Story ID:3dQLfW3E0 氏(225th take)
「マンガの帯のコメント?」
「うん、書く事になったんだ」
他愛も無いメンバー内部の会話。
その流れで、こんな話が飛び出た。
「武装錬金っていうマンガでさ」
「アナタはそういうのがやっぱり好きなのぉ?」
水銀燈がからかう。
「いや、主人公の名前の関係で勧められてさ・・・」
「名前?」
「カズキって言うんだ」
一瞬静まり返った後、真紅を除いた全員が一同が一斉に吹き出した。
「・・・今は情報化社会だと実感したのだわ」
その真紅(紅茶飲んでたので堪えた)が呟いた。
元々、事の発端は蒼星石の祖父(とりあえずここではそういう設定にしておく)が彼女をカズキと呼ぶことに由来する。
ボケが進行しているのかいつも彼の息子(蒼星石の叔父?)の名前で呼ばれてしまうために一時期メンバー内で流行。
・・・したのだが、それがコアなファンの間で広がり、いつの間にか彼女を指すネットスラングになってしまったというのがこれ。
「・・・マンガ自体は?」
とりあえず、カズキの話は置いて話を進める。
「いや、面白いよ。凄く気合いが入ってるなーって感じがして。
あと・・・何だっけ?えーと・・・」
「まだ何かあるのぉ?思い出すなら早くしなさぁい」
「確かあのマンガの作者は筋肉少女帯とか大槻ケンヂのファンとか書いてたはずですぅ」
「え?」
翠星石が不意に口を挟んだ。
そうなん?というような目付きで全員の視線が彼女に集まる。
「そうらしいんだよ。そこからネーミングを借りた設定とか多くてさ、それも面白かったんだよ」
「ネーミングを借りた設定?」
「えーと・・・例えば、『ニアデスハピネス』とか。大槻ケンヂへのオマージュで、小説の用語から取ったらしいんだ」
「小説?大槻ケンヂの?」
「そう」
最初に言った「気合いの入ったマンガ」という発言も相まって、メンバーのその知らない漫画に対する印象が一気に期待に変わった。
「もしかして、作者さんからオファーが来たのぉ?羨ましいわあ」
「いや、編集部とかが決めたらしいから特にそういう事は・・・」
「でも、もしそのマンガ家さんがヒナ達の音楽を気に入ってくれてたら凄く嬉しいのー!」
一同が言おうとしてた内容を、真っ先に雛苺が口に出した。
「・・・少なくとも、私達に触発されて・・・っていう事があったらすごく嬉しいわね。
そういう、『世界を造る』だけじゃなくて『世界を造ってもらう』のも私達の音楽でありたいものなのだわ」
そして。
いつの間にか、ここまでの流れを受けたこの真紅の話を全員が思い思いに聞いていた。
「・・・確かに、憧れてもらいたい、とは思うかも・・・」
「うーん、バイオリンが久々に恋しくなったかしら・・・」
「ようし!じゃあ・・・何って言えばいいのかな」
「えっと、こういう時は・・・みんな、これからの曲も気合入れるですうぅぅぅー!」
全員、円陣は組まなかったが心の中で思いを一つにした。
オマケ。
「折角だから、私も読んでみたいのだわ。蒼星石、今度貸して頂戴」
「あ、うん」
「真紅はマンガとか読まなさそうなのー」
「数年前にベルサイユの薔薇を読んだきりだけど多分大丈夫なのだわ」
一同(不安だ・・・)
最終更新:2007年11月01日 03:00