某日。
「じゃあ、私たちは学校に行ってくるからいい子にしててね?」
「お腹が空いたらサンドイッチを食べてください。」
「やったあ!和のサンドイッチだいすき!」
「ふふ、じゃあ行ってきますね。」
「いってらっしゃーい…」
「一人になっちゃった…」
椿は紙にクレヨンでお絵書きを始めた。
咲と和が椿に買ってあげた物だ。
椿は丁寧にクレヨンを走らせ、一生懸命に絵を完成させた。
やがて飽きたのかまだ昼には早いが和の作ったサンドイッチに手を伸ばした。
「美味しい!」
椿はあっという間に食べ終えた。
(なんか…眠くなっ…てきた…)
椿はべちゃっと倒れ、深い深い眠りに落ちた。
「ただいまー」
「!!咲さん!椿が!」
「椿?!」
和と咲は慌てて椿の側に駆け寄る。
「…って寝てる…。焦ったよ~」
「はい、本当に…。あ、咲さん…!これ、見てください…」
「あ!これは…」
和が指さした先には、茶色のショートカットの人と桃色のツインテールの人の間に焦茶色の髪の小さな子供が描かれた絵があった。
それぞれの上には『さき・つばき・のどか』の文字が拙いながらもあった。
「可愛いとこ、ありますね…」
「ふふ、そだね!あ、和ちゃんには負けるけど!」
「!!もう…」
「えへへ…」
咲と和は小声で会話し、椿に毛布をかけてやった。
「なんかさー…夫婦みたいだね!」
「…もう…ふ、夫婦です!」
「和ちゃん…大好きだよ。」
「…私もです」
二人は眠りに落ちた。
あの絵はリビングの壁に誇らしげに飾られ、三人を見守っていた。
ONE DAY⑦完
最終更新:2010年04月24日 23:01