―――最初は、ただの、普通の、優しいセンパイだった。
でも、いつのまにか。
その、声が。
その、笑顔が。
その、手のひらが。
その、背中が。
その、ぜんぶが。
私の中に住み着いて、離れなくなって。
・・・でも、そのことに、私自身が、気付いた時には。
その人の隣には、
もう、私の一番大切な友達が、いて。
だから、諦めたの。
諦められると、思ってた。
みなみちゃんとなら、許せる、って。
みなみちゃんを好きになったなら、しょうがないや、って。
そうして、胸の中にしまいこんで。
いつか、二人を素直に祝福できるようになる、って。
そんな、胸の痛みと戦い続けている間に、ふと、気づいてしまった。
・・・醜い、自分。
許せる?
しょうがない?
素直に祝福?
なんて、汚い自分。何様のつもりだろう。
やっぱり、こんな自分を、先輩が好きになってくれるわけが、ない。
・・・みなみちゃんに、勝てるわけがない。
こんな私、消えてなくなっちゃえばいいんだ。
・・・でも、そんな私にも、先輩は笑いかけてくれて。
やっぱり、想いを捨てることはできなくて。
だから、私はここにいる。
先輩の隣に。
想いを伝えるつもりはないけど。
ただ、横にいるだけだから。
だから。
いいよね?みなみちゃん―――