サーヴェリー姉妹-14
1
799 名前: FAT 投稿日: 2005/09/10(土) 23:19:45 [ sA2y8tm. ]
「いたぞ、殺れ。」
・・・また一匹蒸発した。やっぱクラープは強い。もう既にここB4
で生き残っているモンスターはいないんじゃないか?
「そうだな、ではB3に上がるか。」
「止まれ、この臭い・・・人間だ。」
人間?ご主人、どうするおつもりで?
「ふん・・・殺す!!」
え?う、うそでしょ?ご主人。フプレが知ったら悲しみますよ。
「かまわん。今は私の意志で動く。」
「む・・人。・・・テイマーか?はっは、大したモンスターを連れて
いるな。」
笑ってる場合じゃねぇ!!死ぬぞ!!
「メラー、殺れ。」
いやだっ!!うわぁっ!!体が勝手に!!!
「うおっ!!なんだいきなり!!」
「ちっ、抵抗しやがって。もういい、クラープ!!」
戦士さん、逃げてくれよぉ!!
・・・俺の願いも虚しく、戦士は無残な最期を遂げた。クラープの
光線で倒れた戦士の体を、ご主人は何度も何度も笛で突いた。血を
滴らせ、笑いを浮かべている。この人は明らかに異常だ。おかしい
よ。この人が地上に出たら・・・。あぁ、考えただけでも恐ろしい。
「うおぉぉぉおぅお!!??」
人だ!この戦士の仲間か?いいぞ、逃げろ、逃げるんだ。
・・・よし、見えなくなった。これで、誰かがご主人を止めてくれ
るかも・・・
「メラー。」
・・・はぃ・・・
「何故そこまで人間の肩を持つ?」
人間が好きだからです。
「人間はお前のことを恐れているのだぞ?」
でも、村の皆は優しくしてくれました。
「それが偽りの優しさと知っているか?」
・・・はい、それでも、好きなものは好きなのです。
「・・・いいか、メラー。今、私の心は酷く傷ついている。何故か
分かるな?」
フランのことですか?
「そうだ、この悲しみを癒すには・・・殺ししかないのだよ。私に
は。」
・・・・・
「メラー・・・貴様と契りを交わしたのはもう9年も前だったな・・・。」
・・・・・
「もう一度、私に染めさせてやるよ。」
うっ!!!!
「どうだ?9年振りの口づけは?色っぽくなっただろう?」
はい、シエル様・・・
「ふん、名前も思い出してくれたようだな。さぁ、行こうか・・・
私を慰めるために・・・・。」
はい、シエル様・・・
2
800 名前: FAT 投稿日: 2005/09/10(土) 23:20:30 [ sA2y8tm. ]
二週間経った。母への返事は書いていない。・・・書けないよ。
ようやく歩き回れるようになり、体の調子は上々、退院も間近だ。
「フラン、ちょっといいかい?」
レニィに誘われ病院の外に連れ出される。
「実は今、オート地下監獄で連続殺人事件が起こっているんだ。
それで、どうもその犯人は光魔法を使う魔物らしい、君たちを襲っ
た奴に違いないと思うんだけど・・・。」
・・・私は姿を見ていないが、傷跡から光魔法による焼傷というの
が分かっていた。あの監獄内なら、間違いないだろう・・・
「それで、一人のランサーが街中で叫んでいたんだ。“彼氏の敵討ち
を手伝ってくれ”って。勝手だとは思うけど、僕と君、それにタカ
の三人を参加表明しといたよ。よかったかい?」
「ええ、ありがとう、レニィ。絶対にフプレの仇をとってみせる
わ。・・・絶対に!!!」
私は決意を固め、拳を固めた。力を入れすぎたそこからうっすら血
が滲む。
「無茶は駄目だ!敵を見ても冷静に、平常心を保てよ。」
いつになくレニィは真剣な顔だった。私の心情を見抜いてか・・・。
だが作戦決行当日、時間になっても彼は現れなかった・・・。
オート地下監獄の入り口にて、
「自己紹介をするわ。私はテリーナ=ベイルナ。今日は集まってく
れてありがとう。さっそくだけど、部隊を二つに分けたいと思うわ。」
なるほど、周りをみると、報酬金目当てか、十を越す数の人が集ま
っている。多すぎても足手まといになってしまうだけ、ということ
ね。
「じゃあ・・・そこの五人、一緒に先陣を切りましょう。」と彼女に
近かった五人が指名された。残念ながら私もタカさんも、代理で来
てくれたクレナも指名から外れてしまった。
「じゃあ、さっそく行くわよ。後発部隊は合図があったら突撃し
て!!」
意気揚々と監獄の中へ六人は消えていった。
「フラン、本当にもう大丈夫なのか?」心配そうにタカさんが顔を
覗きこむ。
「大丈夫よ。むしろ今は怪我の前より調子がいいくらい。」
おそらく興奮しているからだろう。神経が研ぎ澄まされている感じ
だ。
「ごめんなさい、お兄ちゃんが来れなくなってしまって・・・。」
「いいのよ、仕事じゃ仕方ないわ。」
と言ったものの、レニィの戦闘力を当てにしていた私は少しがっか
りして頭をうなだれた。
冷たい風が吹き抜ける中、復讐のため沸々と沸きあがる熱い気持ち
を押さえ込みながら入り口を睨みつけ、私はいつまで経っても送ら
れてこない合図を待ち続けていた。
最終更新:2008年07月08日 22:56