5-122氏 ONE DAY番外編②

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某日。否、二月十四日。


咲さんが朝からそわそわと落ち着かず、心なしかそっけない気がします。
私は何かしてしまったんでしょうか…。
いや、昨晩寝る時は全くいつもと変わりはありませんでした。

とすると…寝てる間に一体何が…。
まさか…いびきとかかいたんじゃ…。



そんな…最悪です…。

せっかくのバレンタインなのに…。



その日、部活が終わると咲さんが私の方にかけよってきました。
やはりその目は泳いでいて、目を合わそうとしません。

「の、和ちゃん!私急にバイト入っちゃった!」

「えっ、そうなんですか?」

「う、うん…だから悪いけど、今日約束してた買い物は一人で行ってもらっていいかな?」

「いや、いいですよ。また今度にしましょう。」

「駄目っ!」

「え?」

「あ~そのー…ほら、私今度いつ休みとれるか分からないし…。」

「?そうですか?」

「うんうん!」

「……わかりました。バイト頑張ってください。」

「ありがとう!あ、椿も今日は櫻のとこ行ってるらしいからゆっくり買い物してて大丈夫だよ!」

「わかりました。」

「じゃあね!」


これって…やっぱり…避けられてるんでしょうか…。

とぼとぼと店まで歩いて行くと、可愛らしいキーホルダーがありました。
高校の時、咲さんと交換した物のシリーズの商品でしょうか。よく、似ていると思いました。
なんだか懐かしくなった私は二つ色違いのものを買い、目的の物も購入し、喫茶店に落ち着きました。
私は思い出したように鞄を開け、綺麗にラッピングされたチョコレートが3つあるのを確認しました。
昨晩咲さんと椿と櫻(椿が帰ろうとした櫻を引き留めお泊まりしました)が寝た後で作ったものです。

「せっかく作ったんですけどね…。」

もらってくれるでしょうか…。

時計を見ると、いつもなら椿がお腹空いたーと騒ぎだす頃です。
それも今日は心配する必要ないんですね…。
なんか、切ないような、寂しいような…。

「……帰りましょう。」

家までの道に、私一人だけの影が伸びていました。
その光景に寂しさを感じながらいつもより遅い歩みだったのか、家へ着く頃にはもう日は落ちていました。ドアを開けるとそこには…。

「和ちゃん、おかえり!」

「遅いぞー!お腹空いた!」

「…心配しました。」

そこには、沢山のご馳走がのった皿が所狭しと並んでおり、中央にはチョコレートケーキがありました。

「え…これは…」

「3人でつくったんだよ!」

「私も手伝いました!」

「本当は昨日の夜に作る計画だったんだけど、和ちゃんが何か使ってるみたいだったから…今日急いで帰ってつくることにしたんだ。ついでに晩御飯も。
そしたら椿と櫻が手伝うって聞かなくて…」

あはは、と頭を掻きながら咲さんは説明してくれました。
朝から様子がおかしかったのはこのせいだったんですね…。
ほっとした私は無意識に言葉を発していました。

「よかった…」

「ん、何が?」

いびきじゃなくて…という言葉は胸にしまい、鞄から包みを取り出しました。

「本当に…ありがとうございます…!
私からも、どうぞ。」

「やったあ!ありがとう和!」

「わあ…!有難うございます!」

「あれ?和ちゃん私には?」

「咲さんには…」

私は椿や櫻にあげたものよりも一回り大きいチョコレートを渡しました。

「あー!咲のおっきい!椿のと交換してください!」

「丁寧に言ってもそれは駄目なんじゃ…」

「ぶーなんで咲ばっかりー」




「……本命、ですから。」



こうして私の甘い甘い1日は溶けていきました。


ONE DAY番外編完




「私もおっきいチョコ欲しい!欲しい欲しい欲しい!」

「なら…これ、どうぞ!」

「櫻…!これ…"ほんめい"?」

「っ!も、もちろんです…!椿のために心を「…やったあー!おっきいチョコだあ!」

「…え?」

本命チョコ=大きいチョコと勘違いする椿だった。
最終更新:2010年04月26日 20:44
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