ドラゴンクエスト7

『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』は、2000年8月26日にエニックスより発売されたプレイステーション用ゲームソフト。ジャンルはロールプレイングゲーム。 

現在はNintendo 3DS版でリメイクされている。

 

ストーリー概要

たった一つの島だけしか陸地が存在しないという世界が舞台となり、その島に住む主人公たちが、とあるきっかけから遺跡に潜り込んで不思議な石版のかけらを発見し、この石版のかけらを集めることによって見知らぬ土地に移動し冒険をしていくという物語である。

対象ハードがプレイステーションになったのに伴い、グラフィックにはナンバリングタイトルで初の3Dポリゴンが採用された。また、ストーリー中の何か所かにはムービーが挿入されている。モンスター図鑑、モンスターパークといったコレクションシステムや、多数のモンスター職が登場したことなどにより、やり込み要素も多くなっている。

本作のキャラクターデザインの特徴として、頭身が小さくなり、彩色がアナログ調からCG塗りに変更されるなど、従来の『ドラゴンクエストIV』『V』『VI』とは趣の異なったものとなっている。

 

乗り物

  •  - 主にDISC1時に使用する。廃船になったアミット漁の漁船を主人公とキーファが修理したもの。乗り込むことで現代世界の海上を移動する。海賊船が使えるようになると登場しない。本作はゲームの流れ上、『ドラゴンクエストIX』までの作品中最も早いタイミングで船が手に入る。
  • 魔法のじゅうたん - アイテム「魔法のじゅうたん」を使うことにより、平坦な地形の上を低空飛行する。現代世界でのみ使用可能で、石版の中の過去の世界では使えない。
  • 飛空石(ひくうせき) - 内部が空洞になっている、空を飛ぶ不思議な石。乗り込むことで現代世界の上空を地形に左右されることなく飛行する。持ち運びはできない。
  • 海賊船 - キャプテン・シャークアイ率いる海賊団の巨大な双胴船。海賊のグループ名とこの船の船名を「マール・デ・ドラゴーン」という。武器屋・防具屋などの多数の施設を備えている。当初は大陸間を自動的に移動するだけだが、最終盤になると、現代世界の海上を自由に移動できるようになる。この船に乗っているときの戦闘では海賊たちが戦闘に参加して援護砲撃などを行う。
  • イカダ - 主に町やダンジョン内で使われる水上移動の乗り物であるが、あるイベント中ではフィールド上の移動手段として用いられる。

 

パーティー

本作では、前作で存在した、戦闘に参加するメンバーを入れ替えるための馬車は登場せず、モンスターをパーティーに加えるシステムも廃止された(ただし、新要素の「モンスター職」により登場人物たちがモンスターの力を得ることは可能)。登場するメインキャラクターは主人公を含めて6人だが、シナリオの流れでパーティーメンバーが4人を上回らないように自動的に加入・離脱をするようになっているため、パーティーメンバーは基本的に3〜4人で固定。ただし、終盤ではメンバーが5人になるため、特定の場所で主人公以外のメンバー1人を任意に待機させられる。

シナリオの進行に応じて、メインキャラクター以外のキャラクターが主人公たちに同行することがある。これらのキャラクターには戦闘に参加するものとしないものとがある。戦闘に参加する場合、HPMPは表示されず、命令もできないが、基本的に死亡することはない。しかし、メインキャラクターが全員死亡すると、サブキャラクターが生き残っていても全滅扱いになる。戦闘ではメインキャラクターたちとサブキャラクターは別のグループになっており、モンスターのグループ攻撃をメインキャラクターたちが受けた場合、サブキャラクターは攻撃を受けない(その逆も同様)。特技「しょうかん」「げんま召喚」で呼び出された精霊・幻魔も同様の扱いとなる(前述した戦闘に参加するタイプのサブキャラクターがいる場合は召喚できない。また、こちらはHPが限られており、死亡または戦闘終了によっていなくなる)。 なお、プレイヤーは支援系の呪文や特技を使用する際にこれらのサブキャラクターを対象指定することはできないが、AIに行動を任せるとサブキャラクターに対しても回復や支援を行ってくれるようになる。

 

職業・転職

職歴

本作では職歴という要素が追加され、ステータス画面で職歴を見ることができるようになった。また、前職と現在の職業の両方の長所を生かした呪文や特技を習得できるシステムが新たに搭載された。転職後に現在の職業のレベルが★5つまで上がる(「いたについてきた」と表示される)か、前に一度やめた職業に再転職してかつ再転職後に一定回数戦闘する(「カンがもどってきた」と表示される)かのいずれか条件を満たすことにより、新たな呪文・特技を習得できることがある。いずれのケースも前職・現職両方の職業レベルが★5つ以上であることが条件である。この際の転職の順序は順不同で、覚える呪文・特技は職業の組み合わせごとに定められているが、覚える呪文・特技のない組み合わせもある。

3DS版では職歴システムは廃止され、このシステムでのみ覚えられた呪文・特技は職業レベルを上げて覚える技となり、各職業に振り分けられた。また、人間の上級職で覚えた呪文・特技(他の人間の基本職で覚えられるものは除く)は他の職業に持ち越すことはできくなった。なお、モンスター職で習得できる呪文・特技はこの制約の対象にはならない。こうした制約の関係上、習得する呪文・特技も大幅に変更されている。

 

モンスター職

本作では人間職20種(基本職10種、上級職10種)のほか、モンスターの心(「スライムの心」「キメラの心」など)を手に入れることによって転職が可能となるモンスター職が34種登場している。モンスター職の中には人間職では覚えられない特技を習得できる職業もあり、モンスター職をマスターすると、フィールド上でのキャラクターの外見がそのモンスターの姿になる。3DS版では、モンスター職に転職した時点で、フィールド上でのキャラクターの外見がそのモンスターの姿になる。

モンスターの心はモンスターを倒して入手するほか、宝箱から入手する、カジノの「ラッキーパネル」で入手するなどの方法がある。モンスターの心を持っているキャラクターのみが該当するモンスター職へ転職することができ、転職後はモンスターの心は消滅する。また、モンスター職でも人間職と同様、複数のモンスター職をマスターすることによって転職が可能となる中級職や上級職が存在する。

 

職業一覧

  • 基本職
    • 戦士 - さまざまな剣技を身につける。ドラゴン斬り、まじん斬りなど。
    • 武闘家 - 格闘特技を覚える。とびひざげり、まわしげり、かまいたちなど。
    • 魔法使い - 初級から中級の攻撃系呪文を中心に覚える。メラミ、ベギラマ、ヒャダルコなど。
    • 僧侶 - 回復・蘇生系呪文やバギ系を中心に覚える。ベホマ、ザオラル、バギマなど。
    • 踊り子 - さまざまな踊りの特技を覚える。メダパニダンス、死のおどりなど。
    • 盗賊 - 戦闘後に宝物を盗めるようになる。移動中に便利な特技を覚える。とうぞくのはな、しのびあし、レミラーマなど。
    • 吟遊詩人 - 歌系特技を中心に覚える。めざめの歌、天使のうたごえなど。
    • 船乗り - 海に関係ある特技を覚える。つなみ、あみなわなど。
    • 羊飼い - に関連する特技などを覚える。どとうのひつじ、ウールガードなど。
    • 笑わせ師 - 遊び系特技を中心に覚える。ぼけ、つっこみ、くすぐりの刑、へんてこ斬りなど。
  • 上級職-上級職に関しての呪文・特技は自分で見つけてもらいたい。
    • バトルマスター - 戦士と武闘家をマスターすると転職できる。打撃系特技を覚える。熟練すると会心の一撃が出やすくなる。
    • 魔法戦士 - 戦士と魔法使いをマスターすると転職可。属性付き剣技等を覚える。
    • 賢者 - 魔法使いと僧侶をマスターすると転職可。上級の攻撃呪文や役立つ補助呪文等を覚え、熟練すると呪文の消費MPが少なくなる。
    • パラディン - 武闘家と僧侶をマスターすると転職可。熟練すると打撃一撃で相手の息の根を止めることがある。
    • 魔物ハンター - 盗賊と羊飼いをマスターすると転職可。熟練するとモンスターをなつかせやすくなる。また、パーティー内にこの職業がいなければモンスターパークへ送れないモンスターもいる。なお、従来のシリーズの魔物使いとは異なり、モンスターを仲間にすることはできない
    • 海賊 - 船乗りと盗賊をマスターすると転職可。戦闘後に宝物を盗めるようになる。
    • スーパースター - 踊り子と吟遊詩人と笑わせ師をマスターすると転職可。踊り系の特技などを覚える。敵が時々見とれるようになる。
    • ゴッドハンド - バトルマスターとパラディンをマスターすると転職可。熟練すると最強の攻撃特技も覚える。
    • 天地雷鳴士 - 賢者とスーパースターをマスターすると転職可。強力特技を覚える他、呪文の消費MPが少なくなる。
    • 勇者 - 極限の職業。ほかの上級職3つをマスターすることにより転職できるほか、「ゆうしゃの心」があればそれだけでも勇者になれる。雷系強力呪文や特技を覚える。職業レベルが上がると戦闘中1ターンごとにHPが回復するようになる。
  • モンスター職[14] - 各初級モンスター職は、心の入手によってのみなることができる。詳細に関しては割愛する。
    • 初級モンスター職 - スライム、くさった死体、エビルタートル、おどる宝石、はなカワセミ、キメラ、ホイミスライム、リザードマン、ばくだん岩、リップス、サンダーラット、ミミック、バーサーカー、ダンビラムーチョ
    • 中級モンスター職 - アンドレアル、のろいのランプ、ギャオース、ヘルバトラー、コスモファントム、ドラゴスライム、フライングデビル、ゲリュオン、死神きぞく、プロトキラー、ゴーレム、いどまじん
    • 上級モンスター職 - ダークビショップ、まじんブドゥ、ローズバトラー、ギガミュータント、プラチナキング、エビルエスターク、にじくじゃく、デスマシーン

 

やりこみ要素・ミニゲーム

移民の町
世界各地に現れる移住希望者を老人「シム」(3DS版では後述の「ティア」に変更、移民希望者も元モンスターだった人間に変更された)のもとに集めて、新たな町を発展させることができる。町が徐々に発展するイベントは『ドラゴンクエストIII』でも登場しているが、『III』では住人が自動的に増加していくのに対し、本作では主人公たちが住人を集めることによって町を発展させていく。主に町の宿屋や教会などに出現する移住希望者に話しかけると、そのキャラクターを移民の町に送ることができる。移住希望者にはさまざまな種類のキャラクターが存在し、人間以外に動物の移住希望者もいる。
人口が5人増えるごとに1段階発展し、8段階目で通常の町の最終形態となる。さらに特定の種類のキャラクターを一定人数以上集めると特別な町(全4パターン)を作ることができ、ほかの場所では手に入らないようなアイテムを入手できる。3DS版では、特別な町(全4パターン)は全て削除され、最終形態は1つのみ、となった。
町がレベル2以上となると町に命名でき、移民の町のそばに「シムじいさんの家」が出現する。シムじいさんの家では、住民の入れ替えが必要なときに不要な住民を町から出したり、他のメモリーカードの冒険の書とキャラクターの交換を行ったりすることもできる。
3DS版ではシム自体が登場しないため、「シムじいさんの家」もないが『すれ違い通信』ですれちがい石版と一緒に新しい住人がやってくる事がある(届いた石版の発見者自身でなければいけないという条件がある)。
 
モンスターパーク
「まもののエサ」を入手していると、戦闘後にモンスターが起き上がる(なつく)ことがあり、そのモンスターを「モンスターパーク」へと導くことができる。モンスターを起き上がらせるにはただ戦うだけでなく、「まものならし」の特技や「ほねつきにく」などの肉を使うといったテクニックが必要となる。
モンスターパークは10のエリアがあり、各モンスターごとに暮らすエリアが決まっているが、最初から用意されている「草原」以外のエリアは対応する「まものせいそく図」を入手することによって作成される。モンスターパークに全てのモンスター(280匹)を集めると、褒美のアイテムが貰える。また、小屋(最大5軒)には、プレイヤーが指定したモンスターを1軒につき24匹まで集めることができる[18]。3DS版では、3DS版で追加された『トクベツなモンスター』を除いた、通常モンスターを全てなつかせるだけで、褒美のアイテムが手に入る。
3DS版では移民の町が解禁された時点で旅の扉を使って行くことが可能になったが、この時点では世界地図に示された点滅箇所に船で行っても何も存在せず、世界から切り離された別次元に存在している(管理する人間もまだ存在していない扱いになっている)。また、後述する『すれ違い石版』をパークに送ったモンスター3体でチームを組んで探索させる事も可能(同種族3体でも可能)。チーム編成のときにはモンスター毎に名前がつけられているが、この名前は『V』や『VI』で仲間モンスターとして登場経験のある種族は元の作品での名前が流用されている。
 
モンスター図鑑
今までに戦ったモンスターのデータを閲覧できる初登場のシステム。一度でも新しいモンスターと出会えば、その時点でそのモンスターが図鑑に記録される(一部掲載されないモンスターも存在する)。掲載されるデータは各モンスターのグラフィックと倒した回数、取得したゴールド(貨幣)・経験値・アイテムなど。ボタンを押すことでモンスターのアニメーションを見ることもできる。一部のボス敵もこの図鑑に掲載される。完成させると褒美のアイテムが手に入る。
3DS版ではなつきやすさ、心を落とすかどうかなどのデータが追加されており、オリジナル版で掲載されなかったモンスターのほとんどが掲載されるようになった。

3DS版では、『トクベツなモンスター』を除いた、通常モンスターを全てコンプするだけで、褒美のアイテムが手に入る。

 

 
世界ランキング協会
「ちから」「かしこさ」「かっこよさ」の3部門でステータスの高さを競う。「ランキング協会本部」でキャラクターを登録すると、その時点でのステータスがランキングに反映され、30位以内に入ればボードに名前が掲載される。いずれかの部門で第1位を取ると賞品が貰える。
 
カジノ
専用のコインを購入してミニゲームに挑戦し、獲得したコインを景品に交換できる。前作に登場したスロットマシンポーカーに加え、神経衰弱方式の「ラッキーパネル」が登場。「ラッキーパネル」はコインを増やすゲームではなくアイテムを獲得することが目的のゲームであり、一定回数以内で全パネルを当てればパネルに隠されていたアイテム3点が手に入る。
3DS版ではラッキーパネルのPS版で採用されていた延命パネルが廃止され、変わりに各武器・防具・道具またはゴールドなどのアイテムパネルとシャッフルパネルとチャンスパネルのみに仕様が変更された。また、移民の町のカジノではダークパレス出現後ではアイテムが変わるように変更された。
 
小さなメダル
世界のどこかにある「メダル王の城」に住むメダル王の元に「小さなメダル」を持っていけば、累計枚数ごとに褒美としてアイテムがもらえる。基本的には『VI』などと同様のシステム。
 

本作からセーブデータ選択ウィンドウとステータスウィンドウに、ゲームスタートからの通算プレイ時間が時・分単位で表示されるようになった。また、アイテムを店に売る時の売値が、買値の75%から同50%に変更された。以降の作品でも、リメイク版『IV』と『VI』、売価が随時調整される『X』以外は同様の仕様となる。

本作では、一部のアイテム、モンスター、特技の文字表記が漢字表記になった(「おどる宝石」「どくけし草」など)。

 

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2016年03月10日 21:08