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Story ID:BOifAVHsO 氏(10th take)

(image music:12th0235)
Music ID:E732EIIf0 氏(12th take)

「Always」
Lyrics ID:TEDzucZs0 氏(10th take)

(image music:12th0235)※クリックでダウンロード


「みんな本当におつかれさまなのぉぉぉぉURRRRYYYYYYYY!!」
「ちょ、雛苺飲みすぎだよ!」
「薔薇水晶…翠様の酒が飲めねーですか?」
「……泡盛がいい…」
「みんな禿乙かしらーー!!!!」

ライブ終了後、現場のスタッフ達&ローゼンメイデンでの打ち上げ。
周囲がどんちゃん騒ぎする中、それを横目にテーブルの端で2人はぽつんと座っていた。

     [夢とホルモン]

「夢、見たのぉ」と、水銀燈。
「ふぅん。どんな?」と、私━━━真紅。

「私がね…何故かさいたまに転校しちゃうのよぉ」
彼女は硝子棒でコーラと焼酎を割ったものを掻き混ぜながら言う。即ちコークハイ…私、それ嫌い。

「………」
「………」

というか、これは完璧に家飲みの空気かもしれない。
帰ってから飲めばよかったかしら、いや帰ってはすぐに寝てしまうかもしれない…それはそれでつまらない。
まだここに居るほうがマシだと思い、隣の蒼星石が座っていたテーブルからつまみを奪う。
“ホルモン”は意外に美味しい。


「ちょっと真紅ぅ、聞いてる?」
水銀燈の声でハッと我に帰った。私、疲れてボーッとしてたのかしら。
「えぇ、貴女がさいたまに転校する夢でしょう?あ、ホルモン食べる?」
またホルモンをつまみながら聞く。

「ありがと。それでねぇ、引越しの前日に真紅のところへ挨拶に行くの。もうボロボロに泣いてたわ。」
「へぇ、夢の中とはいえ水銀燈も意外なところが」

「泣いていたのは貴女よぉ、真紅」
水銀燈はまだコークハイを掻き混ぜている。いい加減に飲めばいいのに。ついでに腹が立ったのでホルモン没収。

「あっひどぉい」
「ひどくないのだわ。で?」

続きは?と目で訴える。
水銀燈は銀色の髪を掻き上げながら、続きを語った。

「そこで急に意識が暗転してぇ…転校先の学校に居たのよ、真紅を残して」

まーだこの子ったらコークハイ掻き混ぜてる。氷が溶けて不味くなるのに。



「転校先にはベジータとローゼンメイデンメンバーがいて、仲良くなったの」
「…私は?」
「貴女は転校前の学校のままよぉ。で、私はそのままベジータとみんなでバンド組んじゃった訳なの」

本当に何故ベジータなのかしら……ベジータとならバンド名は、ド……ドラゴンメイデン?
駄目ね、ネーミングセンスが無いにも程があるわ。きっと酔ってるせいなのだわ。
ドラゴ(ryを忘れようとして、またホルモンをつまむ。
一方の水銀燈はやっとコークハイを飲んでいる。
味薄くないのかしら。味覚逝ってるのかしら。


「それでねぇ、また暗転するの」
「うん」
「…なんかぁ、何処かでライブしてたの」

「…盛況だった?」
「ええ、もちろん。マネは金糸雀でぇ、メンバーは私とばらしー、雛、蒼、翠、あとひとり誰かと。」
「……ベジータは?」
私は眉を潜める。

「ボーカルは見えなかったのよぉ。でも歌や音はちゃんとあって…」

水銀燈はじっと私のほうを見る。目が合う。見つめあったままが何故か怖くてそらそうとするが、視線は何故か離せない。

「夢の中でね、ギター弾きながらぼんやり思ってたわぁ。
“あの位置に真紅が居てくれたらいいのになぁ”って。」

……水銀燈、と口を開こうとしたが、それは突然入ってきた薔薇水晶によって邪魔されてしまった。

「な、ど━━したのこの空気!!家飲みかよ!あっはっは糞ウケる!!!」

はいはい酔っ払い薔薇水晶わかったからあっちいって頂戴
水銀燈に抱きつかないで

「あのね、2次会行こうと思ってんだけど、カラオケか銭湯どっちに行こうかって揉めてんの!あはは!」

後ろから水銀燈に抱きついた挙句、む、胸を触って……いやらしい子!

「カラオケ~~せ~んとぉ~~」
そう言って薔薇水晶は水銀燈の隣に座ってもたれかかる。全く…本当に酔っ払ってるの?わざと?

「……銭湯ねぇ」
って水銀燈も何を嬉しそうな顔してるのよ!しかも行きたそうな顔。貴女行きたいんですか。
私はもう早く帰って寝たいのよ流石に。
もう帰ってしまおうかしら。



「私、帰るわ」

なんとか冷静を保って。
水銀燈に触るなと怒りたいのは山々だが酔っ払い相手にそこまでするのもガキだし、薔薇水晶に悪気はない。多分。

「えぇ━━しんくかえるのー?」
「えぇ、ライブ久しぶりだったし、疲れたのだわ」
「でも一人じゃ危なーい!」
薔薇水晶のお小言など気にすることもなく、ステージ衣装の入った鞄を持つ。顔を紅くして眠る蒼星石をまたぐようにして席を立った。

「じゃあ私も帰るわぁ」

なぜか水銀燈はゆっくりと席を立ち上がり、のそのそと鞄を掴み、そして最後にホルモンをつまんで私のところへ来る。

「銀ちゃんもかぁ…じゃ、二人ともお疲れさまぁー!!お気をつけてぇ!!」
へらっと笑って手をヒラヒラ振りながら、薔薇水晶はどんちゃん騒ぎの集団の中へ戻っていった。
私は残った水銀燈のコークハイを一口飲んで、ホルモンをつまむ。やっぱりコークハイは不味い。

スタッフ(男)の野球拳に指示をする金糸雀と雛苺を横目に、残りのスタッフと翠星石に握手をして店を出た。もちろん私の後ろには水銀燈が居る。

会計はライブハウスの店長の奢りだったので財布を開ける必要はなかった。



「寒ぅい」
店の外と中はかなりの温度差があった。冷たい風に体温が奪われそうで、マフラーをきつくしめた。

「始発…あるかしら」
「あるんじゃなぁい?」

二人で明け方の新宿を歩く。空はまだ薄暗くて、朝と言うにはまだ早すぎる時間帯だ。
「……こうやって二人で歩くの久しぶりねぇ」
「そうかしら」
「二人で朝まで曲作りしたあの日を思い出すわぁ」
「…あの時は本当に疲れたのだわ」
「懐かしいわねぇ、ふふ」

そうね、と相槌を打ってふと気になったことを思い出した。

「そういえば、あの話の続きは?」

水銀燈の夢の話。
そう聞くと、水銀燈はへにゃっと顔を綻ばせた。やっぱりまだ酔ってるらしい。



「……夢で真紅だったらいいなぁって思ったって言ったわよねぇ」
「えぇ」
「でもぉ、結局わからないまま目が覚めてしまったの」
「………」

「起きて…すごく虚しい気持ちだけが残った……」

水銀燈の吐く息は、白い。
そして私の息も。

「でもねぇ、今日のライブでステージに上がった時」

静まりかえった街。
この空間もあと少ししたら喧騒にまみれてしまう、そう思ったら何故か悲しくなった。

「夢と同じ景色でね」

この交差点のあたりには私達しかいない。
あとは、一匹のカラス。
彼女の服の色と同じだ、なんてバカバカしいことを考えた。





「今日のステージには私がいて、みんながいて、真紅がいた。貴女、ギター弾きながら歌ってた」

朝日が輝いて、彼女の髪はキラキラとそれを反射する。彼女は紅い瞳をゆっくりと細めた。

「あぁ、やっぱり真紅だったんだなぁって」


「………よかったわね」

「なにがぁ?」
「ド、ドラゴンメイデンにならなくて」
「え?」
「ベジータとのバンドの名前…ドラゴンメイデン」
「……あっはっはっは!ありえなぁーい!!」
「う、うるさいのだわ!」
なんだか恥ずかしくて水銀燈の足をブーツで蹴った。

「いったぁい!ごめんってばぁ!あはは」

涙目。なのに笑ってる。
Mか





「……とりあえず私の言いたいことは、真紅が居ないのはありえないって事なの」

輝く紅い彼女の瞳は、朝日のせいなんかじゃないと信じたい。

「つまりは、私、貴女が見えないと不安なのよねぇ」

「……なら」
「なら?」
「今日は一緒に寝ましょう」
一緒に寝たらちゃんと見えるんじゃないの?夢でも、現実でも。

「んっ…!」
「ね。」
「あ…あ、呆れたおばかさぁん!」

人が居ない時間帯だからこそできること。銀の髪が顔に当たってくすぐったくって、私は小さく笑う。

「さぁ、帰りましょう」
「ほんっとに…おばかさんなんだからぁ」
「はいはい、帰ったら紅茶を入れて頂戴」
「やぁよー」

また貴女が同じ夢を見た時は、ちゃんと振り返るから。
一生懸命ギターを弾いている貴女の瞳、見るから。
不安にならなくていいから。
そして、一緒に笑おう。

[END]

「Always」

Lyrics:真紅 Music:水銀燈 arrengement:Rozen Maiden

いつの間にか 明け始めた夜空
瞬く星は姿を消してる
触れ合う肩さえいとおしく
何も言わず 横顔を見つめて 

気が付けば いつもそばにいた
夢のように走り去った あの頃
二人 寄り添って同じ夢見て
どんなことも出来ると 信じていたね

ささいなことで 言い合うことも あったけれど
それでも互いに 求め合うことで 繋がっていたね
そう

朝日と夜空の変わるあたり
二人の吐息が重なり合う
私の手を包むあなたの手
何も言わず 二人 歩き続ける


最終更新:2008年04月05日 10:58