サーヴェリー姉妹-16
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857 名前: FAT 投稿日: 2005/09/16(金) 18:56:08 [ sA2y8tm. ]
「マリ~、見てこの絵、せんせいにほめられたのよ、おじょうずだ
って!!!」
「マリー・・・。万引きしたの、叱ってくれてありがとう・・・。」
「私が先に目つけたんだから、私が買うの!!マネしないでよ!!」
「マリー、私、年下の子に告白されちゃった・・・。どうしたらい
いかな?付き合うとしても、男の子が年下って変だと思う?」
「マリー、見て、アンメルがペンダントをくれたの。うふふ、記念
すべき、初めてのプレゼントよ!」
「マリー、聞いてよ、アンメルと喧嘩したの。あいつったら・・・
・・・で、謝ったほうがいいかな?」
「マリー、結婚式の日取りが決まったの、11月の11日よ、いい
日ってゴロ合わせで。・・・スピーチ、お願いね、あなた以外、頼み
たい人いないから・・・・。大好きよ、マリー・・・・・。」
・・・まただ。
あたしは、ベッドに寝転びながら無意識のうちに親友、テリーナ=
ベイルナのことを思い出していた。もう、テリーがいなくなってか
ら一ヶ月以上も経ってしまった。時が流れるのは早い。いつも「マ
リー、マリー」と話かけてきては色々な話を聞かせてくれたおしゃ
べりな彼女。対照的に話を聞くのが好きで、いつもテリーの話を楽
しみにしていたあたし。幼少時代から交友があって片時も傍を離れ
なかった。大きくなってからも二人で冒険したり、ちょっと危険な
ハントもした。あたしがちびで、テリーは長身だったから、凸凹コ
ンビなんて呼ばれたりもしてた。そんな二人は、姉妹よりも固い絆
で結ばれていた。
・・・あの日までは。
「マリス=アーモナシーさんで?」
「ええ、そうよ・・・どちら様?」
・・・誰よ、人が感傷に浸ってるって時に。
「宿主です。マリスさん宛てに荷物が届いてますので、ドアを開け
てもらえますか?」
「あぁ、分かったわ。すぐ開ける。」
気のない返事を返し、黒く、癖のない髪をかき乱すとのそのそ歩み
寄りドアノブを回す。
「どうぞ、こちらになります。」
見ればそれはテリーの両親から送られた、二つの結婚指輪とペンダ
ントだった。短いが手紙も付いている。
マリスへ
娘と相手、二人分の結婚指輪と娘が最後に握り締めていた胸飾り
だ。娘のことは無念でならないが、私たち以上に君のショックは大
きいだろう。一人っ子の娘と姉妹のように接してくれてありがとう。
この形見は、私たちが持っているよりも、君が持っていてくれたほ
うが、娘も喜ぶと思う。
娘のこと、忘れないでほしい。たまには、墓参りにきてやってく
れ。
手紙を読み終えると元のように小さく折り、裏にイニシャルの入っ
た指輪を左手の薬指と親指にはめ、ペンダントを胸に、小さく十字
架を描いた。
・・・おじ様、言われなくてもテリーのことは一生忘れません。こ
の形見に誓って!!
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858 名前: FAT 投稿日: 2005/09/16(金) 18:56:47 [ sA2y8tm. ]
あたしは今、故郷であるブルネンシュティグを離れて隣町のハノブ
という町に滞在している。
あの日に感じた無力感。そして恐怖。
これらを克服するため、毎日町外れにある鉄鉱山にこもっては修行
に明け暮れている。
さて、今日はB3辺りまで潜ってみるか。
B1、B2には大量の巨大蜘蛛が生息していて初めは集団というこ
ともあって手こずったが、最近では戦いのコツを掴めたので難なく
進めるようになっていた。
入り口すぐの所に蜘蛛が3匹、毎日私を迎えてくれるように集まっ
ている。いつもの様に軽く蹴散らすと坑道に沿ってB2へのはしご
を目指す。途中で襲ってくる蜘蛛たちはタイミングをずらして一匹
ずつ処理する。
あまり深く拳を入れすぎると全身が返り血で気持ち悪くなるので急
所のみに的確、かつ素早く拳を打ち込む技術を身につけた。
毒を喰らっても、被害を最小限に食い止める技術も身につけた。
残像を残し、敵を惑わせる技術も身につけた。
あたしはこの約一ヶ月間で、自分でも驚くほど成長できた。それは
きっと、今あたしを動かしているこの復讐心のお陰だろう。愛しの
テリーとアンメルを殺したあの悪魔をこの世から葬る。それがあた
しの生きる意味だと自分に言い聞かせ、武術の向上に励んできた。
必ず、仇は取ってみせる!!
最終更新:2008年07月09日 00:20