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サーヴェリー姉妹-5


504 名前: FAT 投稿日: 2005/08/14(日) 23:23:06 [ N4Raj4go ]
>>390-392  1 
>>397-398  2 
>>405-407  3 
>>419-423  4 



『キャッホゥーーーーー!!!!』

崩れた王宮跡の一部屋から奇声があがった。

「見てよ、フラン、こんな大金、見たことある??」
「ないわよ、ないわよ。私たちなんて5000Gすら持ったことな
かったじゃない!!」
「あぁ、フラン、私たち・・・」
「うん…」

『おっかねもっちぃ~~~~~~!!!!!』

『あはははははは』

この日は二人して夜遅くまではしゃぎまくった。なにせ、小さな村
では私たち子供がお金をそう多く持つ必要などなかったのだ。


ふと、私はファーガソンからもらった笛のことを思い出した。

「ねぇフプレ、なんで彼は笛なんてくれたんだろう?」

フプレは笛を手にとってみた。

「!!これ、なんかおかしいよ、見て!」

フプレから笛を受け取りじっと見てみる…!! これは!?

「…穴が、一つしかない?」

そう、この笛には指で押さえるための穴が一つしかないのだ。

「こっちのも一つだけだよ!」

どうやら二本とも同じものらしい。

「どうする?」
なにかの魔法でもかかっているのでは、と私は少し警戒した。

「吹いてみようよ。」
フプレは何も考えていない様子で、笛に口をあてがった。

「ふ~~」

彼女が笛に空気を送る。すると!!



…ただ単調な音が出ただけだった。

「なんだぁ、期待はずれ。」
がっかりしている彼女の横で、私も笛を吹いてみた。

すると、穴がぽこぽこと空き、なんともいえない、心地の良い音色
がその小さな笛から沸々と湧き出てきた。


「え?」


フプレはキョトンとして目を大きく開き、私の演奏をじいっと見て
いた。

その笛には、確かに一つの穴しか空いていなかった。それが、まる
で生き物のように、息の強弱に合わせて穴を作り出しているのであ
る。

 ・・・私は、夢中になって笛を吹き続けた。

「きれい・・・」

フプレの一言で私は演奏を終えた。

「ごめん、夢中になっちゃった。」
「すごいよ!フランったら、天才奏者ね。聞惚れちゃった。」
「私は何も・・。笛が勝手に演奏してくれたのよ。」
「でも、私はできなかったもの。フランだからそんな素晴しい音が
でたのよ!!いいなぁ、なんだか、焼けちゃうよ。」

その一言に、私は軽い恐怖を感じた。以前、私が彼女に対して抱い
ていた劣等感。それを今、彼女は私に対して抱いているのではない
だろうか?いや、こんな些細なことで・・。考えすぎかな。

「あ~あ、私もそんな素敵な演奏してみたいなー。」

そんなことを言いながら、フプレは笛を手にしたまま、可愛らしく
腕を振ってみせた。

『ん?』

腕を振った瞬間、二人の耳に先ほどと同じような音がわずかにだが
聴こえた。

「ねぇ、いま・・。」
「うん。聴こえた・・。」

今度は、大きく、ゆっくりと腕を振った。

「すごい・・。どうなってるの?フプレ。」
「・・わかんない。でも、なんだか・・。気持ちのいい音だね。」

だんだんと、彼女は演奏の指揮をとるように拍子を取り始めた。
自然と、私は口を笛の先へとあてがい、息を吹き込んだ。

フプレと私。

二人が一人になったかのように、お互いの笛は全く同じ音を奏でて
いた。


 ・・・あぁ、わたしたちは、やっぱりいっしょなんだ。


この夜のできごとは、私たちの仲をより、一層強く結びつけた。


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最終更新:2008年07月07日 21:49