彼等の生き方
1
960 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/27(火) 02:14:00 [ S.EDdPMI ]
職人さん達に触発されて書いてみました。
かなり鬱話ですので、そういうのが得意じゃない方は読まない方がいいかもしれません。
また誤字脱字や表現がおかしいところがあり、読みにくいかもしれません。
「さて、ここでいいか?」ガレフが俺に聞いてきたので、
俺は適当に答えた。「ああ、いいんじゃないか」
「じゃあ俺は毒草を探しに行ってくる」
そう言ってガレフは茂みに入っていった。
「さてと、あとはガレフがとってきた毒草を飲んで死ぬだけか…」
そう、俺達は死ぬためにここにやって来た。もうこの世界で生き抜くことはできないからだ。
俺とガレフは孤児だった。物心ついた頃にはもう家族はいなかった。
気付けばガレフが俺の手を引いていた。二人で食い物を盗んだりしながら生きてきた。
18才位になってからは冒険者のまねごとをしながら色々な依頼を受けて飯を食っていた。
だが最近は仕事がなくなってしまい、とうとう金もなくなってしまった。
頑張ればまだ生きてはいけるだろう。
もしここにキングベアーがいたら考え直すけど。まあ、こんなところにいるわけないからな。
(キングベアーの肉はとても高級品で売ったらかなりの大金になる)
「はぁ…世の中ってうまくいかないな~」
そんなことを考えているとガレフが血相を変えて戻ってきた。
「どうしたんだ?そんなに慌てて」
「キングベアーだ!キングベアーがいる!」
「何だって!」俺達はすぐにそこに向かった。
「なんでこんなところにキングベアーが!?しかもデカさが半端じゃないぞ!!」
あまりの大きさに驚き、俺は叫ぶように言った。
「まずいな…この先には古都がある。よし!俺達がコイツを止めるぞ!」
などとガレフが信じられない発言をした。
「マジかよ!死んじまうぞ!」
「どうせ死ににきたんだから良いじゃねぇか。」ソッコーで言い返されてしまった。
でも確かに死ににきたんだから別にいいか。なぜかそう思えた。
「もしコイツを倒して肉を売ったら俺達大金持ちだぜ!」ガレフが嬉しそうに言う。
そうだ!そうだった!コイツを倒せば大金持ちだ!
こんなタイミング良く出てくるなんて、どうやら神は俺に生きろと言っているみたいだな。
「武器は有るな?」「ああ、どんな時でも携帯してるぜ」
俺達は背中からキングベアーに斬りかかった。
ザシュッ!ザシュッ!
不意をつかれたキングベアーが苦しそうに叫ぶ
「ヴアァァァァァァ!!」
「よし!急所を突いた!いけるぞ!」「このまま終わらせるぞ!」
しかし弱りながらも振り返ったキングベアーに俺達は吹っ飛ばされた。
「ぐあっ」「痛っ!」
なんてヤツだ…確かに急所を突いたのに…
たった一撃で俺達は重傷を負った。
「やばいな…一旦そこの岩陰に隠れるぞ…」
そう言って俺達は岩陰に避難した。どうやらさっきの攻撃が効いているらしく
隠れているのを気付かれる様子はない。
やっぱり神様は俺達の味方はしてくれないようだ…
2
961 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/27(火) 02:14:39 [ S.EDdPMI ]
-俺達の生き方は
キングベアーが俺達を探している。このまま逃げようかと思ったが、
もう俺達には逃げる体力は残っていない。まあ逃げる必要は無いんだけどな。
-決して正しくはなかっただろう
「へへ…どうやら…ここまでみたいだな…」何故か笑いながらガレフは言った。
思わず俺も笑ってしまった。
「ああ、そうみたいだな。」
「後悔しているか?」ガレフの問いかけに「なぜ今そんなことを聞くんだ?」というと「いいから答えろよ」言われた。
しょうがなく答える。「いいや、後悔だけはしないように生きてきたつもりだ」
「そうか、俺もだ」笑った顔のままガレフがつぶやいた。
俺も問いかけてみる。「なあ、俺達は天国にいけると思うか?」
すぐに返事が返ってくる。「さあ?それはわかんなぇな。でもこのキングベアーを倒したら行けるかもな」
「ん?どういう意味だ?」よくわからないという視線をガレフに向ける。
「おそらくコイツはこのまま古都に行って人々を襲うだろう。
でも俺達がコイツを倒せば古都は無事で済むだろ?それだけのことをしたら
神様だって俺達を天国に連れて行ってくれるんじゃないかと思ってな。」
「なるほど、じゃあその可能性に賭けてみますか!」
ガレフの考えとしてはなかなか良いじゃないか。
-でも間違ってはいなかった
「よっしゃ!いくぞ!派手に終わりを迎えようぜ!!」
○○が岩陰から飛び出していく。
思えばいつも○○は俺の先を行っていた。
俺は○○に手を引かれて必死について行った。俺達の手はいつも繋がっていた。
さすがに今となっては手を繋ぐことはないが、俺達の心は繋がっていた。
「おう!コイツを倒して天国に行ってやるぜ!」
そう言って俺も飛び出した。
-俺達は後悔していないんだから
「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
二人の男が叫びながらキングベアーに向かって走ってゆく。
おそらく負けるだろう、勝てる可能性は低いだろう
間違いなく死ぬと理解しているのに…ただ、生きた証を
-俺達はこの世界で
-確かに生きていたから
約一時間後、キングベアーのような魔物を目撃したという冒険者の話を聞き
古都の魔物討伐隊が様子を見に来た
「あそこに何かあるぞ!」
討伐隊の兵士がキングベアーらしきモノを遠くに確認した
兵士達は辺りに注意を払いながらその場所に向かう。
そこにはとても巨大なキングベアーの死体があった
「なんて大きさなんだ…」
兵士の一人が驚いた顔をしながら言った
「だが死んでいるぞ、誰が倒したんだ?こんな化け物を倒せるヤツなんてこの辺にいるのか?
さすがに俺達討伐隊でも無理だぞ。こんな化け物を退治するなんて…」
「おい!こっちに人が倒れてるぞ!」
近くの木にもたれかかっている人影を発見し、様子を見に行く
そこには二人の男の亡骸があった
とても満足そうな、そしてとても幸せそうな顔をした亡骸だった…
-完-
うはぁ…SSを書くのがこんなに難しいものだったとは…最初で最期の投稿になりそうです。
最後まで読んでくださった皆さんありがとうございます。
最終更新:2008年07月21日 23:50