某日。否、1月2日。
咲、和、椿の三人は櫻を誘い四人で初詣に来ていた。
咲は青色を基調としたシンプルな着物。和はピンクで華やかな着物。
椿は水色の凛とした着物。櫻は赤色を全体にあしらった可憐な着物。
着物は四人の魅力を最大に引き出し、それぞれのパートナーを見とれさせた。
そうして仲良く神社までの道を歩く。
「うわ…す、すごい人だね…。2日なら空いてると思ったのに…」
「…皆同じ事を考えているものですね…」
ここで和が一番心配しているのは迷子だった。
咲はよく迷子になるし、それでなくても今回はチビッコが二人もいる。
和は決心して手を差し出した。
「咲さん…手、繋ぎましょう。…迷子になるといけませんから。」
「…!うん!ありがとう!」
外の空気に体温を奪われてしまったのか、和の手にひんやりとした感覚が伝わった。
「椿も私と櫻さんと手を繋いでください。」
「うん!はい、櫻ちゃん!」
「は、はい…」
櫻は照れながらもしっかりと椿の手を繋いだ。
「はい、二人とも。これお賽銭。」
咲が二人に10円を渡す。
「「おさいせん?」」
「あの箱に投げて神様にお願いするんです。」
「…わかった!櫻ちゃん投げよっ!」
「はい!」
二人は慎重に狙いを定め投げ入れた。無事入ったことを確認すると、咲と和が手をぱんぱんと叩きお祈りしていた。
二人は真似して手をぱんぱんと叩きお祈りした。
「(えーと…うんと……幸せになれますようにっ!)」
「(今年も咲さんと一緒に仲良く過ごせますように…まあこんなオカルトに頼らなくてもこれは自然の摂理に基づく決定事項以下略)」
「(いっぱい咲と遊んでー、いっぱい和のご飯食べてー、いっぱいいっぱい櫻ちゃんと一緒にいれますように!)」
「(椿さんともっと仲良くなれますように…)」
「和ちゃん、何お願いした?」
「よ、要約すると咲さんと一緒にいれますように、です。」
「(要約?)」
「椿さんは何をお願いしたんですか?」
「えとー、櫻ちゃんのは、いっぱいいっぱい一緒にいれますように!」
「(私、"の"?)」
疑問を感じつつも答えに満足する咲と櫻だった。
「私も同じことお願いしたよ、和ちゃん!」
「…!咲さん…」
「私も…椿さんと仲良くなれるようにお願いしました…」
「櫻ちゃ…!えへへ…」
こちらも、ご満足のようです。
帰りも四人は仲良く帰った。
手をしっかりと繋いで。
ONE DAY番外編完
最終更新:2010年04月24日 23:10