人間ドックおすすめ

■人間ドックでおススメする「検査」
 
 「胃がん」が多いわが国では「上部消化管内視鏡検査」、いわゆる「胃カメラ」は欠かすことができない検査です。「バリウム検査」より正確なので、「内視鏡検査」の方をおススメします。
 
 人間ドックでおススメの検査は、通常の「身体検査」+「血液検査」+「尿検査」+「胸部レントゲン」+「心電図」に、「腹部超音波検査」+「上部消化管内視鏡検査」+「大腸内視鏡検査」を加えたものです。初めから大腸内視鏡検査を受けることに抵抗があるなら、大腸内視鏡検査でなく、「便潜血検査」という選択肢もあります。
 
 他に追加の検査としては、女性ならば、「マンモグラフィー」「子宮頸がん検査」、男性ならば、「前立腺がん腫瘍マーカー(PSA)」がいいでしょう。
 
 「ピロリ菌」の検査をしたことがなければ、ピロリ菌は「胃がん」の主要因とされているので、一度検査しておくといいと思われます。血液検査でも確認できます。
 
 
 
 
 
 
■医師がおススメしない検査 その1……「腫瘍マーカー」
 
 「腫瘍マーカー」は「早期がん」で増加することはなく、良性疾患でも上昇することがあります。腫瘍マーカーの本来の目的は、「抗がん剤治療や放射線治療での効果判定」や「腫瘍マーカーの高いがんの術後の経過観察」です。腫瘍マーカーは、臓器特異性が高い「前立腺がんの腫瘍マーカー(PSA)」を除いては健康診断としての意味はありません。
 
■医師がおススメしない検査 その2……「脳ドック」
 
 「脳ドック」もあまりおススメはしません。実は普及しているのは日本だけで、「脳ドック」に対しての医師の評価は分かれています。
 
 脳は「悪性腫瘍」ができにくい部位であり、他の検査のように悪性腫瘍が見つかることは非常にまれです。
 
 無症状の「未破裂動脈瘤」が発見されても、年間破裂率はわずか0.05%という報告があります。その場合、20年たっても破裂率は1%になります。無症状の「未破裂動脈瘤」治療はリスクが高いので、手術するかどうかは十分相談して決めなければなりません。
 
 脳梗塞に関しても、無症状の脳梗塞が見つかったって特にどうこうすることはありません。何の症状もない高齢の方が脳の検査をすれば、小さい脳梗塞ぐらいはたいてい見つかるものなのです。
最終更新:2015年07月03日 12:14