Story ID:UbCGI7JC0 氏(79th take)
「はーい皆さんこんにちは。今日は都内某所のスタジオに来ています!」
「……やたらテンション高いですね蒼星石。おめーこんなキャラでしたっけ」
「シッ!翠星石、今は本番中だ…無駄口は万死に値するよ」
「目が本気ですね…ま、いいです。そんなわけで、私達はこれからプロモーションビデオの撮影を行うわけですが」
「今回はちょっと趣向を変えてみようと思う。アルバムのコンセプトが『愉快な毎日』だからね」
「そもそもそんなコンセプトの時点でローゼンのカラーじゃねぇですが…」
「なにしろ今回の発案者が雛苺と水銀燈だからね」
「ああ…納得したです。色々な意味で」
「ね。そんなわけで、PVもそれに合わせたものに仕上げようと」
「…蒼星石、笑みが黒いですよ?ま、嫌いじゃないですけどね」
「そうそう。第一そんなニヤニヤした笑みを浮かべながら指摘しても説得力が無いよ」
「だって考えただけでおもしれーじゃねぇですか。ヒーッヒッヒッヒ」
「…それ、ファン減らすから止めたほうがいいと思う。さて、そんなトークをしながらやって参りました控え室」
「この中にメンバーが揃ってるんでしたっけ」
「いや、今日は雛苺と水銀燈だけ。この二人のカットを今日は撮影するんだ」
「え。じゃあ私達は…」
「この為だけに来た、って事」
「……後でスイーツ奢るですよ。せっかくの休みですのに」
「ふふ、いいよ。久しぶりに二人で出かけよう」
「…………今、おめーのファンの気持ちがちょこっと解ったです。その笑顔は反則ですよ」
「ふふっ、そうかい。さて…翠星石」
「はい、蒼星石」
「さっきも言ったとおり、今日は水銀燈と雛苺のカットを撮影するわけだけど」
「ですね」
「今回は、『二人が知らないドッキリ』を仕掛けてあったりする」
「え」
「ふふふ、楽しみだよね……」
「……やっぱり、キャラ違うです」
*
「それじゃあ水銀燈さん、こちらへ」
「はぁい。今回はどんなカットなのぉ?」
「ええと、今回はギターソロですね。収録曲のソロをメドレーで弾いて貰います」
「ふぅん…いいんじゃなぁい?」
「それで、ですね」
「なぁに?」
「最後のフレーズを弾くと同時に蒼い炎が上がります。ですので、くれぐれも注意してください」
「りょぉかい。とびっきり派手にしてよねぇ?」
「お任せください。それじゃ、準備が出来たらお願いします」
「雛苺さんはこちらへ」
「うぃ」
「雛苺さんの好物は苺大福、ということでここにどーんと用意させて貰いました」
「ふわー…すごいの、うにゅーいっぱいなの……」
「雛苺さんのカットは『メンバーの休息』という形で使います。勿論、他のメンバーも後ほど撮影するわけですが」
「はいなの」
「雛苺さんは一足先に撮影という事で。苺大福を片手にリラックスした様子でお願いします」
「うーと、うにゅー食べればいいの?」
「そうですね。でも一応PVですので、その辺を考えて…」
「うぃ、わかったの。適当に抑えるのよ」
「では、準備が出来たらお願いします」
*
「さ、いよいよ撮影が始まるよ…」
「蒼星石…なんか、楽しそうですね?」
「勿論。普段やられっぱなしだからね…たまには、こういう役が無いとやってられないよ」
「……おめー、意外に黒いですね」
「ふふっ、そんな事は。人間誰しも持っている心だよ」
「そういう事にしとくです」
「っと、始まった…」
~~~♪ ~──~~! ~♪
「ギターソロのみとはいえ、流石に長ぇですね…」
「ま、ね。でも水銀燈なら大丈夫だよ。雛苺は…」
「……ありゃ苺大福しか映ってねぇですね」
「だろうと思ったよ…さあ、見所だ。クライマックスだよ」
~─~~──~! ~~! ~~~♪
「はい、火出ます!」
どーん
「………あら?」
「ぶわああああああん!!!!」
「な、なあに…どぉしたの…?」
「ひ、ヒナの…うにゅーが……も、燃えてるのよ……うにゅーがあ……」
「ちょっ、火が上がるってあそこなのぉ!?」
「いや、あの…あれ、おかしいなあ…おい、火仕掛けたの誰だ!」
「ひ、ヒナのうにゅー…燃えちゃってる……ううう、酷いの……!!」
「ひ、雛苺ぉ…ちょっとぉ……??」
「……水銀燈なのね、こんな酷い事したの……!」
「へ?な、なんで私ぃ?」
「その手に持ったギター型の発火装置が何よりの証拠なのよ!!」
「発火装置ってそんなの………ただのギターよぉこれ」
「責任取るのよ…ヒナのうにゅーを燃やした罪は万死に値するの…!」
「ちょっとぉ、スタッフの皆…だ、誰もいない!?…な、なんでこうなるのお!?」
「そこへ直るのよー!!」
「いいいいやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ひーっひっひっひ、あの水銀燈の慌てっぷりは素晴らしかったですね」
「全くだね。普段のクールな彼女とは違う一面を見ることが出来たよ…ふふっ」
「スタッフ、おめーらちゃんとあれ撮ったですか」
「ええ、ばっちり撮りましたよ。素材としても使えます」
「さすが、いい仕事をするね。」
「それでこそ一流ですぅ」
「さ、じゃあ後は映像をチェックし………て………」
「ん?どうしたですか」
「あ、後は任せたよ翠星石っ!じゃっ!」
「あ、ちょっと…ったく、一体なんだって言うですか……」
「すーいーせーいーせーきーぃ?」
「ひぃ!?この地獄の底から響くような妖艶な声はぁ!?」
「説明台詞をありがとぉ…ふふふふ…お陰で散々だったわぁ……」
「す、水銀燈…ごきげんよう、ですぅ……」
「御機嫌が良いように見えるぅ?」
「…見えんです…」
「当然よねぇ。雛苺に散々泣かれて苺大福100個も奢らされたしぃ」
「……あのチビ苺、どこにそんなに入るですか……」
「とりあえずぅ…貴方にもこの恨みをお裾分けしようかなぁ、って思うんだけどぉ」
「え、遠慮しとくですぅ……」
「あぁら、遠慮なんかしなくていいのよぉ?ふふふふふっ……」
「ひ、ひぃ!寄るなです来るなです!!おっかねーです!!」
「覚悟しなさぁい…!」
「ぴきゃあああああああああああ!蒼星石恨むですよおおおおおお!!」
「ごめんね翠星石…でも僕は、これしか手が無かったんだ…くくっ……」
「蒼星石、笑みが黒いのよ」
「ん?あ、雛苺。お疲れ様」
「うぃ、お疲れさまーなの。蒼星石、美味しいコーヒーのお店見つけたのよ。撮影は任せてお茶しましょー」
「ん、そうだね。そうしようか」
「やめやがれーです!ひぎぃ!いやあ、らめぇ……!」
「まだまだこんなものじゃないわよぉ…!」
最終更新:2006年09月18日 20:19