街に電飾の飾りつけがされ、
 クリスマス限定の歌が流れる甘いムードのなか、

 それに便乗するかのように過ごす手塚とリョーマ。


 「リョーマ…寒くないか?」

 「うん、大丈夫」

 手塚がリョーマを背後から抱き締め、ベッドに座っている2人。

 「ねぇ、国光さん。ケーキ食べさせて?」

 「…解った」

 リョーマにお願いされ、テーブルに置いてある苺のショートケーキを取り、
 それを食べやすい様に切りわけ、リョーマの口に運ぶ。

 「美味しいか?」

 美味しいというかのように頷くリョーマ。

 ちなみにこのケーキは手塚の母、彩菜が作ったものだ。

 「…国光さんは食べないの?」

 「あぁ、甘いものは好きではないんだ」

 「ふーん…」

 何か考え込むリョーマ。

 「そうだ!ねぇ、こっち見て?」

 何か思いついたのか声をあげるリョーマ。
 手塚と向き直り、見つめあう。

 そして手塚の襟元をグイッと引っ張りキスをした。

 それは触れるだけのものではなく、深い口付け。
 最初は驚き固まっていた手塚だったが、いつの間にか主導権を握っていた。

 「…ふ…ぅん…」

 時折漏れるリョーマの甘い声。

 程無くしてどちらとも無く離れる唇。

 「ん、ぅ…」

 リョーマの瞳は蕩け、唇はどちらのものとも解らない唾液に濡れ、妖艶だ。

 「…リョーマ…」

 「…くにみつぅ、さん」

 名前を呼び合い、ベッドに倒れこむ2人。
 今度も甘い口付けを交わしながら…




 ・・・・・・・・・




 「なんでキスなんか突然したんだ?」

 「んー…生クリーム、甘いから…一緒の食べた気に、なるかなぁ?…ッて?」

 眠いのかウトウトとしながら話すリョーマ。

 「そうか…リョーマ、」

 「ぅ、ん…?」

 「遅くなってしまったが、お誕生日おめでとう」

 「…!…ア、アリガト…」

 頬を桜色に染め、礼を言う。

 「プレゼントは起きてから渡す。だから寝ろ」 

 「…うん。オヤスミ…」

 「おやすみ…リョーマ」

 手塚は腕の中で眠る甘い恋人にキスを贈り、

 「そして、メリークリスマス」

 自分も眠ることにした。





 【 sweet  time 】
 (贈られたものは手塚の指に嵌められているのと同型のシルバーリング)





 王子生まれてきて有り難う^^お誕生日おめでとう!
 ※裏有り
 2009.12.24.志花久遠.


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最終更新:2010年02月14日 16:02