Story  ID:VrdnuG2D0 氏(206th take)
水銀燈ソロアルバム(アルバム説明付きw)

The Eastern Wind

1・Siva
2・彩
3・MANDARA(曼荼羅)
4・Asian Blue
5・KAMI WAZA(神業)
6・SA KU RA
7・The Eastern Wind

超実力派ロックバンド、ローゼンメイデンのギタリストである水銀燈のソロアルバムと言うことで飛びついたギターキッズも多いだろう。
かく言う私もそのくちである。
プレスされたばかりのCDをドキドキしながらプレイヤーに差し込み、1曲目を聴いてみる。

「えっ、なんだこれ? 凄いじゃないか!!」

それが1曲目Sivaの第一印象である。
この曲を聴いてもらえば解るように随所にインドの民族楽器であるシタールが効果的に使われ、その神秘的な音色と共に暴走する水銀燈のギターがまさに題名であるSivaがヒンドゥー教における破壊の神の名前であることが理解できる。

そして2曲目はうって変わっていきなりゲームミュージックのようなイントロで開始される。
これは現代日本のポップカルチャーをイメージして作ったらしく、いかにも軽快なポップ調なメロディーとなっている。
ちなみにこの曲は彼女が所属するローゼンメイデンから雛苺と金糸雀がゲスト参加している。

さて3曲目のMANDARA(曼荼羅)だが、いきなり低い読経のような声から始まり、続いてどこか不気味さをも感じされるメロディーは西洋的な悪魔崇拝的ロックではなく、いかにもアジアの神秘を彷彿させる作りとなって聴く者を混沌の世界へと導いてくれるだろう。
なお、このMANDARA(曼荼羅)には同じくローゼンメイデンから薔薇水晶がゲスト参加している。

ここまで聴いて、初のソロアルバムはアジアを意識した作りとなっているのはお分かりいただけたと思う。
もちろん4曲目のAsian Blueもそのくちである。
この曲はこれからも季節にもってこいの夏をイメージした曲で、イントロ部で聴こえる奇妙な掛け声はバリ島の伝統的な歌であるケチャを導入している。
なおこの曲は水銀燈としては珍しく控えめで優しいトーンだが、それがゲスト参加している蒼星石の軽やかなチョッパーと相まって絶妙なアジアンヴァカンスを見事にイメージさせてくれる1曲となっている。

さて、5曲目のKAMI WAZA(神業)は水銀燈の本領発揮と言わざるを得ない曲である。
5分15秒の中にこれでもかと言わんばかりのギターテクニックが詰め込まれている。
これは全体的に爆発、疾走、音速と言えばいいのだろうか?適当な言葉が見つからないほどの速弾きと聴く者のド肝を抜くほどのタッピング技術などが散りばめられた至高の1曲であるのは間違いない。
おそらく古今東西これほどまでに完成度の高いテクニカルなギターソロは聴いたことがない。
なお、この水銀燈の速弾きを支えているのは同じくゲスト参加の翠星石のテンポのよいドラムテクニックによるものも多いと感じられる。

さて、6曲目のSA KU RAはまさに桜を連想させる曲であり、つぼみから咲き出して、淡い可憐な花を咲き誇らせ、そして散り行く様を見事なまでに音楽として表現した1曲であろう。
この曲はアコースティックギターから導き出されていくマイナー調のメロディーの作り方がなんとも素晴らしい。
そしてそのメロディーに花を添えるのはローゼンメイデンのヴォーカリストの真紅の声である。
水銀燈のギター、真紅の声、この2人の天才が奏でる音楽という名の芸術を心行くまで堪能できる作品である。

そして最後のThe Eastern Windであるが、もうこの曲に私のヤボな説明などはいらない。
ただ、あえて私が世界に向けて言うならば、この日本という国がある東方から生まれたの新しい風(音楽)を感じてもらえれば幸いだと思う。
この風(音楽)は近い将来には世界の隅々まで行きわたるだろうと確信する。

2007年 6月27日 麻生太郎




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最終更新:2007年06月27日 23:08