6-130氏,132氏,133氏 無題

後ろから近づいてきた咲ちゃんがその左脇についたファスナーを開け、手をさしいれる
そして耳元に唇を寄せて「好きだよ」とささやきながら……

いい所で目覚ましが鳴り、
夢うつつのまま目覚めた私は
傍らに咲さんの存在を求め…
そして、ここは自分の部屋であり、
自分一人しか居ないと言う現実を認識した。

「夢、ですか…」

あのまま夢が永遠に続いてくれればよかったのに。
非現実的な考えが頭に浮かぶ。

その後通学路で咲ちゃんに出会ってまた赤くなるのどっち

「今日の部活も頑張ろうね」
「そういえば優希ちゃんがね」

などなど、咲ちゃんが色々話しかけてくるものの、全部上の空

「宮永さんはどんな夢を見てるんでしょう…」

内心のもやもやに耐えかねてつい口にしてしまった独り言が、咲ちゃんに丸聞こえ

「夢?」
「べ、別に、何でもありません」

突っ込まれてアセアセするのどっちと、
そんな彼女をよそに何か思い出したように話しかける咲ちゃん

「そういえば今日の夢に原村さんが出てきたよ」
「え?」
「今の打ち方を続けるなら退部して下さい、って言われちゃった」
「あの時のことは、早く忘れて下さい…(少し期待していたのですが…しょんぼり)」
「ねぇ、原村さん。私、今のままでいいのかな?」
「え?」
「私達、今のままでいいのかな?」
「宮永さん…?」
「ううん。何でもない。遅刻しちゃうね。早く行こう」

走り出した咲ちゃんの後姿を見ながら、ドキドキがおさまらないのどっち

(さっきの言葉は一体どういう意味だったのでしょう?)

原村和 15歳 その日は授業どころではなかったそうな

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最終更新:2010年07月13日 14:58
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