5-195氏 無題

「もしもし、宮永咲さんのお宅でしょうか?」

「はい。そうですが」

「わたくし、咲さんと同じ高校に通う原村和と申します。
 咲さんにはいつも御世話になっています。
 お手数ですが、咲さんにお電話かわって貰ってもよろしいでしょうか?」

「こちらこそ咲と仲良くして頂いて有難うございます。ちょっとお待ち下さいね」


『おーい、咲ーー。電話だぞーー』
『うん。今行くー』
『原村さんて子から』
『え!? と、取次ぎありがと、お父さん』


「もしもしお電話かわりました。和ちゃん?」

「はい。何だか突然電話してしまってごめんなさい」

「ううん。それよりどうかしたの?」

「こ、これといってどうかしたというわけはないんですが…」

「あ、あれ?」

「…理由がないと、電話しちゃ駄目…ですか?」

「ううん。そんなことないよ」

「良かった。咲さん…」

「何? 和ちゃん」

「呼んだだけです」

「変な和ちゃん」

「//////そ、そうですか?」

「それじゃあまた明日。学校で」

「うん。お休み、和ちゃん」

「お休みなさい、咲さん」

ガチャン


『電話、もういいのか?』

『うん。夜遅くなっちゃったし』

『原村さんだったっけ? 礼儀正しい子だったな』

『うん。凄くちゃんとした子なんだよ。真面目だし、お料理も上手だし』

『お前にあんなしっかりした友達がいるなんて、お父さん思わなかったよ。
 今でも信じられないくらいだ。あの子、本当に友達なのか?』

『と、友達だよ! 失礼な』

『お父さん、お前がちゃんと高校生活を遅れてるか心配だから、
 今度原村さんをうちに連れて来なさい』

『え、なんで?』

『そりゃあ、娘のことを御願いしますって、頼むためだよ。
 あれだけしっかりした人がそばにいてくれれば安心だしな』

『//////』

『ん? どうした咲、顔赤くして』

『な、なんでもないよ。お休み』

『変な奴だな』
最終更新:2010年04月26日 20:47
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