オリキャラ 陵辱系 注意 オリ男×一 鬼畜注意 ID:mLp9zl3t
第4局>>339~351


   時刻は午後四時、国広一は薄暗い廊下を走っていた。空は夕焼けに染まり、鮮やかなオレンジ色の光が窓から差し込んでいる。とても美しい光景だったが、一にそんなことを考えている余裕はなかった。 
   向かう先は旧校舎1Fの一番奥、2年前まで麻雀部の部室として使われていた部屋だ。一は以前に透華たちとともに麻雀勝負をし、退部に追い込んだ元麻雀部員たちに旧部室に来るよう手紙で呼び出されたのだ。 
   (今日の放課後、旧部室に一人で来い。さもなくば龍門渕透華が酷い目に遭うぞ) 
   その手紙には一枚の写真が同封されていた。透華が目隠しと猿轡をされ、手足を縛られている写真だった。それを見るなり、一は走り出していた。 

   部屋の前に立つと、中からは人の気配がした。一つ深呼吸をしてから、立て付けの悪い木戸を思い切り開けた。 
   中には数人の男たちがいた。扉の開く音に一瞬驚きの表情を浮かべ、それがすぐにニヤニヤとした笑みに変わった。 
   「透華はどこだっ!」 
   男たちの視線が集まり、気後れしそうになるのを吹っ切るがごとく、一は叫んだ。 
   「いきなり威勢がいいですね。透華君、君の専属メイドが到着したようだよ」 
   そう言ったのは丸眼鏡に黒髪を真ん中で分けた男……旧麻雀部の部長だった男だった。 
   そして、その男が席を立つと後ろには薄汚れた体育マットの上で自由を奪われた透華の姿があった。 
   「う~、んんっ、う~」 
   猿轡をされて声を上げることも出来ず、必死に呻く透華を見て、一は激しい怒りを覚えた。 
   「安心したまえ。別に危害は加えていないよ」 
   「どうして……どうしてこんなことを?」 
   それに答えたのは金髪で切れ長の目の男だった。 
   「自分の胸に聞いてみなよ」 
   その言葉、表情には憎しみがこもっていたようだった。一を睨みつける金髪の男を制して、前部長が不気味に柔らかい声で答えた。 
   「僕らは君たちに部を追い出されて居場所を失ってしまったのさ。そのお礼のつもりだよ」 
   「……それで、ボクに何をしろと?」 
   「また僕らと勝負してくれないだろうか。脱衣麻雀で」 
   「なっ」 
   驚きを隠せず顔を赤らめる一を見て、男たちはニヤリと笑った。 
   透華はまたう~う~と呻いている。きっと透華のことだから「こんな奴らの誘いに乗ってはダメですわ!」とか言いたいのだろう。 
   しかし、透華の姿を見て、一は落ち着きを取り戻した。 
   「……わかった。やってあげるよ」 
   一は静かに言った。透華を守る、そのために麻雀を打つと強い決意を胸に秘めて。 
   
   「勘違いして欲しくないのは、脱いで終わりってゲームじゃないってことだ。君が勝ったら透華君を解放しよう。ただし、負けたら君は僕たちの言うことを何でも聞く……どうだい?受けてくれるかな」 
   男たちの卑猥な妄想は嫌というほど伝わってきたが、一に拒否権は無かった。 
   「それで、ルールは?」 
   「単純明快。役や点数に関係なくあがられたら脱ぐ。ツモなら親が二枚、子が一枚、ロンなら振り込んだ人間が二枚脱ぐ。 
   親のツモ上がりでは他の三人は二枚脱ぎ、親に振り込んだ場合は一気に四枚脱いでもらう。半荘を終わるか、誰か一人が全裸になった時点で決着。わかったかい?」 
   一は何も言わず頷いた。 
   このルールを聞いて一は少しほっとした。もしも男3人が組んで打ってきたとしても、振り込まなければ大きく負けることはない。 
   ツモ上がりなら上がった人間以外は最低一枚は脱がなくてはならない。一の服装は頭のリボン、胸のリボン、上着、ワンピース、靴と靴下、それに下着の上下で8枚。 
   対する男性陣はそろって制服の上下、靴と靴下、それに下着の5枚。自分の親でツモられたとしても一枚多く脱ぐだけ。 
   最悪の状況を考えても一が裸になる前に、男子の誰かが裸になってゲームは終わる。 
   基本はベタオリで配牌が良いときだけ早めの上がりを目指していれば負けはない。 
   「あ、それから……」 
   前部長が思い出したように言った。 
   「当然のことながらイカサマは禁止だよ?もしもイカサマが発覚したときにはその時点で負け。いいね?」 
   一の過去を知ってか知らずか……いや、前部長の馬鹿にしたような表情や、クスクスと笑う回りの反応を見れば、間違いなくそれを知ってのことだろう。その言葉は一を動揺させ、動揺はすぐに怒りへと変わった。 
   「わかっているさ。前置きはいいから、さっさと始めようよ。早く君たちを裸にして、透華を連れて帰りたいんだ」 
   一は強い口調で言い放った。 
   「ククク……威勢のいいことだ。では早速、始めるとしようか」

   卓を囲むのは一、丸眼鏡の前部長、金髪の男、小柄なおかっぱの男だった。 
   前部長と金髪の男は旧麻雀部にいた記憶が微かに残っているが、小柄なおかっぱの男は初めて見る顔だった。 
   体格の小ささを見るに一年生のようだ。緊張しているのか、ずっとうつむいて顔を上げようとしない。 
   まずは一の親番。配牌はリャンメン十分のイーシャンテン。ここは上がりを目指すべきだと一は判断した。 
   二順目に早速テンパイ。役はタンヤオのみだがこのゲームでは役は関係なく、リーチをするメリットは無い。ここはダマで待つのみだ。だが…… 
   「ツモ。ピンフのみ」 
   「なっ」 
   全く警戒していなかった一は、驚きのあまり声を上げた。 
   上がったのは小柄なおかっぱの男だった。目を卓に伏せたまま無表情で上がりを宣言した。 
   観戦していた数人の男からは「おおっ」という歓声があがった。 
   「おっと、あがられちまったな。これで一枚脱がなきゃ……親の国広さんは二枚脱いでくれよ」 
   「あと、靴と靴下は無しにしよう。ゲームが長引いて、透華君を苦しめるだけだからね」 
   突然のルールの追加だったが一は抗議しなかった。靴と靴下を省略できれば、ゲームが早く終わる可能性は高くなる。透華を一刻も早く助け出したかった。 
   だが、そのぶん、一がここの男たちに肌を晒す可能性も高くなってしまった。 

   まず、各人は靴と靴下を脱ぎ捨てた。男性二人はすぐにベルトを外した。 
   (しまった……ベルトを計算に入れてなかった……) 
   これでは振り込まなくても、裸を晒す可能性が出てきてしまう。 
   ただ、一自身はこれからリボンを二つ外そうとしている。ベルトを一枚とカウントすることに抗議をするわけにはいかない。 
   「さあ、国広君。二枚脱いでくれたまえ」 
   前部長が笑みを浮かべて言う。 
   「わかってますよ」 
   一は強い口調で言い返すと、頭のリボンをはずし、胸のリボンを解いた。 
   外野からは「おいおい、リボンはないだろ!」との声が上がったが 
   「いやいや、僕たちもベルトを外しているわけだし、リボンは認めてあげないと、ね」との前部長の一言で落ち着いた。 
   東二局、親は前部長。一の配牌はクズ手で、ここから上がりに持っていくのは至難の技だ。 
   当初の作戦通りなら、ここはベタオリで次の機会を待つべき場面なのだが…… 
   (もしもここで親の前部長に上がられたら、ボクは二枚脱がなきゃならない……こんな大勢の前で、下着姿になるなんて……) 
   簡単に降りるわけにはいかなくなってしまった。 
   だが、一が思慮を巡らす間もなく、前部長から声が上がった。 
   「ツモ。三色ドラ2。ま、この際役は関係ないけどね」 
   前部長は丸眼鏡を不気味に光らせ、一を見てにやりと笑った。 
   観戦している男子からは拍手喝采が巻き起こった。 
   「うわ~部長えげつないな~、これで俺はパンツ一丁っすか。国広さんは女の子だから下着が二枚あっていいなぁ」 
   金髪がそんなことを言いながら脱ぎ始めた。おかっぱの男もベルトとワイシャツを脱いだ。そして、男子の全ての視線が一に注がれた。 
   「さぁ、国広君。二枚脱いでください」 
   いやらしい視線に晒されながら、一の脱衣ショーが始まった。 

   一はライムグリーンのワンピースに、同じ色の長袖のシャツを上から着ていた。まずは上着を脱がなくてはならない。 
   下はワンピースなので、上着を脱いでも下着を見られることは無いのだが、長袖のシャツを脱いで肩から腕を晒すことすら、この状況では恥ずかしかった。 
   (透華を守るんだ……下着姿なんてなんでもないさ……もともとボクは露出の多い服のほうが涼しくて好きだったじゃないか……) 
   そう自分に言い聞かせて、まずはシャツを頭から脱ぎ去った。露わになった肩と腕の肌は白く透き通るようで、その線の細さは触れたら壊れてしまいそうな繊細さを感じさせた。 
   そして、すぐにワンピースの肩紐に手をかけた。時間をかければかけるほど、羞恥に耐える時間は長くなると思ったし、 
   恥ずかしさに脱ぐことをためらっている姿を見せるのは、男たちを喜ばせるだけだと思ったからだ。 
   部屋は意外にも静まり返り、男たちの生唾を飲み込む音があちこちで聞こえる。 
   まずは右、そして左と肩紐を外すとワンピースはスルリと脱げた。 
   「あっ……」 
   自分の意志ではなくワンピースが落ちてしまい、小さく動揺の声を上げてしまう一。 
   そして、ワンピースは床に落ちた。 
   ついに、一は下着姿になった。 
   下着の色は幼い一の外見からは想像できない大胆な赤だった。 
   しかも、上下ともに面積はとても小さく、ショーツにいたっては紐で結ぶタイプ、いわゆるヒモパンだった。 
   小さい胸にブラのカップが合っておらず、ブラと体との間には大きく隙間が出来ている。風でも吹けばブラがずれて、幼い蕾が顔を出しそうな際どさだった。 
   一はあまりの熱視線に耐えかねて、胸と股間に手をやり、体をよじった。 
   白かった肌は羞恥にほんのりと赤く染まっていた。 
   (見られてる……ボクの下着姿……こんな奴らに……) 
   沈黙が数秒続き、そして品評会が始まった。 
   「小さい下着だな~、けしからん」 
   「しかし見事なまでにぺったんこだなぁ。ブラとか意味あるのか?」 
   「一ちゃんかわいいよ一ちゃん」 
   卑猥な言葉が飛び交う。 
   「赤い下着かぁ。挑発的だね、国広君は」 
   前部長もにやけながら言った。 
   一は恥ずかしさと悔しさに下唇を噛んだ。 
   一の下着姿の品評会は、その後数分続いた。 
   「さぁ、そろそろいいだろう。続きを始めようか」 

   下着姿で座った椅子はひんやりと冷たかった。いやらしい視線は絶えることなく一の体に注がれている。 
   (気にしちゃダメだ……集中するんだ……) 
   全国レベルの麻雀スキルを持つ一は、こんな状況下においても何とか卓に集中することができた。そして、冷静に現状を分析し始めた。 
   (今までの二局……あまりにも上がりが早すぎる……誰も鳴いていないしツモ上がりだからサインで出来る芸当じゃない。積み込みをしている気配も無かったけれど…… 
   でも、何かおかしい……) 
   積み込みやすり替えのようなあからさまなイカサマであれば、一が見抜けないはずはない。しかし、相手側に都合のいい人間が連続して早上がりする状況には何か仕掛けがあるとしか思えない。 
   洗牌をしながら、一は相手を観察していた。 
   (もし、イカサマがあって次に上がる人間が決まっているとしたら……子の金髪男しかありえない。他の人間が上がった瞬間、金髪は裸になって、結果的にはボクの勝ちだ……となると、金髪男の配牌に何か仕掛けが……) 
   東三局はその金髪男の親だ。彼がツモ上りすれば、他の三名は二枚脱がなくてはならない。つまり、一は裸になって負けてしまう。もしも、予想通りに金髪男が勝つシナリオが用意されているのであれば、なんとしてもそれを阻止しなければならない。 
    一の配牌はトイツが揃っていた。チートイツを狙う手もあったが、前部長の捨てた東をポンした。金髪男の手順を飛ばしつつ、自分の手を進めていこうと考えたのだ。多少、強引な作戦ではあったが、三巡目には部長から二度目のポンで見事にテンパイまでこぎつけた。 
   (金髪の手順を二回飛ばしたし、捨て牌を見てもまだまだテンパイは遠そうだ。このまま行けば金髪が上がるよりも先にボクが上がれるし、最悪、他の人が上がっても、金髪が裸になって終わりだ。胸を見せなきゃいけないのは嫌だけど……それでも、ボクの負けはない!) 
    四順目。あわよくば上がってしまいたかったが、そう上手くはいかなかった。ツモった不要な白を捨てようとした時、前部長が「ククク……」と不気味に笑った。 
   「な、何がおかしい?」 
   「いやぁ、国広君は素晴らしいね。今度は鈴木……いや、そこの金髪の彼の名前だよ、彼が上がる番だと考えて、彼の手順を飛ばしつつ、自分の手を進める作戦をとったわけだね。そして、それは成功した……と思い込んでいる」 
   「……!!」 
    一は動揺した。 
   (すべて読まれていた……それだけじゃない……彼は「成功したと思い込んでいる」と言った……どういう意味だ……ボクが、負けるとでも言うのか……)
   「もうこの状況になったら、タネ明かしをしてもいいでしょう。今回の勝負はある人物によって支配されていました。と言っても、イカサマなどではありません。その人物の圧倒的な力のよって、です。その人物とは……おかっぱ頭の彼、山田太郎君です」 
    前部長は小柄なおかっぱの男を指差した。おかっぱの男、山田はゆっくりと顔を上げた。 
   「ぼ、ぼくは、特別な、う、打ち手なんです。あ、天江衣さんのような……」 
   「こ、衣だって?!」 
    一は大声を上げてしまった。天江衣……龍門渕高校最強の、そして全国でもトップクラスの打ち手。彼女は不思議な力で場を支配し、相手の自由を奪い、圧倒的な点差をつけて勝利しつづけている。そんな彼女と、この山田が同じ力を持っているなんて…… 
   「そ、そんなはずない!君からは、何も感じなかったよ!」 
    天江衣のような不思議な力を持ったものと相対すれば、嫌でも体がその力を感じてしまうはずだ。恐怖にも似たその感覚が、この勝負では一切感じられなかった。 
   「そ、それは、ぼくが、場を支配する打ち手ではなくて、場の流れを利用する打ち手だから……です。天江衣さんは、圧倒的な力で流れをせき止めて、自分の海を作ろうとするけど、ぼ、ぼくは、流れに小石を置いていって少しずつ自分の思い通りの川にしていくんです…… 
   ほ、本当なら長く時間をかけないと上がれないんですが、こ、今回はあなた以外の人は味方なので、ぼ、ぼくが作った流れを利用して、ぶ、部長さんに上がってもらったんです……」 
    「そう、彼は流れに逆らうことはしない。だから、彼の力を感じることは難しいのさ。でも、ゆっくりと流れを作っていた彼は、この東三局四順目で目指していた川の形を完成させたのさ!」 
    山田に続いて、前部長が興奮気味に言った。 
   「それはどういう……」 
   「意味だ!」と言おうとして、一は気付いた。金髪男、鈴木に集中しすぎて警戒が薄れていた前部長と山田の捨牌は、一の手牌の全てが危険牌であることを教えていた。一は既に罠の中だった。 
   「聡明な国広君ならもう気づいてくれたと思うが……君が何を捨てても、僕と山田君は上がってしまうよ」 
   「そ、そんな……」 
   一は震えた。その震えは、こんな状況を作り出してしまう山田への恐怖心であり、罠に嵌めた前部長への怒りであり、罠にかかった浅はかな自分への後悔であり……そして、これから男たちに一糸纏わぬ姿を晒さなければいけないという恥ずかしさ、悔しさからだった。 
    一の手から、白の牌が麻雀卓に転げ落ちた。 
   「ロン。ピンフのみ」 
   「ロン。タンヤオのみ」 
    前部長と山田の声が同時に発せられ、そして、周囲の男たちからは拍手と歓声が巻き起こった。一は呆然と立ち尽くすしかなかった。運動マットの上で拘束されている透華は目をギュッと閉じ、顔を背けた。 
   「さて、二人に振り込んだわけだから、四枚脱いでもらわないとね。あぁ、でも、あと二枚しか脱ぐものがないか。ククク……」 
    前部長の嫌味も一の耳には届かなかった。

   一は下着姿のまま両手を縛られ、天井に吊るされた。脚は辛うじて爪先が着く程度で、気を抜くと手首に体重がかかって鈍い痛みが走る。 
   高校二年生とは思えない、幼く白い体は、赤い下着に隠された秘密の場所以外は全て晒され、隠すことはできなくなった。 
   そしてこれから、その秘密の場所すらも男たちの前で露にされてしまう。 
   「さて、それでは国広君の最後の二枚を剥ぎ取ることにしましょうか」 
    前部長が言うと、男たちは大きな歓声を上げた。 
   透華はうーうーと呻って、必死に体を動かしている。目にはうっすらと涙が浮かんでいた。 
   (ゴメン、透華……ボクが不甲斐ないばっかりに、透華を泣かせてしまった……) 
    磔にされた一は、それでも透華のことを考えていた。 
    ブラを外そうと背後に回った前部長に、一は言った。 
   「約束通り、ボクは裸になるよ。手首を縛られて吊るされたんじゃあ、抵抗もできない。だから、透華はもう解放してあげてくれないかな」 
   「それはダメです。今、透華君を解放したら、助けを呼びに行くに決まっていますからね。君の脱衣ショーが終わってからでないと、解放はできません」 
   前部長は冷たく言い放った。 
   「それなら、この下らないショーとやらを、さっさと終わらせてくれないかな」 
   「いいでしょう。彼らももう待ちきれないといった様子ですしね」 
    そう言われ、一が視線を正面にやると、息遣いの荒い男たちがじっと一の体を見つめていた。そのいやらしい視線に耐えかねて、一は顔を背けた。 
   「おやおや、さっきの強気な態度はどうしたんですか?ククク……」 
   「……っ!!いいから、早く……」 
   「では、お望みどおりに」 
    声を荒らげた一の言葉を遮って、全部長は言った。と同時に、一のブラのホックを外した。 
   「あっ……やっ……」 
    不意を突かれた一は小さく声を上げてしまった。それは、虚勢の裏に隠れたか弱い乙女の声だった。 
    赤いブラは重力に逆らうこと無く、はらりと、あっけなく床に落ちた。 
    一の胸が露になった。色白の体の中でも、特に太陽に晒されることのない胸は、透き通るような白さだった。 
   一般の女子高生にはあるべき胸のふくらみは見られないが、全くの平らというわけではない。微かではあるがふくらんだ乳房があり、その中心には小さなピンク色の突起があった。 
   「うわぁ、やっぱり胸小さいな~」 
   「いや、俺はもっとぺったんこなのかと……なんか、ふくらみかけって感じがエロくね?」 
   「ロリコンは死ねよ……とは言ったものの、俺も勃起せざるを得ないわ」 
   「ってか聞いたか?ブラ取られるときに『いやっ』とか言ってたぜ。やっぱり恥ずかしいんだろうな~」 
   「乳首の色ってこんな綺麗なピンクなんだな……エロ本やAVとは違いすぎる……」 
    磔にされ、男たちの視線に晒され、自分の体を好き勝手に言われることは、想像していた以上の屈辱だった。あまりの羞恥と悔しさに、一の頬は赤く染まった。 
   両手の自由を奪われた一にできることは、目を閉じて、歯をくいしばって耐えることだけだった。 
   「恥ずかしくて目も開けていられないのかな?」 
   前部長の挑発的な言葉にも、反論することができなかった。今、口を開いたら「お願いだから、もう見ないで!」と言ってしまいそうだったから。 
    それから一分ほど、一の胸の鑑賞会は続いた。その終わりを告げたのは、前部長の一言だった。 
   「では、最後の一枚を脱がす前に、山田君にご褒美を上げましょう。山田君はこっちへ」 
   「は、はい」 
   (ご褒美?ご褒美って何……) 
   「今回のゲストに国広君が選ばれたのにはいくつかの理由があります。まず、透華君を人質にすることで、こちらの誘いに確実に乗ってくると思ったから。 
   二番目に打ち筋。流れを読む井上くんや、山田君のようにオカルトめいた力を持つ天江さんでは僕らの作戦はうまくいかないからね。 
   そして、もっとも重要だったのは、山田君のやる気を100%引き出してくれるのが国広くんだったってことだ」 
   「や、やる気……?どういう意味……?」 
    一は少し顔を上げて尋ねた。 
   「つまり、山田君は君みたいなロリロリな美少女が大好きだってことさ。さて、山田君、ご褒美の時間だ。国広君の可愛らしい胸を存分に可愛がってあげなさい」 
   「なっ……!!」 
   (嘘……ボク……触られるの……?) 
    裸を晒すことは、想像以上に恥ずかしかったとは言え、覚悟はしていたつもりだった。しかし、胸を触られるなんてことは、全く想像していなかった。 
   まだ誰にも触られたことがない胸を触られることで、どうなってしまうのかも想像がつかなかった。 
   ただ一つ言えることは、一にとって屈辱的な、男たちにとっては最高のショーになるだろうということだけだ。 
    背後から荒い鼻息が近づいてくる。一が振り返ると、山田と目が合った。血走った目は彼が異常に興奮していることを表していた。 
   (こんな奴に触られるなんて……) 
    一は目を閉じ、うつむいた。その瞬間、山田の手が一の胸を鷲掴みにした。 
   「いっ!いたっ……!」 
    電気が走るような衝撃が一を襲った。小さな胸に対して、あまりにも乱暴な山田の行為は、一に痛みと、今まで感じたことのない痺れるような感覚を与えた。 
    恋人同士が触れ合うのなら、気持ち良く感じるものだと一も知ってはいたが、この感覚はとても快感とは思えなかった。体を痺れさせ、鋭く脳を刺激して、吐き気を催す。山田が胸を揉むたびに、その感覚が全身を駆け巡る。 
   (なんだ……これ……気持ち悪い……吐きそうだ……) 
    体をくねらせ、歯を食いしばり、苦痛に必死に耐える。しかし、一の感覚とは裏腹に、胸の桃色の突起はどんどん膨らみ、存在を主張していった。男たちから見れば、一は快感に喘いでいるようにしか見えなかった。 
   「おいおい、一ちゃん、感じちゃってるんじゃないの?」 
   「童貞の山田にイカされちまうのか~?恥ずかしすぎるぞ、一ちゃん!」 
   (ち、違う……感じてなんか……無い……) 
    男たちの勝手な発言に反論しようにも、声が出せない。 
    そして、山田の手はピンク色の突起に標準を定めた。 
   「んあっ!!」 
    乳首を触れられた一は、声を上げてのけぞった。興奮し、暴走状態の山田は、一の行動など意に介さず、指先で乳首を強くつまみ続けた。 
   敏感な突起を弄ばれ、沸き上がってくる声と、吐き気を必死に堪える一の姿に、ギャラリーはさらに興奮した。 
   「いいですよ、山田君。そのまま楽しんでいてください。僕はそろそろ最後の一枚を脱がしてあげることにします」 
    前部長はそう言うと、小刻みに震え、うつむいている一の下着に手をかけた。 
   「では約束通り、丸裸になってもらいますよ。覚悟は出来ていますか?」 
   (……え、な、何……?ボク……これ以上、何をされるの……) 
    胸と乳首を触られ続け意識が混乱している一は、部長の問いかけを理解することも、返事をすることも出来なかった。 
   ただ目をギュッと閉じうつむいている一を見て、前部長はニヤリと笑いながらショーツの紐に手をかけた。 
   「えっ、あっ!」 
    目を開いて驚きの声を上げる一。 
   「何を驚いているのかな。早く脱がしてくれと言っていたじゃないか」 
    そう言うと、前部長はショーツの紐とほどいた。赤く小さなショーツはヒラリと舞いながら一の体を離れた。 
    一はついに、一糸纏わぬ姿を男たちに晒すこととなった。 
   想い人以外には決して見られてはならない場所を、もっとも軽蔑すべき男たちの前で露にされてしまった。 
   教室は一瞬にして静まり返り、男たちは一のもっとも見られたくない部分を凝視した。眼を閉じていても、顔を背けていても、その視線は痛いほど伝わってきた。 
   背後から胸を弄んでいた山田も手を止め、一の秘部を観察しようと前に回った。 
    一の秘部には恥毛は一切生えていなかった。幼い外見同様に、秘部も幼いままであった。 
   汚れのないワレメを男たちの視線から守るものは何もなく、両手を縛られ、吊るされて、つま先立ちを強制されている現状では、両足を寄せて隠すこともできなかった。 
   顔を背けて、太股をもじもじと摺り寄せるのが、今の一にできる精一杯の抵抗だった。 
    教室の沈黙を、山田の震える声が破った。 
   「つ、つ、つるつるだ……理想通りだ……」 
    その一言を皮切りに、男たちは卑猥な言葉で一の秘部の感想を口にし始めた。 
   「本当だ!さっすが、期待を裏切らないね~国広さんは!」 
   「お、俺、初めて見るよ……こんなになってるんだ……」 
   「パイパンだから初心者にもバッチリ見えますな」 
   「胸もワレメも良いけど、一ちゃんの恥ずかしがってる表情が最高だわ!」 
   「体は子供だけど、頭脳は大人だからな~。素っ裸になって、恥ずかしくないわけないよな~」 
   (……い、言うなっ。見るなぁっ……) 
    心の中で叫んだ。しかし、実際に口に出すことはない。こんな姿を晒されても、恥ずかしがっていることが知られていても、許しを乞うなんてことは絶対にしない。 
   それが、男たちを喜ばせるだけだとわかっているし、何よりも、一のプライドがそうさせなかった。 
   (……悔しい……でも、これに耐えれば……) 
    脱衣麻雀に負けて裸になるのは仕方ない。この屈辱を乗り切れば、透華を連れて家に帰れる……一はそう考えていた。 
   男たちの視線と卑猥な言葉を浴びせられ、恥辱にまみれて小さく震えている一は、勝負を始める前の前部長の言葉を忘れてしまっていた。 

   「勘違いして欲しくないのは、脱いで終わりってゲームじゃないってことだ。君が勝ったら透華君を解放しよう。ただし、負けたら君は僕たちの言うことを何でも聞く……どうだい?受けてくれるかな」 

    一に対する陵辱は、まだ始まったばかりだった。 

   「毛が生えていないとは言え、このままではワレメの中が全然見えませんねぇ……そうだ、鈴木君。国広君の足を抱えて、広げて見せてくれませんか」 
   「りょ~かいしました、部長」 
    金髪の男、鈴木が近づいてくる。 
   (ワレメの、中?足を抱えるって……まさか……) 
   「じゃ、失礼しま~っす」  
   一の背後に回った鈴木は一の太股に手をやった。そして、そのまま両足を持ち上げようとした。そう、彼は一を抱え上げ、足を開かせて、恥ずかしいワレメの奥の奥まで晒してしまおうとしていたのだ。 
   「いやだっ!!」 
    鈴木の意図に気づき、さすがの一も抵抗の声を上げた。太股を激しく動かし、鈴木の手を振り払った。 
   「っつ!!」 
   体が宙に浮き、縛られた手首に全体重がかかり、痛みが走った。それでも、迫り来る鈴木の手を振り払うために、必死に足をバタつかせた。 
   「頑張れ~一ちゃん~」 
   「『いやだっ』だってよ~、萌えるわ~」 
   「鈴木~、早くやれ~」 
    傍観者たちは笑いながら言った。一の必死の抵抗も、男たちには興奮の材料にしかならなかった。 
   「国広君、約束は守ってくださいよ。君が負けたら僕たちの言うことを何でも聞くと、約束したじゃありませんか……まぁ、約束を破るのならば、こちらにも考えがありますが……」 
    前部長の視線の先には、拘束された透華がいた。目は赤く充血し、涙がポロポロとこぼれていた。そして、う~う~と必死に呻き声を上げていた。 
   「早く透華君と帰りたいのでしょう?それならば、鈴木君に体を預けた方が良いと思いますが……」 
   「う~う~」 
    透華はバタバタと暴れ、大きな呻き声を上げた。「私のことは気にせず、抵抗して」とでも言いたいのだろうか。しかし、そんな透華を見て、一は抵抗を止めた。 
    全裸で磔にされた状況では、どんなに抵抗をしてもいつかは両足を抱えられてしまうだろう。そんな無駄な抵抗で、透華が苦しむ時間を増やすことはない。 
   それに、万が一、彼らの矛先が透華に向くようなことになったら…… 
   (ゴメン、透華……ボクにできることは、もうこれしか……) 
   「ククク……それでいいのです。さぁ、鈴木君」 
   「アイアイサー」 
    鈴木の手が再び太股に触れた。内腿を触られるその感触だけでも、気分が悪くなるほどの屈辱だった。 
   そして、心では抵抗しないと決めていたはずが、自然と足に力が入ってしまった。心の中の少女の部分が「こんなことをしてはいけない」と叫んでいるのだ。 
   「おっと、また抵抗かい、一ちゃん」 
    茶化すような口調で鈴木は言った。 
   「でも、そんな小学生みたいな体で抵抗したって……無駄だよっ!」 
   「やあっ!」 
    鈴木は両足を揃えたまま、一気に抱え上げた。一は空中で体育座りをしたような格好になってしまった。 
   足こそ開いてはいないが、小さな尻が男たちの前に晒された。太股を抱えられているため、尻たぶは引っ張られ、本来は尻の奥に隠れていなければならない恥ずかしい窄まりまでもが晒されてしまった。 
   「うお~、あれはひょっとして、肛門ってやつですか~?」 
   「ケツの穴までピンクじゃん!」 
   尻を広げられ、ピンク色の肛門がヒクヒクと収縮する様に、男たちは大興奮している。 
   (いやだっ……こんなのっ……) 
   「さて、お次はお待ちかねの……」 
    鈴木が腕に力を入れ始めた。ついに、一の足を開いてワレメの奥を晒すつもりなのだ。 
   「いやだっ……これ以上は……」 
    一は抵抗の言葉を口にした。足に力を込めて抵抗した。これ以上の恥辱には、もう耐えられそうもなかった。
   胸を、秘部を、大勢の男の前で晒され、尻も広げられ、肛門までも露にされるなど、女性にとってこれ以上の屈辱はない。 
   日頃、透華たちとしか接することがなく、異性に対して免疫のない一にはなおさらだ。さらにこれから、自分でも見たことのない秘部の奥の奥まで観察されてしまう…… 
   恥ずかしさ、悔しさ、そして恐怖が入り交じり、一は正気を失う寸前だった。 
   「い、いやだ……絶対……」 
    必死の抵抗。しかし、鈴木は涼しい顔をしている。 
   「部長~、こいつ、この期に及んで抵抗してますよ~」 
   「悪い子だな、国広君。後でお仕置きだ。ククク……」 
    前部長から発せられた恐ろしい一言も、今の一の耳には届かない。足に力を込め、開かせないように、それに集中していた。 
   しかし、その抵抗によって一の体はプルプルと震え、肛門の収縮はより激しくなり、男たちを楽しませる結果になっていた。 
    そして、そんな必死の抵抗を、鈴木の腕力はいともたやすくこじ開けた。 
   「はい、リンシャンカイホウ~!」 
    最低の例え文句と共に、一の脚は開かれた。そして、ピンク色の割れ目は左右に引っ張られ、その中の嫌らしい赤をちらりと覗かせた。 
   「うおおおお!」 
   「かわいい~」 
    男たちの興奮はピークに達していた。 
   「いやだ……こんなの……もういやだよ……」 
    一の口から、ついに弱音がこぼれた。触られているのは太股だけなのに、体中が痛かった。 
   激しい心臓の鼓動の度に、胃液が逆流しそうになるのを必死に堪えていた。呼吸が荒い。もう、一の心はボロボロだった。 
   「もうちょっと広げてくれよ~。全然中が見えないぞ~」 
   誰かが言った。 
   「確かに、国広君は綺麗すぎて、脚を広げたくらいじゃ中まで観察できませんね。それでは……」 
    前部長が近づき、一の前でしゃがんだ。そして、一の秘部に手を伸ばした。 
   「な……何する気……」 
    一は怯えきった表情で前部長に言った。前部長はその表情を見て「ククク……」と笑うと、一の質問には答えず、ピンク色の幼い秘部に触れた。 
   「ああっ、やだっ、触るなっ!」 
    もう強がることはできなかった。しかし、前部長は無視して、一のワレメをそっとなぞった。 
   「んぐっ!!」 
    全身が痺れた。乳首を触られた時以上の感覚だった。痛みにも似たその感覚がなんなのか、一にはわからなかったが、快感などではないことだけは確かだった。 
   悔しさ、憎しみ、怒り、そういった負の感情しか沸いてこなかったからだ。 
   「さぁ、みんな、近くでじっくり観察しようじゃないか」 
    前部長は男たちを一のすぐ近くまで呼んだ。片目を開けると、息の荒い男たちが至近距離で一の秘部に卑猥な視線を送っているのが見えた。 
   今まで見た景色の中で、最も醜い光景だった。
   そして、前部長は一の秘部を一気に広げた。 
   「うおおおおおおおお」 
   「部長!さすが!」 
   「見える!奥の奥まで見えるぞ!」 
    一の全てが晒された。部長の指で広げられた秘部は一片の汚れもなく、処女膜を確認するまでもなく、男を受け入れたことのない体であることを示していた。 
   上部には小さな突起が可愛らしくたたずみ、小陰唇もヒダと呼べるほど発達してはいなかった。 
   しかし、その幼さとは裏腹に、ワレメの奥の男を受け入れる部分は少し濃い赤で、ぬらりと光っていた。そのギャップがいやらしく、男たちを興奮させた。 
   「やだっ、はなしてよっ!もう、いやだっ!」 
    一はプライドを捨てて叫んだ。しかし、一のかわいい鳴き声は男たちをさらに喜ばせるだけだった。一はイヤイヤと首を不利、ついには、今まで我慢していた涙を流した。 
   男に免疫のない高校2年生が、体の中まで見られている現状を気丈に振る舞えるわけがなかった。 
   「ククク……可愛いよ、国広君。さて、記念撮影をしようか」 
    前部長は秘部を広げる役割を山田に譲った。山田は部長以上に乱暴に広げ、限りなく顔を近づけて観察を始めた。山田の呼吸が一の秘部を刺激する。 
   再び痺れるような感触と、吐き気が一を襲った。 
   「山田どけよ~!見えねーぞ!」 
   「暴走しすぎだろ~!」 
   「まぁ、でも、こんなことができるのも、山田の力のおかげなんだし……」 
    前部長はこの光景をカメラに収めた。そして、言った。 
   「君たちに無茶苦茶にされた高校生活だったけど、最後の最後で最高の思い出ができたよ。ありがとう、国広君」 
    そんな嫌味な言葉にも、一は怒りすら感じなかった。限界を超えた恥辱に、肩を震わせ、涙を流し、嗚咽することしか出来なかった。
最終更新:2012年01月15日 16:05