18禁連載 ⑤

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<和視点>

夢というと大袈裟ですが、私にも将来なってみたいものがあります。
たとえば小学校の先生とかお嫁さんとか。
そのうちのお嫁さんになりたいという願いは、こうして咲さんと一緒に暮らすようになって、半分くらい叶ったのかも知れません。
となると、残るは一つ。
小学校の先生……なのですが、うちの大学では残念ながら中学校と高校の教職員免許しか取得出来ないということがわかりました。
小学校の教職免許はというと、そもそも専門のコースのある大学でなければ取得できないという国の決まり。
推薦で咲さんと同じ大学に進むことを決めた以上、今更専門のコースがある大学に転入するわけにもいきません。
それに、このままずっと二人で一緒に麻雀を続けていくという大きな夢もあります。
だから小学校の先生になることは諦めるより他にないんですが……

(たった一回の人生なんだから)

いつかの竹井先輩の言葉がふと頭に過ぎって、私は取り合えず教職にチャレンジするだけしてみようと決心しました。

それで、先日ガイダンスに出席したのですが、教職の取得は思った以上に大変な様子。
教職課程コースの単位を一定数取らなくてはいけないのは勿論、それ以外にも看護体験をしたり、教育実習に行ったりとやらなくてはいけないことが盛り沢山。
しかも体育の単位も必要ということで、運動が不得手な私にはなかなか高い壁があります。
とはいえ、全てを一年で取らなくてはいけないわけではありません。
看護体験や教育実習が始まるのは四年生になってからで、つまり4年間かけて少しずつ履修すればいいということ。
というわけで今年は体育の単位を重点的に取ることに決め、早速バレーボール、テニス、柔道の履修登録を済ませたんです。


<咲視点>

推薦入学した大学には幸い図書館学を学べる学科があって、読書が大好きな私は司書資格を取るべく、早速その図書館学科の科目を履修登録した。
和ちゃんは

「教職を取ってみようかと思うんです」

って言って早速ガイダンスに出席してたけど、二人で一緒に未来に向って前進しているみたいで何だか凄く嬉しい。
こうやってそれぞれが目標に向って努力して、どちらか一方にもたれることなく、ずっと一緒にいられたらいいなって、そう思う。
思うんだけど、でもちょっと心配なことが……。

教職を取るためには体育の単位が必要らしい。
それで、和ちゃんはバレーバールとテニスを選択したみたい。
それだけなら良かったんだけど、なんと、その他に柔道の授業を取るつもりなんだとか。

「シラバスに『初心者、経験者を問わない』って書いてあるから安心です」

って言われたけど、講義要綱を見てびっくり。
だって、『男女共修』って書いてあるんだもん。

「ちょっと待ってよ和ちゃん、ここに『男女共修』って書いてあるよ?」

思わず詰め寄ったら、

「はい。男女共修ですが?」

和ちゃんってば、世間知らずでちっともわかってなかった。
男女共修ってことは和ちゃんが男の子と一緒に乱取りをしたり、組み手をしたりっていうこともあるわけで、
そしたらその男の子が和ちゃんを好きになってしまうことだって当然あり得る!
むしろ、こんなに可愛い和ちゃんが男の子の気を引かないなんて、そんなオカルトありえない!
それでもし和ちゃんを他の男の子に取られちゃったりしたら……なんて

「絶対駄目だよ!!」

想像するだけでも嫌なのに、私のそういう気持ちなんてちっともわかってないんだ。
だから、

「私もその柔道の履修する!!」

私は和ちゃんを他の誰かにとられちゃわないように、一緒に柔道の授業を履修することを決意した。


やがて迎えた初回の柔道の授業。
場所は、体育会の柔道部も使っているという武道場。
見た目は純和風の装いだけど、100畳くらいありそうな(ちょっと大袈裟だけど)その内部は近代的な造りで、更衣室にはちゃんとシャワーまでついていた。
私達が所属する麻雀部の部室もそうだけど、この大学って結構施設が充実してる。

(推薦入試を全国から生徒を集めているくらいだし、やっぱり凄いなぁ)

なんて思いながら、その更衣室に入り生協で買ったばかりの真新しい道着に袖を通して、

(よし、ちゃんと和ちゃんをガードするんだ)

私は改めて自分に言い聞かせた。

それから間もなく始業のチャイムが鳴って、やってきたのは穏やかな顔つきの男の先生。
初老くらいに見えるその先生が、穏やかな顔つきのままに

「この授業は柔道を通して技術、体力の向上を図り、これから生涯スポーツとして取り組むことの出来るよう行っていきます。
 中でも礼法、受身、正しい技の掛け方の解説に時間を割き、柔道が一体どういうものかを理解して貰おうと思っています。
 初心者に合わせた授業レベルになっていますが、昇段希望者にはこの授業の中で実施指導もするので、どうぞ相談して下さい」

って言ってくれたから、初心者の私も一安心。
隣を見たら和ちゃんもほっとした顔をしてて、何だか可笑しい。

それから右起左座といった柔道の基本的な礼法を教えて貰って、早速実技に取り掛かることに。

「それじゃあ二人一組で柔軟体操」

という先生の言葉を聞きながら

(よ、良かったぁ)

一緒に履修しておいて正解だったって、心の底からそう思った。
だって、私以外の人とペアになるなんて絶対嫌だもん。
晴れて大好きな和ちゃんの隣を射止めた私は

「いたたたたたた、痛いです」
「和ちゃん、体固いんだね」
「もう駄目です。痛いです」
「我慢! だって怪我したら大変でしょ?」

とか、

「咲さん、もっと力を抜いてリラックスして下さい。これじゃあ前屈のストレッチになりません」
「だって…(和ちゃんの胸が当たるから体が固まっちゃうんだもん」
「だって、なんですか?」
「なんでもない(なんだか私が恥ずかしいよぅ)」

とか、
柔軟体操をしながら自然と笑顔になっていた。
体の筋を伸ばすジィンとした痛みはあるけれど、それでも何故か楽しいから不思議な気がする。

(やっぱり和ちゃんが好きだから、かな?)

なんて、これが惚気っていうものなのかも。
そんな風に和ちゃんが大好きな自分を再確認しているうちにストレッチも終わり、次はいよいよ受身の練習。
後ろ受身、横受身、前方に回転しながらの受身。
一通りやってみたけど、私も和ちゃんも初めてだから、勿論凄く下手っぴ。
でも、

「え、えい!」
「い、いきます!」

二人一緒だと、どんなことでも凄く楽しい。
ついつい遊び感覚になっちゃうんけれど、でもこの受身がしっかりしていないと投げられた時に怪我をしちゃうんだとか。

「だから慣れるまでは初心者でも怪我をしないように寝技を中心に練習します」

先生の話を聞いて、少し気を引き締めた私は

(そうそう、怪我したら大変)
(だからやっぱり寝技だよね)
(当分は寝技、寝技)
(ね、寝技!?)

しばらくしてようやくその言葉に追いついて、

(和ちゃんと寝技!?)

そっちのことじゃないってわかってはいたけど、それでもドキドキした。


<和視点>

「初心者でも怪我をしないように寝技を中心に練習します」

ということで早速、横四方、縦四方、袈裟固め、etc
寝技の基本的な技を教えて貰いました。
その後はもう、習うより慣れろ、ということで早速寝技の組み手をすることに。

「二人一組になって怪我しないようにやって下さい」

という先生の言葉を聞きながら、目線は自然と咲さんに…。

(咲さんとくんずほぐれつ…)

途端に頬が熱くなりましたが、そんなこととは無関係に

「それでははじめ」

組み手が始まって

「きゃっ!」

私はあっという間に咲さんに押し倒されてしまいました。


続く。
最終更新:2010年06月15日 02:57
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