【咲、読書に夢中】
「・・・あの、咲さん」
「うん」
「読書もいいんですが・・・ほら、今日は天気もいいですし」
「うん」
「(何より私がつまらないし・・・せっかく2人きりなのに)
どこか散歩にでも行きませんか?買い物とか」
「うん」
「あ・・・! じゃ、じゃあどこがいいですか?」
「うん」
「え?・・・咲さん?」
「うん」
「・・・。今日は何曜日ですか?」
「うん」
「・・・・・もう・・・」
「・・・♪」
「(・・・。ちょっと、試してみましょうか・・・)」
≪ピロン≫←ケータイ録音スタート!
「・・・う・・・あ、あの、咲さんっ」
「うん?」
「わ、私のことっ、す、すす好きですか?」
「・・・・・」
「あら・・・?(もう1回・・・!)
私のこと、・・・好きですか?」
「・・・す、好きだよ?」
「え・・・ええぇっ!?」≪ピロン≫←衝撃により録音終了!
「さっ咲さん!?どうして・・・!」
「どうしてって・・・き、聞かれたから・・・
っていうか和ちゃん、もしかして今の録音してたの?」
「~~~!!
さっ・・・咲さんが悪いんですよ!本なんかに夢中になってしまうんですからーー!」
「えっ、和ちゃん?どこ行くの!?ちょ、ちょっと待ってってば~!
(私いったい何しちゃったんだろう!?)」
――和の敗因・・・録音開始直後の緊張による声の勢い。
【ファミレスデート~と書いてご機嫌取りと読む~】
「うーんと、私はドリアにしようかな?の、和ちゃんは?」
「私は・・・ミートソ-スにします♪」
「(よかったぁ、キゲン治してくれたみたい)
うん、じゃあ頼もっか!――あ、すみません注文お願いします!」
~数分後、料理到着~
「いただきまーす!」
「いただきます」
「んむ・・・ん、おいしいね♪」
「えぇ、とっても。少し熱いですけど」
ふぁさっ・・・
「――あ・・・・・。」
「・・・あの、私の顔に何か付いてます?」
「ハッ!(い、言えない!髪をかき上げる仕草に見惚れてたなんて!)
ううん、なんでもないよっ!」
「・・・本当ですか?」
「う、うん!ホントになんでも!
・・・あ、そだっ。私お水もらってくる!」
「え?今飲んだばかりですよね?」
「あ゛・・・。じ、実は私ノド渇きやすいんだよねっ」
「え、そうだったんですか?」
「う、うん!だから行ってくる!」
「はあ、行ってらっしゃい・・・?」
――ドリンクバー付近にて、咲。
「ノドが渇きやすいって・・・なんてウソですか、私・・・」
――テーブル席にて、和。
「(全然知りませんでした・・・今度からミルクティーでも持参してきましょう!)」
【和、食い下がる?】
~ファミレス帰りにて~
「ねえ和ちゃん。さっき改めて思ったんだけどさ、和ちゃんの髪って長いよね?
毎日お手入れ大変じゃない?」
「たまに聞かれますけど、そうでもないですよ?
もう慣れてしまいましたしね」
「あ、そっか!だよね、和ちゃんにとってはそれがもうふつうなんだもんね」
「はい。・・・あ、でも咲さんにはあまり関係のない話ですケド。ふふっ」
「あぁ~っ言ったな和ちゃん!私だってちっちゃい頃は二つ結びだったんだからねっ」
「え・・・!?」
「小学1年生くらいだったかなあ?って、和ちゃん?そ、その目は・・・・・」
「・・・しゃ、写真・・・!写真やアルバムは、残ってないんですか・・・!?」
「そりゃー・・・探せばあると思うけど・・・でも、見せないよ?」
「そ、そこをなんとか・・・!」
「ダメなものはダーメ!だってはずかしいもん」
「・・・で、ですよね・・・・・」
「・・・和ちゃん・・・(そんなに見たかったのかな・・・?)
・・・す、少しだけなら――」
「いいんですかッ!?」
「あぅ!あ~・・・や、やっぱりダメぇーー!」
「あっ待ってください!逃げないでください咲さーん!」
――咲(とそのアルバム)の運命やいかに!
各自、脳内妄想へと続く。
最終更新:2010年05月06日 17:07