5-365氏 無題

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清澄高校での和ちゃんの人気って凄く高いんです。
どれくらい高いかって言うと、一年生なのに体育祭の応援団長になっちゃうくらい。
……って、清澄高校の生徒じゃないとわかりにくいですよね。

えっと、
私の通う清澄高校は1年生から3年生まで4クラスあって、
体育祭はクラスごとに別れて全学年合同で行われることになってるんです。
1年1組と2年1組、それから3年1組が一緒のチームっていう感じで、
組番号が同じ1年生から3年生が同じチームになって、4チームで競い合うのが恒例になってます。

だから、同じ組には当然二年生も三年生もいるんですけど、、、、
和ちゃんはそうした先輩達を差し置いて、応援団長になっちゃったんです。
しかも、推薦したのはなんと3年生。
対立候補も出ないまま満場一致で選出されたみたいで……
……それって、かなり凄いことだと思いませんか?

組番号が同じで和ちゃんと一緒のチームになった染谷先輩は

「まあ、和じゃもんね」

って、苦笑い。
違うチームの応援団長になった部長も

「手加減してよ」

なんて、いつもの悪戯顔。
麻雀部の練習が終わった後の部室で、二人に茶化されて真っ赤な顔になってる和ちゃんを見ながら、私は

(凄いなぁ)

って、素直に関心しちゃいました。


次の日から体育祭に向けて各チームの応援団ごとに練習が始まって、
部長と和ちゃんは、昼休みも放課後もずっとそれにかかりっきりになりました。
麻雀部は私と、優希ちゃんと、京ちゃんと、染谷先輩だけで練習するしかなくて、ちょっと寂しいです。
でも、代わりに応援団の練習が終わるのを待って、一緒に帰れればいいかなって。
上級生に混じって練習している和ちゃんを少しでも励ましてあげれたらって、そう思いました。

それから少し経ったある日のことなんですが、、、、、、、
いつものように和ちゃんを待ちながら校舎脇のベンチに座って本を読んでいたら、

「待たせてごめん」

って耳に覚えのある声で和ちゃんの声で、肩を叩かれました。
耳慣れない口調にびっくりしつつ振り向くと、そこに居たのはなんと学ラン姿の和ちゃん。
なんでそんな格好をしているのかわからなくて、驚いていたら

「私達はこの格好で応援することになったんです………じゃなくて、
 うちはこれで応援することになったんだ」

って、男の子の口調で言われて、、、、、、
何だかいつもと違う雰囲気に急にドキドキしちゃいました。

学ランは第一ボタンまでしっかり止められていて、
普段はリボンで二つに分けている長い髪も、一つに纏めたポニーテール。
露になったおでこを見るのなんて初めてで、私はその男の子っぽい姿から、自分でもよくわからないまま咄嗟に目をそらしちゃいました。

「どうしたんです……どうしたの? 咲さ…咲」
「えっと、あの」
「似合って、ない?」
「う、ううん。そんなことないよ」

初めはぎこちなかった和ちゃんの口調が、しゃべる内にだんだんスムーズになっていって、
なのに私の胸のドキドキはちっともおさまらなくて、それどころか

「帰ろうか、咲」

って言われた瞬間、また鼓動が早まって……

(ど、どうしてなんだろう?)

って、そればっかり。
黙ってたら変に思われちゃうから、取り合えず

「そ、その格好で帰るの、和ちゃん?」

そう言ったんですが

「うん。話題になるし、そうする内に学ラン姿がさまになるからって」

返って来た言葉を聞いたら、また

(そ、そ、そ、それじゃあこれからずっとその格好なの!?)

また胸がドキドキしちゃいました。

(一緒に帰るなんて、む、む、む、無理だよ!)

どうしてこんなにも落ち着かない気分になるのかもちっともわからなくて、
今わかっているのは、和ちゃんが格好いいっていうことだけ……です。
最終更新:2010年04月26日 20:53
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