今日もあの並盛町を征服の秩序でいらっしゃる雲雀様は春休みに関わらず仕事に追われてらっしゃるので、俺も何か出来ることはないかといつもなら絶対にしないであろう早起きをして、応接室に向かった。
が。
「あぁ、綱吉。丁度よかった。今書類が片付いたところなんだ。お茶、飲んでいかない??」
……遅かった。
***
コポコポ、とポットから小気味いい音がする。
二人分のティーカップに紅茶を注ぎながら、おれは広がった紅茶の香りをかぐ。
さっき仕事を手伝えなかったからこれくらいはやっておきたいし、雲雀さんは俺の煎れた紅茶は特別おいしいといってくれるから苦ではない。
それにおかげで紅茶の名前も少しずつ覚えられるようにもなってきた。
この香りはおそらくアール・グレイだろう。茶葉の入った箱を調べる。
アッサムティーだった。
…今のは忘れることにしよう。
「雲雀さーん、お待たせしました!」
気を取り直し、紅茶をテーブルの上に並べる。
「ありがとう」
雲雀さんがふわりと微笑む。
うわぁぁやっぱり今日もきれいだなあああ!!
「??…なにしてるの綱吉早く座りなよ」
そういって雲雀さんがたたいたのは雲雀さんのすぐ隣。まじですか。
「………って事なんだけど」
「へぇ、そうなんですか!!?」
「うん、だから今度行ってみようよ」
いつも通りの会話をしてお菓子に手を伸ばす。本日のお菓子は桜の練り切りだった。
ああそっかもう四月か。
あれじゃあ今日はエイプリルフールじゃん!
「…綱吉?」
会話が途中で途切れたのを不思議に感じたのか声をかけられた。
「え・・あ、すいませんっ、えっと、あの」
……どういう嘘をつこう。
いや別に嘘をつかなきゃいけない日というわけじゃないけどなんとなくやっとかないと、な気分になる。
それにしても全然思いつかない!!
ああもう何でもいいや!
「あの、ひばりさん!!」
「?」
「えとですね、今まで隠していたんですが実は、
世界は俺を中心に回ってたんです!!」
なんだそりゃぁぁぁ自分でいったことだけど!!!
「………綱吉…」
あ、雲雀さんの視線が痛いっちょっと哀れみを含んでる!
絶対 無理しなくていいのに っていってる!
畜生エイプリルフールの馬鹿!!(八つ当たり)
「全く、嘘をつくならもうちょっと文章をまともにしようね」
うう・・・それ以上傷をえぐらないでください。
ため息をつきながら優雅に紅茶を飲む雲雀さんを横目にみる。
ああ、そうだよなぁ・・・
「どっちかといえば雲雀さん中心ですもんね」
言ってその正しさを理解する。本当にその通りだ。
「いやそんなわけないじゃない馬鹿じゃない」
「あっさり言われた!?」
その通りだと思った傍からそれはきついです。
「世界は僕が回してるんだよ」
「あっさり言いやがった!?」
「だからね、」
雲雀さんにあごを無理やりつかまれ、目の焦点を合わせられる。
きれいな黒色をした瞳の中に、事態がわからず間抜けな顔をした俺が写っていた。
「君に振り回されるなんてこと、本来ならあっちゃいけないことなんだよ?」
そういって近づいてくる顔に、おれはゆっくり目を閉じた。もう黒色の目もその中の間抜け面も見えない。
「本当にどうしてくれるんだろうね」
唇が触れた。触れた部分は熱くて、きっと俺の顔も熱いのだろう。
同時に、どうしようもなく理解した。
俺の考えは間違っていたんだと。
世界は雲雀さんが回していたんだと。
だってほら、何気なくいった言葉1つに。
こんなにもかき回されてる。
世界は回る。
(俺の心とおなじように。)
****あとぎ***
久しぶりの1827ですいやっほい!!下書きもせずにかいたから分がめちゃくちゃなことになっているけれどとりあえずかけてよかった。というかひさしぶりすぎて二人のキャラがおかしなことになってるんじゃないかと藍桜はガタガタしてます。ひいい!
互いに、振り回されてるって思っているけど自分も大分振り回してた1827が好きです。
三度の飯くらい好きです。衣食住に含まれてます。
・・・・・・あれ、今日まだ春休みですよね、ね?(聞くな)