Story nursery ◆rws0WgtlXY 氏
(image music)
Music nursery ◆rws0WgtlXY 氏
夜。スタジオに、薔薇水晶がただ一人――
皆は、とっくに帰ってしまった。
各自のリハーサルを終え、帰ってしまった。
まだ思うところがある、そういって残ったのは薔薇水晶ただ一人。
・・・別に自分の鍵盤、演奏に何ら落ち度はない。ただ心残りなだけ・・・何が?
鍵盤に触れる気すら起こらない。ただぼんやりと時の流れにまかせて物思いに耽っている。
スタジオの隅を見る・・・
そこには水銀燈のギターが保管されている。
それはいわゆる「リハ用」のもので、メーカーすら分からないような代物であったが
水銀燈の手にかかると、それもまた味・・・そう思わせるような旋律を奏でる。
・・・少し躊躇しながらも薔薇水晶はそのギターを手に取った。
これが・・・水銀燈の・・・
そう思うとぞくぞくっとした官能的な何かが胸を伝う。
指先でそっと爪弾く。
Music:薔薇水晶
・・・あのお方は、こんなにか弱いギターを、ああも激しくかき鳴らしてみせるのね。
想い出すは水銀燈。
ついさっきまで私と一緒にここにいたのに・・・
姿、声、演奏。何から何まで事細かに想い出せるのに・・・
愛しく、トオイ――
彼女は自分でも気づくことなく、頬に一筋の涙を流していた。
最終更新:2007年09月18日 23:00