Story  靄 氏
世界的ロックバンドRMのVo.真紅は今ライブ会場フロレンス近く、ウフィッツィ美術館にいた………ある男性と待ち合わせとして
真紅「リッピの前…レディを待たせるとは相変わらずだらしがないわね、ジュン」
そう呟くとそばのベンチに腰を下ろした

10分後…

ジュン「早いな、真紅。予定より10分以上早い」

真紅「遅いわ!薔薇の鞭で……雰囲気変わった…わね、ジュン。いいえ、十六夜陸月(いざよいむつき)デザイナー兼作詩家さん」
ジュン「美術館では静かにしろよ、真紅。…大人びたな…でも5年前からたいして変わらないな…しかし、名前はよしてくれ」
「貴方が変わりすぎなのだわ」真紅はそう呟き、少し戸惑った顔をした

2人は美術館を回る、他愛もない話をしながら

ジュン「何時こっちに?」
真紅「昨日の夕方ね、ライブは明日の夕方ミラノだわ」
ジュン「凄いな、ミラノか。流石世界的ボーカリスト」
真紅「貴方だって新鋭デザイナーとして賞をとってたじゃない」
ジュン「でも真紅には劣るさ」
真紅「それにしてもジュンやRMだけでなく巴も今や女優だわ。めぐは作家Megu.として凄いし。私立薔薇学園高校はもう凄いことになっているわ、超高倍率よ」
ジュン「姉ちゃんも料理人だし。そうそう、今一家はこっち引越してる。楽しかったな、あの時。特に2、3年は。」

美術館を出て近くのカフェへ入った二人

真紅「さて、ジュン。ちょっと頼み事があるのだけれど聞いてちょうだい」
ジュン「聞かなきゃ怒るだろ、真紅は。お陰で仲間内の飲み会キャンセルだし。」
真紅「…其処は全く変わらないわね」
ジュン「そういや髪型変えたんだ?それも高校のに」
真紅「それは…バレないように」

ジュンのためにと言うのは秘密

真紅「話を元に、あの…」
ジュン「服だろ。良いよ、真紅。それから詩か?」
真紅「へっ………そうよ、ジュン。それを頼もうと」
ジュン「真紅の考えはだいたいわかり易いよ。だから水銀燈もからかうんだし。けど、僕は悲観主義者(ペシミスト)だよ、いいのかい?」
真紅「原点に戻りたいの…だから…貴方に頼もうと思ったの、ジュン。はじめは貴方からだったから…」

ハジマリ

ジュン「原点ねぇ…あの真紅が」
真紅「何、不満でもあるの?使えない下僕ね」
ジュン「真紅も其処は変わらないよ」
真紅「とにかく…RM初の曲…詩はジュン、貴方。曲は私だったわよね?」
ジュン「話の変えかたも変わらない」
真紅「…認めるわ」
ジュン「ん、素直になったな。…最初は確か真紅の鼻唄が何の曲か聞いたんだよな」
真紅「ええ、それが元曲」
ジュン「なら、また鼻唄から作ろうか」
真紅「えっ………成程、まさに原点という事ね………でも鼻唄なんて」
ジュン「世界的Vo.の鼻唄、聞いてみたいなぁ」
真紅「即興で!?」
ジュン「いや、別に今じゃ無くても………真紅が頼みたいんじゃないの?」
真紅「はっ………下僕に下手になるなんて…」

冷めた珈琲水面は静か…約1時間後…

ジュン「それよりも………時間いいのか?」
真紅「まだ少し早いわ」
ジュン「でも携帯」

めるめるめる

真紅「あら、雛苺からメール」
ジュン「いや、時間時間」
真紅「あああ…あああららら」
ジュン「落ち着け、真紅。とりあえず珈琲飲めよ、せっかくのおごり」
真紅「珈琲より紅茶が良かったわ」

呟き、冷たい珈琲を飲んだ。

真紅「こほこほ!んっ、んっ」
ジュン「だから落ち着け。そういえば水銀燈も/真紅「一緒にしないで頂戴!」/………なんだかんだ親友の癖に…時間」
真紅「ジュンが悪いのよ、意地悪ね。」
ジュン「ブーツの紐、ほどけてるよ真紅。全くもう…」
真紅「ありがと、ジュン。またメールするわ、曲も。ライブ楽しみにね。」
ジュン「スランプ脱却出来たら嬉しいよ」

カツカツカツ
何故ジュンには隠せないの?
カツカツカツ

ジュン「頑張れよ、かりん」

真紅「      、   」
ジュン「    」




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最終更新:2008年02月01日 00:42