サーヴェリー姉妹-15
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823 名前: FAT 投稿日: 2005/09/12(月) 11:45:10 [ sA2y8tm. ]
オート地下監獄B1
シエル様
「ん?どうした?」
人間が多数、下りてきたようです。
「分かっている。楽しみだなぁ・・・。くっくっく。」
こちらから仕掛けましょうか?
「ああ、そうだな。ではメラーには裏から回り込んでもらおうか。
道は・・・分かるな?」
はい。もはやこの辺りは庭のようなもの、では、行ってまいります。
「うむ。」
見えるぞ、愚かな人間共め。せいぜいシエル様の慰み者になるのだ
な。
「敵?後ろよ!!みんな!!!」
遅いわっ!!!
ありったけの炎を噴き出す、魔法で守られていた4名以外はその身
を黒く焦がし、醜い断末魔を上げる。その様を愉快気に、本当にご
満悦そうに、シエル様は笑みを浮かべられ、炎に当てられたそのお
顔はおおよそ悪魔と呼ぶに相応しい神々しさを持っている。あ
ぁ・・・、シエル様、素敵だ・・・。
「よくやった、メラー。心が震えたぞ。」
勿体ないお言葉、ありがとうございます。
「さて、私も行くか!!」
炎に巻かれ、まだよく状況を理解出来ていない残党の中に素早く潜
り込み、リーダー格の槍使いの胸に笛が突き立てられたかと思うと
次の瞬間、他二人の首の肉を素手でむしりとった。それは、まるで
瞬間移動したかのような一瞬の出来事で、相手は何が起こったのか
理解しきれないままに鮮血に蹲った。
残るは一人、だが、敵は自身の不利を知ると、氷竜を召喚し、我々
が一瞬目を奪われているうちにそそくさと逃げていった。床や壁な
ど辺り一面に氷のオブジェを作り竜は消滅した。
「ふん、おもしろいことを・・!!追うぞっ!!」
ええ、遂に地上に出るときが来ましたね。
「やってやる!!フランのいないこの腐れた世界、私を一人ぼっち
にするこの世界、欲望に薄汚れたこの世界、私が・・・作り直す!!」
「う・・・ば・・ばけもの・・・」
テリーナは胸から止めどなく流れ出す自分の血を見て、もう長くは
ないことを悟った。
「ねぇ・・アンメル、わたし、あなたと愛し合えて・・・幸せだっ
たわ。」
うわごとの様に空に呟き、顔を横に向けた。
鎖の千切れたペンダントが彼女の目の前に落ちている。それは、彼
が初めてテリーナにくれた愛の証だった。
「う・・・。ア・・メ・・・ル・・・・」
ペンダントを何とか手に仕舞い、弱々しく掠れた声で愛しい人の名
を呼ぶと、静かに彼女は彼の元に旅立った。
アンメル24歳、テリーナ25歳
若い、前途有望な二人は監獄の狂気に飲まれ、その生涯を断った。
2
824 名前: FAT 投稿日: 2005/09/12(月) 11:46:31 [ sA2y8tm. ]
「おい!ばけもんだ!!全員殺られた!!!」
突如血相を変えて、大剣をかついだ隻眼の戦士が地上に現れた。
遂に来たか!
私は復讐を胸に誓うと、ウィンディ、スウェルファーそして・・・
ウィスパーなるものを召喚した。
ウィスパーとは・・・
私が昏睡状態のときに出会った、拳ほどの大きさしかないワタのよ
うな精霊。人に耳打ち(ささやき)したり、召喚獣を召喚できるら
しい。(本人談)
ウィスパーを召喚すると、その脇にはケルビーとへッジャーも召喚
されている。ウィスパーはその4体の召喚獣に魔法を掛ける。
・・・なにこれ?融合?
そう、召喚獣どうしが体を溶かせ、融合・・・いや、合体と言った
ほうがいいのか?とにかく未知の獣へとその姿を変化させつつあっ
た。・・・これは、私にとっても予想外の、全くもって意味の分から
ない展開だった。かつてこんな前例があっただろうか?
溶け合い、混ざり合い、それぞれの個性を失った召喚獣たちは、一
体の、巨大な黒い魔獣へとその形を変えた。くちばしのついた鳥の
ような頭、首が無く異様に盛り上がった肩、背中から生えたコウモ
リのような羽のない翼、そして長すぎる手足。その全身が漆黒に染
まっており、全ての光を吸い込んでしまうのでは・・・と思ってし
まうような闇をこの魔獣の存在全てから感じる。
一体こいつは何なの?
~びっくりした?~
ウィスパー?どうなってるの?
~ナイトバーズっていう闇の精霊さ。こんな完璧な姿になるなんて
フランの霊力はすごいね!!さすがは僕と話せるだけあるよ~
どういうこと?
~詳しいことはあとにしよ、敵がくるよ。とりあえずナイトバーズ
の力、試してみてよ~
笛を握り締め、速くなりすぎた心音を聴きながら、監獄から出てく
る化け物を待つ。
全員の視線が集まっている中、暗い入り口にゆっくりと3匹の魔物
が姿を現した・・・・・
最終更新:2008年07月08日 23:26