「もしもし、宮永咲さんのお宅でしょうか?」
「はい。そうですが」
「わたくし、咲さんと同じ高校に通う原村和と申します。
咲さんにはいつも御世話になっています。
お手数ですが、咲さんにお電話かわって貰ってもよろしいでしょうか?」
「こちらこそ咲と仲良くして頂いて有難うございます。ちょっとお待ち下さいね」
『おーい、咲ーー。電話だぞーー』
『うん。今行くー』
『原村さんて子から』
『え!? と、取次ぎありがと、お父さん』
「もしもしお電話かわりました。和ちゃん?」
「はい。何だか突然電話してしまってごめんなさい」
「ううん。それよりどうかしたの?」
「こ、これといってどうかしたというわけはないんですが…」
「あ、あれ?」
「…理由がないと、電話しちゃ駄目…ですか?」
「ううん。そんなことないよ」
「良かった。咲さん…」
「何? 和ちゃん」
「呼んだだけです」
「変な和ちゃん」
「//////そ、そうですか?」
「それじゃあまた明日。学校で」
「うん。お休み、和ちゃん」
「お休みなさい、咲さん」
ガチャン
『電話、もういいのか?』
『うん。夜遅くなっちゃったし』
『原村さんだったっけ? 礼儀正しい子だったな』
『うん。凄くちゃんとした子なんだよ。真面目だし、お料理も上手だし』
『お前にあんなしっかりした友達がいるなんて、お父さん思わなかったよ。
今でも信じられないくらいだ。あの子、本当に友達なのか?』
『と、友達だよ! 失礼な』
『お父さん、お前がちゃんと高校生活を遅れてるか心配だから、
今度原村さんをうちに連れて来なさい』
『え、なんで?』
『そりゃあ、娘のことを御願いしますって、頼むためだよ。
あれだけしっかりした人がそばにいてくれれば安心だしな』
『//////』
『ん? どうした咲、顔赤くして』
『な、なんでもないよ。お休み』
『変な奴だな』
最終更新:2010年04月26日 20:47