Story  ID:WQDXpKh20 氏(220th take)
「さぁ続いての曲は『○○○』!」
ライブの最中。
MC蒼星石が曲の名前を口に出した瞬間、盛り上がりは最高潮に達する。
「この曲は説明不要、幻想的な世界観に酔いしれる曲!特にイントロのピアノをよく聴いといてくれよ!」
ボーカル担当で無いのをいい事に喉が枯れるくらいの声で叫ぶMC。一斉にコールが巻き起こる。

 ・・・。

ふと、異質なコールをしている前列の観客に目をやった。
服装はDetroit Metal CityのTシャツ。

 ・・・ロックバンドそのもののにわかファン?
よく前列が取れたものである。もっとも、彼らはちゃんと周りの空気に付いていっていて素質はありそうだが。

「・・・DMCのTシャツ?」
思わず蒼星石が口に出した。
観客の視点がDMCに集まる。

「君達ぃ!?今は、DMCよりも目の前の『Death MC』、蒼星石を見るのですうぅぅーーーーー!」

唐突に、後ろのドラマーが叫んだ。
(で、デスMC!?)
適当に言ったのだろうが、絶妙な姉のカバーで会場が再度炎上した。
一気に蒼星石とDMCが会場の中心となる。

「・・・×ー×ー×!×ー×ー×!」

ノリでDMCが叫び始めた。
はっちゃけると、このSS書いてる人があまり気に入ってないし年齢制限あるので伏せ字にしたが、平たく言うと強姦の英訳である。
(いや、流石に×××はこの幻想曲には合わないなぁ、どうしよう・・・)
そう、蒼星石が次に叫ぶ事を考えた瞬間。



ビリビリッ!

「オオオオオオオオオオオオ」
大歓声。

唐突に、「肝心のイントロ」担当の薔薇水晶が自らの衣装を破いた。

「えぇ!?」
(もう、盛り上がればいいのだわ!蒼星石、始めなさい!)

「・・・あ、あぁ!じゃあ行くぜ!『○○○』!」




ライブが終わった後。

「ホント、この子はサプライズにも程があるわぁ・・・」
「でも楽しかったのー!」
「黙りなさい雛苺」
打ち合わせで、あの曲の時だけ微妙にノリが悪くなった水銀橙が呟く。

「まぁ、ロックとしては一流だわね・・・私も見習うべきねぇ、薔薇水晶を」
嬉しそうに薔薇水晶が破いた衣装を片付ける。
何気に、最初から別の微妙に安い衣装にしてあったらしい。服装担当(ジュン)経由で真紅は何かやるとは聞かされていたらしいが。

「それにしても、どうしてあんな事を思い付いたんだい?」
蒼星石が聴いた。





「バラす・・・衣装・・・」
「貴女には失望したのだわ」




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最終更新:2007年07月28日 12:54