18禁連載 ⑧

ちゃぶ台に置かれたティーカップから湯気が立っている。
次から次へと白い蒸気が舞い上がる様子は、まるでカップが何かを伝えたがっているみたい。
内に抱えた熱い何かに急かされるまま、メッセージを送っているんじゃないのかなって、そんな想像が頭に浮かぶ。
立ち上るその蒸気を見ながら

(私と一緒だ)

って、なんとなく思った。

怖い夢を見たと言った和ちゃん。
私がいなくなる夢を見て、眠れなくなってしまったと言った和ちゃん。
そんなことあるはずないのに、不安に駆られて私の部屋までやってきた和ちゃんが、凄く愛おしい。

(大好きだよ)

和ちゃんを大切にしたいと想う気持ちが、胸に溢れる。
押しとどめることなんて出来なくて、

『和ちゃんと一緒にいられるだけで嬉しい。明日も一緒にいたい。今日よりも、明日の方がきっと和ちゃんを好きになってる。どんどん和ちゃんを好きになる』

夢中で言葉にした。
まるで、カップに入った熱い紅茶から湯気が立ち上るみたいに、私の口から想いがあふれ出た。

和ちゃんはそれを聞いて

『私も、どんどん咲さんを好きになってるんです。離れ離れになるなんて、考えられません』

と言ってくれた。
嬉しくて、胸が締め付けられる。

(ねぇ、和ちゃん)
(私、今すごくドキドキしてるんだよ)

甘く切ない息苦しさに包まれながら、和ちゃんが大好きなんだって、改めて自覚する。

(この気持ちは届いてるのかな?)
(和ちゃんはどう思っているの?)

私と同じ想いでいてくれたら、凄く嬉しい。
他には何もいらないって思えるくらい。

確かめたくて、目の前でベッドに横たわっている和ちゃんに触れる。
頬にそっと手を当てる。
指先を通して和ちゃんの熱が伝わってくる。
ドキドキが止まらないのに、

(和ちゃん…)

上手く伝えられない自分がもどかしい。
どんなに言葉を尽くしても、気持ちを全部は伝えきれない気がする。
ふと、ティーカップから立ち上る湯気がほんの一部に過ぎなくて、
内にはもっと熱いものが疼いていることを思った。
ちゃぶ台の上に並んだ二つのカップから、白い蒸気が流れていた……。

「大好きだよ」

言葉ではそれしか伝えられない。
でも、見つめ合った目を逸らさずにいたら、指先から伝わって来る熱がもっと大きくなった。
内にある熱い疼きがちゃんと伝わったのかな?
私の気持ちに触れて、照れた和ちゃんが愛おしかった。
二人の気持ちが通じ合った気がした。

手で触れられそうな程、時間がゆっくりと流れている。
私と和ちゃんしか世界にいないみたい。
窓の外に広がる星の瞬きも、街の明かりも、どこか遠くに感じられる。

「好き」

言葉を超えて、私の気持ちに触れて、和ちゃんの頬がポッと赤くなる。
これが私の『好き』。

「私も、咲さんが好きです」

赤くなった頬の向こうに、熱い気持ちが透けている。
今度は、私の胸が締め付けられる。
これが和ちゃんの『好き』。
私達の『好き』はきっと同じ。
世界で二人だけが抱く、特別な想い。

特別だということを確かめるように、私と和ちゃんは抱き合った。
そしてお互いの体に手を回しながら、服を脱がせ合った。
素肌と素肌が重なった瞬間、心地よさに体が震えた。
温もりを分け合って、私達の『好き』が一つになっていくような気がした。

和ちゃんの大きな胸が、私の小さな胸にぶつかって、柔らかくたわむ。
温かく柔らかい感触に包まれて、乳首の先がじんわりと疼く。
それだけで気をやってしまいそうになるのを感じながら、

「和ちゃん」
「咲さん」

私は和ちゃんと目を合わせ、腰のラインに沿って手を滑らせた。
そこが和ちゃんの『弱い部分』。
お尻の少し上を掌で優しく撫でると、

「っっ」

思ったとおりの反応が返ってくる。
胸全体を和ちゃんに揉み潰され、お返しに和ちゃんの腰の敏感な部分を掌で撫でながら、素肌で抱き合う感触に痺れた。

内腿と内腿を擦り合わせる。
唇と唇を重ね合わせる。

そんな風にぴったり寄り添って、私は全身で和ちゃんを感じた。
指の先で、首筋で、あるいは舌で、ありとあらゆる場所で、和ちゃんを感じた。

「和ちゃん」
「はい」
「私、和ちゃんが大好きな気持ちで一杯」
「私もです」
「このまま一緒にイキたい」
「咲さん」
「和ちゃんがイクのを見たい」
「―――」

返事はなかった。
代わりに、言葉よりももっと熱烈なキスが返って来た。
もう我慢なんて出来なかった。

腰を揉んでいた手を回し、和ちゃんの泉のほとりに掌を添える。
それから茂みをかき分けて、水面をそっと指先で窺う。
和ちゃんはすっかり濡れていて、指はたやすく泉の中へと沈んでいく。

クチュッ、クチュッ、クチュッ

絡みつき、糸を引く蜜が、和ちゃんの気持ちを表している。
和ちゃんの『好き』を指の先で感じて、胸が熱くなる。

「さき…さん」
「うん」

今度は和ちゃんの指が私の茂みをかきわける。
そしてするりと私の中に入ってくる。
深い所で和ちゃんを受け入れて、イッてしまいそうになる。

「のどか…ちゃん」
「いっしょですね」
「うん」

クチュッ、クチュッ、クチュッ

震えるような快感が、和ちゃんに触わられた部分を中心に、体を駆け巡る。
優しく擦り上げられ、かき混ぜられて、目がくらむ。
かと思ったら、泉の前の小石を空いている親指で扱いて、和ちゃんはちっとも休ませてくれない。
腰が砕けて力なんてもう入らないけれど、自分が受け取っているのと同じ喜びを返してあげたくて、私も技巧を尽くす。

「のどかちゃん、んん、あっ」
「さきさんっ、すきっ、すき、ですっ」

重なりあった乳房に小さな違和感。
和ちゃんの乳首が固くなっている。
きっと私も同じ。

クチュッ、クチュッ、クチュッ

腰に回した手に力を込める。
私の小さな乳房が、和ちゃんの大きな乳房に包まれる。
口付けをして、舌を絡ませて、腿と腿を擦り合わせる。
全身に和ちゃんの温もりが広がる。

クチュッ、クチュッ、クチュッ

その喜びが体から溢れ出て、和ちゃんの指を濡らす。

クチュッ、クチュッ、クチュッ

首筋にかかる熱い息がくすぐったい。
時折漏れる喘ぎ声に胸が高鳴る。
潤んだ瞳から目が離せない。
溢れた蜜が私の指に糸を引いている。

「もうっ、だっ、めっ」
「いっしょにっ、のどかちゃっ」

和ちゃんの指に触られている部分が、たまらなく疼く。
その気持ち良さに目が眩んでしまう。
霞がかったみたいに頭がボーっとなる。
もう和ちゃんしか感じられない。
和ちゃんで満たされる。

(和ちゃん)
(大好き)

「「っっっぁぁぁああ!!」

その瞬間、和ちゃんの泉の畔がグッと狭まって、私の指を締め付けた。
私も和ちゃんと離れたくなくて、グッ締め付けているんだろうと、霞んだ頭の隅でぼんやり思った。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

夜更かしは楽しい。
隣で寝息を立てている和ちゃんにキスをしながら、そう思った。
ちゃぶ台に並んだティーカップはもう空っぽで湯気は立っていない。
それを見ても、もうもどかしい感じはしなかった。
私はもう一度和ちゃんにキスをして、その隣で横になった。

起きたら、もっと和ちゃんを好きになっているんだろう。
最終更新:2010年08月09日 01:39
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