6-146氏 無題

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「去年は海に行ったよね」


宮永さん…いや、今は咲さんと呼んでいて。咲さんはそう言った。


「そうですね…もうあれから一年なんですね」


今、私は自分の部屋に咲さんと2人きりで。


「また行きたいね」

「そうですね…でも今年は」

「?」


私はとある本を、雑誌の山の中から引っ張り出す。


「ランドに…行きませんか?」

「…!行きたい!!」


私が引っ張り出した本は、そこについて特集されているもので。


「一泊二日…で?」

「はい。貯金箱もだいぶ貯まったみたいですし」


貯金箱というのは、去年の旅行以来に2人で始めた旅行用資金を貯める為のものだった。

余ったお金を、少しずつだけど…2人で毎月入れていった。


「開けてみよっか…和ちゃん」

「…ドキドキしちゃいます」


さぁ、一年分がいかほどだったのか。

貯金箱は、お菓子のクッキーが入っていた缶を代用したものだった。パカッと蓋を開けると、お札が露わになった。


「…行けるかな、これで」

「…数えてみない分には何とも」

「…はやく数えてよ和ちゃん」

「わ、私がですか?」

「私は怖くて数えられないよぅ」

「…わ、わかりました」


いよいよ数えてみる。千円札、たまに一万円札。
ドキドキしながら数える私。不安そうに見守るあなた。


「…ぎりぎり」

「行けるの?」

「はい」

「や、やったね!和ちゃん」

「はい…!」


本当に喜んでくれるあなた。
私だって無論嬉しい。


「じゃあ…計画たてよっか、和ちゃん」

「はい…咲さん」


机上に飾られた去年の時の写真が一瞬光った気がした。

私と咲さんの夏はこれから始まる。
最終更新:2010年08月14日 16:52
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