Music ピコピコ 氏
歴史、それは紐解けば過去から現在、そして未来に向けたメッセージ
なのかもしれない。人類の営みと業の深さゆえ悲しむべき争いの時代
もあった。または空を夢見ていた時代から今や宇宙旅行すら現実味を
おびた世紀になろうとしている。しかし、そんな人類の歴史などこの
星が誕生してからの気の遠くなるような時間の経過と比べれば一瞬の
1シーンでしかないだろう。
我々が住むこの星には数多くの謎が隠されている。
例えば本当に人類はサルから進化した生物なのだろうか?
なぜ人類だけがこうして他を圧倒するような知性を身につけているのだろうか?
まさにこの星を支配すべく誕生したかのような人類はどこから来たのか?
いや来たと言うより作られたのではないだろうか?
そう古来から言われている神の手によって人類と歴史は生まれているのかもしれない。
新緑が清々しい季節に人気ロックバンド、ローゼンメイデンは全国ツアー中の
一時をオフにあてて各地の自然公園などを巡り、ハードなツアーの疲れを癒していた。
今回はとある東北地方のブナの原生林が生い茂る中で真紅と雛苺、そして金糸雀は
学生時代ぶりのピクニックとしゃれ込んでいた。
「ほぇ~、きもちイイの~。真紅もゴロゴロするの~」
「まったく雛苺は子供ね、こういう自然の中ではゆっくりとお茶でも飲んで
過ごすものよ。アレ、金糸雀は何をしてるの?」
「ちょっとUMAを探してるかしら」
「ユーマ?」
「ゆ・・・馬かしら。そうお馬さんでもいそうかなぁ~って思ってたかしら」
春の訪れに淡い緑の草花が咲き乱れる広場で雛苺ははしゃぎながら転がり、
真紅はタータンチェックのブランケットを広げて座り、お茶を飲む。金糸雀は
当然のように不思議な現象はないか?とばかりに辺りを見渡している。
「ふにゅぅ~、ヒナちょっと疲れたの~」
「そうね、もう夕暮れだわ、さぁ帰りましょう」
春の夕暮れはあっと言う間にやってくる、昼間の陽気がウソのように感じられる
闇の中で車を運転する金糸雀は焦っていた。道に迷ったのだ。
「オカシイかしらぁ、ナビが狂ってるかしら~?」
心配な表情を見せる金糸雀をよそに助手席では雛苺は鼻歌まじりでお菓子
を食べている。真紅は後部座席で山道のためか車酔いをしてダウンしていた。
「うぅ、うぅ、うぅ」
小さく唸るような声がする。さきほどまで普通だった雛苺の様子がおかしい。
真っ暗な山道で迷い不安が大きくなりだした頃、突然エンジンが止る。
いや、エンジンだけではない、ウインカーもカーステレオもナビも全てが
止ってしまった。その途端、車は周りの山と一緒の闇に同化する。
真紅は後ろで寝息を立てている。雛苺は相変わらず不気味なうなり声を断続的に
出している。金糸雀は泣きたい気持ちを抑えて携帯電話を手にする。
しかし圏外どころか電源自体が入らない。バタンッ、いきなり雛苺は車の
外に飛び出ると空に向かって両手を挙げて嬉しそうな声をあげた。
「バイバ~イ、また遊びに来てなの~!!」
ギョッとする。雛苺はいったいダレに話しかけているのだろーか?見えるのは
闇の中で低く下がった雲と林の木々だけではないか?と、その時、強烈な光が
その雲の上から放たれる。
「自衛隊の基地が近くにあるのかしら~?」
そう思った考えはすぐに間違いだと悟る金糸雀。雛苺はその光に向けて手を振って
いる。すると雛苺に合図を送るかのように光は大きくなる。それはもはや光では
なく、何か巨大なものが燃えているようにすら感じられた。
金糸雀はその風景を唖然と見つめるしかなかった。すると燃えるような光を出す
物体が光の筋を地上に落とすと、ゆっくりと消えていった。
まるでSF映画のような光景が終わると当時に車のエンジンが突然復活する。
(NGワード・UFOかな? まさに未知との遭遇)
その後、車に戻った雛苺は真紅同様に眠りだした。震える体でハンドルを
握る金糸雀。そして謎の光が光線らしきものを照射した付近に車は差し掛かる
と寝ていた雛苺は起きて金糸雀にこういう。
「あの人達はこれを見に来ていたの~」
車を止めて雛苺の指差す山道の脇にはコケのついた大きな石があった。
車のヘッドライトで照らすと見たこともない文字らしき模様が浮かび上がる。
それを金糸雀はカメラに収めて、車を1時間も走ると街の明かりが見えてきた。
その途端つかれがドッと出てきた金糸雀はその日の出来事を日記にこう記していた。
ありえない、しかし見たものは信じなくてはならない。それに雛苺はいったい
何者なのだろうか?そしてあの石に刻まれていた模様は?
こればかりは私個人ではどうしようもない、明日は韮澤氏にこの話をしよう。
金糸雀は謎の模様を撮った写真を、この日本を代表するオカルト研究家の
韮澤潤一郎氏に渡す。その数日後、金糸雀に驚愕の電話が韮澤氏から
入ってくる。
「あの写真を知り合いの大学教授に見せたんだよ、カナちゃん」
「なにか解かったのかしら?」
「あれは模様じゃないよ、文字なんだよ。しかも古代ヘブライ語なんだよ」
「どう言う意味なのかしら?」
「それはこちらが聞きたいよ、とにかくあの文字を訳すと」
そう言い韮澤氏は訳した言葉を金糸雀に教える。
初めに神が天と地を創造した。
地は形がなく、何もなかった。
闇が大いなる水の上にあり、神の霊は水の上を動いていた。
そのとき、神が「光よ、あれ」と仰せられた、すると光ができた。
神はこの光をよしと見られた、そして神は光と闇を区別された。
神はこの光を昼と名づけ、闇を夜と名づけた。
こうして夕があり朝があった、第一日。
「この言葉って何んなのかしら~?」
「これはね、旧約聖書の創世記の一部なんだよ・・・」
「な、なんだってェェェ~かしらぁ」
この金糸雀と韮澤氏の会話はある組織から盗聴されていた。
そして人気ロックバンド、ローゼンメイデンはこの後、数多くの
不可解な事件に遭遇することになる。
そう影の政府と呼ばれる謎の組織によって・・・。
最終更新:2008年04月05日 13:21