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渦中の人々について - (2005/12/22 (木) 11:55:29) の編集履歴(バックアップ)


1、渦中の人々について

  • 浅田真央選手とは
  • 城田憲子って誰ですか?
  • スケート連盟の城田憲子という人が悪いと聞いたけど?
  • 城田女史が陳情もしない理由とその正当性

3. 特例賛成派の言い分 に対する反論集~渦中の人々にまつわること色々編~
  • 駄目もとで嘆願書を出すくらい、やってくれても良いんじゃないか?
  • でも真央なら勝てるでしょ?
  • しかし、今が真央の全盛期だとしたら、オリンピックに出られないのは可哀想だよ!
  • 真央は出るチャンスさえ無いじゃないか






1.渦中の人々について


【浅田真央選手について】

フィギュアスケート、女子シングルの選手です。フィギュアスケートは通常私たちがテレビで見る競技会(シニア)の他に、 子供たちによるジュニア競技があるのですが、浅田選手はジュニア競技で圧倒的な戦績を納め、今年シニアの競技会にも参加するようになりました。日本の女子シングルの将来を担って立つべき逸材です。



【城田憲子って誰ですか?】

役職:日本スケート連盟フィギュアスケート強化部長
日本スケート連盟のフィギュアスケート部門の選手育成の最高責任者。

日本人選手が競技会で最高の力を発揮出来るようにするのがこの人の仕事。その仕事の内容は色々。どの選手をどの競技会に出すかを決める事とか選手とコーチ、振付師の間を仲介するのも重要な仕事です。
長野県の野辺山で毎年行われている「全国有望新人発掘合宿」や「強化合宿」を通した選手全体の底上げも指揮しています。




【スケート連盟の城田憲子という人が悪いと聞いたけど?】

たしかに城田さんは完全無欠のディレクターではありません。特にマスコミへの対応はド素人と言われても仕方が無い状態。 城田さんと選手の二人の間では了解が成立していても、事情を知らない第三者が聞くと目をむくような直接的な発言をしてしまうこともあります。 自分の発言がマスコミにどう利用されるかとか、内部事情を知らない人が誤解するんじゃないかとかいう配慮は少ない人です。


しかし、現在の、黄金時代と言われるほどに分厚い選手層を創り出した最大の功労者が城田さんであることも事実です。




【城田女史が陳情もしない理由とその正当性】

一言で言えば、期待出来るリターンに対して、発生するリスクが巨大過ぎる、ということ。


まず、フィギュアスケート界が、残念ながら各国の思惑や政治的圧力、裏取引などを完全には排除出来ていない世界であるということをアタマに入れておいてください。それは端的にはルールづくりや審判の点数の甘辛という形で、競技に影響を与えます。

現在の日本女子シングルの陣容は、掛け値なしに世界最高だけど、どちらかと言えば後発でしかも白人系ではない国である日本の躍進が、世界のどこからも好意的に見られているとは言えません。日本のファンの中には、昨年の荒川選手の世界選手権制覇以降、目に見えて日本人選手へのジャッジが辛くなったと考えている人もいます。


そのような中、新たに浅田選手のような選手を、特例でオリンピックに出せと日本から言い出したとしたら、日本への風当たりはさらに強いものになり、日本人選手に不利なルール変更や辛いジャッジングが出てくる可能性も、皆無とは言い切れません。


それはあくまでも可能性であり、しかも藪の中で行われる類のものですから、その存在は明確な形では立証されないでしょう。

しかし、実際にオリンピックで競技に臨む選手たちが、ジャッジに対して疑心暗鬼に陥り、実力を発揮出来なくなる可能性は明確に増大します。 加えて、嘆願書を出すということは、日本スケート連盟が自分たちよりも浅田選手を重要なものと考えているという意味に受け取られるでしょう。そのような心境の選手が、持てる実力を出し切る可能性は小さいと言わざるを得ません。

日本スケート連盟は浅田選手の為にあるのではありません。3人の代表選手に最高の演技が出来る環境を用意するのが、日本スケート連盟の役割のハズ。

くどいようだが一言で言えば、期待出来るリターンに対して、発生するリスクが巨大過ぎるのだ。






3. 特例賛成派の言い分 に対する反論集~渦中の人々にまつわること色々編~



【駄目もとで嘆願書を出すくらい、やってくれても良いんじゃないか?】

前項の【城田女史が陳情もしない理由とその正当性】を読むべし。





【でも真央なら勝てるでしょ?】

グランプリ・ファイナルでは、あわただしい日程の遠征で調子を落としたスルツカヤ選手と対戦して、10点未満の点差でした。
これは審判の気分次第で簡単にひっくり返る点差ですし、そもそもトリノでメダルを狙うような選手は、グランプリ・ファイナルの時点でコンディションをピークに持ってくるような調整をしません。トリノでは、コーエン選手もスルツカヤ選手もあんなものでは無いと思われます。


加えて、トリノでは大観衆の圧倒的な声援というホーム・アドバンテージも失われます。
しかも、浅田選手がトリノに出る為には日本スケート連盟からの嘆願、理事会、総会という「めんどくさい」手続きを各国の協力を得て行わなければなりません。

このようなことを考え合わせると、仮に浅田選手がトリノに出たとして、彼女が金メダルを持ち帰る可能性は、さほど大きなものではないでしょう。








【しかし、今が真央の全盛期だとしたら、オリンピックに出られないのは可哀想だよ!】


浅田選手の今後の成長がどのようなものになるかは、未確定です。そのような可能性は、特例措置を認める根拠にはならないです。

なぜなら、
実際に浅田選手の力のピークが現在だったとしたら、それはフィギュアスケートという競技とオリンピックという特殊な競技会の関わりにおいて常に問題となる、「最高の実力者が必ずオリンピックの金メダルを取るわけではない」という、比較的ありふれた悲劇の例に新しいものがまた一つ付け加わるだけでしょう。
残念ですが、それもまたオリンピックという競技会の価値の一部です。

つまり、ピーク時に五輪がなかった、五輪に出られなかった というのはよくあること。


過去、伊藤みどり選手、エルヴィス・ストイコ選手、トッド・エルドリッジ選手、マリア・ブッテルスカヤ選手など、幾多の歴史的な名選手がオリンピックの金メダルと無縁なままに競技生活を終えたし、
現役選手では、ミシェル・クワン選手、イリーナ・スルツカヤ選手、エフゲニー・プルシェンコ選手などは、誰もが認める超一流の選手が選手としてのピークの時期にオリンピックに挑みながらも、金メダルは取れなかった。







【真央は出るチャンスさえ無いじゃないか】

オリンピックは4年に1度しか開催されない為に、選手生活のどのタイミングでオリンピックが開催されるかには、運が大きく影響します。もしも浅田選手の力のピークが現在だったとしたら、浅田選手にも運が無かったということです。






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