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Story  小指 氏

「DOUBLE!!」
Lylic  小指 氏
「・・・なぁにあれぇ・・・」
「嫌な予感しかしないのだわ」
2人が見る先には、壁から体半分だけを覗かせて
こちらに向かって手招きをしている薔薇水晶がいた。
しかも悪いことに、その右目は普段の数倍キラキラと輝いている。
十中八九、薔薇水晶だけが面白い展開が待っているのだろう。
だが断ったら断ったで後が怖い。
ライブ中にシールドを抜かれる程度ならまだいいが、命に関わることは避けたい。
真紅と水銀燈は異常な低姿勢のまま薔薇水晶へと歩み寄った。

「あのね・・・別プロジェクトの歌歌って欲しいの・・・」
「「・・・・・・」」
そーう来たかぁ。
という2人のあからさまな表情をものともせず薔薇水晶は続けた。
「私ね、前から・・・打ち込みの作曲で・・・あの・・・なんていうか、DJやってて・・・」
うん、まあ薔薇水晶が作るなら悪いプロジェクトじゃないだろう。
「次は・・・歌モノやろうって話になった・・・んだけど・・・ボーカル、いなくて」
「判ったのだわ、それでRozen Maidenのボーカルたるこの私に依頼s
「お願いね・・・水銀燈」
「え」
「ええええええええああああああああああ!!??」

~~~~~~~~~~~~~~~~~
「うー」
「ちょっと、うるさいわよ水銀燈」
「うー」
「ちょっ・・・もう」
「ううぅー・・・やぁよ真紅ぅー・・・なんで私がラップ担当なのよぉ」
「当然なのだわ、ラップなんて歌とは呼べないもの」
「じゃあ私にやらせんなよッ!!・・・いやぁ、ぜんぶ薔薇水晶が悪いんだけどねぇ」
ばらしーの依頼を受けてから2週間。
2人は毎日のようにああでもないこうでもないと日進月歩の作詞を続けた。
・・・結果、出来上がった(多大なばらしーの圧力があったことは否めない)のが
水銀燈メインのラップ調の歌であった。
「歌詞は・・・任せる・・・から」
そう言っていた薔薇水晶が一番こだわっていたのが「銀ちゃんのラップ」だった。
いやぁそういうのはちょっとぉ、と断ろうと思った矢先
あれよあれよという間に金糸雀から休暇を言い渡され
どれよどれよという間に作詞の環境が整えられていたりして
これよこれよという間に1曲でっちあげられてしまったのである。

そして今、イベント当日―――ラストナンバー。

MCが、水銀燈と真紅の名前を告げる。

「ほら、覚悟なさいな!!女は度胸なのだわッ!!」
「ヒエエエェェェェ」

「DOUBLE!!」
Lyric:水銀燈・真紅 Music&Arrange:薔薇水晶 

Please give the ink made from your blood to me 
My wing is painted black by using it again 
Before a pure-white stain dyes me 

It gnaws slowly 
I requested it 
Because I suffer, it is true feelings that have been said 

I fear the mirror and conceal it, please 
The mirror reflects light and shines on me 
Even every corner of my body is made to be looked clear 

Turning the lights off 
Don't show a needless fact 
I'm... 

近づけない、近くで見れない 
私の光があなた塗り潰しそうで(dou...ahem) 
遠すぎるから、遠くに見えるのに 
鏡があなたと私を遮るのthe double 

The double 

The DOUBLE!!!!! 

「んぁー、スッキリ♪」
「何よ・・・あんなに嫌がってたくせして」
「歌うっていいわぁ、いつも真紅にやらせとくのは勿体無いくらぁい」
「調子に乗るんじゃないのだわ・・・まったく」

 ・・・そこには、何か一つのことをやり遂げた少女たちの笑顔があった。

「銀ちゃん超カッコイイ・・・やっべ・・・やっべコレ・・・」

 ・・・そこには、なんかこう一つのことをやっちまった少女の恍惚の表情があった。


最終更新:2007年03月02日 00:33