漢字で書いたら”有乳”!あれが、あれこそが秘訣だったというのねっ!ああ何てことなの、何故こんな簡単なことにもっと早く気づかなかったのかしら?ジュン、私にもうにゅーを買ってきなさい、すぐによ!今夜から私の分の食事は全部うにゅーにするのだわ!のりにもそう伝えなくては!」

オマエ確か1ヶ月前にも同じ結論出してなかったか。
それで、出るべきところより先に、出ちゃいけないとこが出てきたとか言って、やめたんじゃなかったのか。

しょうがないな。

「胸、なんて言ってないだろ」
「……え?」
「背だよ背。袖がちょっと短いんだってさ」
「そう……そうなの。」

神よ、嘘をつく僕を許したまえ。これは真紅のためでもあるんです。

「……あら……私としたことが、随分取り乱してしまったわ……少し汗を流して来るわね」

それはいいんだけど、長いんだよな、真紅の入浴。
髪が長くて多いから、洗うのに時間がかかるって言ってるけど。
……本当に時間をかけてるのは……

「ああお父様、水銀燈ほどとは言いません……いいえ、誰かと比べたりなどしません。せめて……せめて、谷間が欲しいですっ……」

Illust 845 氏

おわーる


最終更新:2006年07月28日 12:10
添付ファイル