5-614氏 無題



「猿飛佐助、霧隠才蔵、三好清海入道、三好伊三入道、えーと、あとは……
穴山小介、由利鎌之助、筧十蔵、海野六郎、根津甚八、望月六郎。これで十人」
「なんですか、それは?」
「真田十勇士だよ。やっぱり上田っていったら、戦国真田家。
柴田錬三郎の『真田十勇士』とか、司馬遼太郎の『風神の門』とか、この真田家を題材にした面白い小説も沢山あるんだ」


というわけで、私と咲さんは今、長野県は上田市の上田温泉に来ています。
ことのきっかけはファミレス「ワグナリア」の福引で一等『ペア温泉宿泊券』を引き当てたこと。
ハワイ旅行からはややスケールダウンしましたが見事リベンジに成功。
晴れて二人旅行に漕ぎ着けた。
と、まあこんな具合なんです。

咲さん曰く、この上田という地域は戦国真田家のお膝元だったんだそうで、
私達が泊まることになった旅館も、当時を偲ぶ重厚な旅籠造り。
床から柱から、天井を走る太い梁まで、全て漆をほどこされてつや光りしています。
勿論、使われているのは全て本物の木材。
きけばヒノキなんだとか。
心なしか懐かしい香がするのはそのためでしょうか。



615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/14(水) 23:46:06 ID:6QkO6kbJ0
とまれ、「ワグナリア」で引き当てた宿泊券を御帳場(フロントではありません!)に出して、
着物の似合う女将さんに先導されて辿り着いたのは「百合の間」という二人部屋。
この「百合の間」は南向きの窓があり、そこから雪を被った霧ヶ峰の頂と、
涼やかな音を立てて流れる千曲川の清流が望めるという、何とも眺めの素晴らしい一室。
桜の遅い長野では丁度、霧ヶ峰の中腹に山桜が咲いていて、私は何だかとても嬉しくなりました。
横を見れば咲さんも笑顔を浮かべていて、しかも

「桜と同じ色をしてるね、和ちゃんの髪の毛。綺麗だよ」

なんて、ドキっとすることを言ってくれたんです。
旅館について早々、幸せな気持ちになって、私は

(咲さんとの大切な思い出になればいいな)

と、思わずにはいられませんでした。




最終更新:2010年05月06日 17:19
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