※PD設定です。
私は箱庭の鳥
貴方と対の鳥
私の想いは貴方の想い
貴方の想いは私の想い
そんなことあるはずがありません。
私が貴方に対する気持ちは貴方が思っている以上に
────強いものなのですから……
【 e le primavera viene 】
「やぁ白梟。元気だったかな?」
「黒鷹……」
急に現れた対の鳥
──畏怖の象徴である黒い鷹──
「何の用です?」
「冷たいねぇ……毎回そんな態度だと
さすがの私でも傷つくよ。」
「何の用も無いのに来るからです。」
「用がなきゃ来ちゃいけないのかい?」
「…それは……」
そんなこと無い。寧ろその逆。
来てほしい・・
それでも冷たい態度をしなくては保っていられない。
この溢れる想いを抑えるには……
「解ったよ。私は帰る。邪魔したね・・白梟。」
あぁ……止めて
そんな悲しい顔をしないで!
そんな困った顔をしないで!
そんな顔を私に見せないで!
貴方の笑った顔が好きなの!
だから・・・・・
そんな顔しないで………!!
「ふっ……うぅっ……」
「!?どうしたんだい白梟?何を急に泣き出したんだ?」
「………な………ぃで……」
「ん?」
「行かないで!!」
「白…梟……?」
あぁ・・私は何を言っているのでしょう
「私の側に居て!私と一緒に居て!私だけを見て!
何処にも行かないで!…離れたくない…」
私の想いはこれほどのまで育っていた。
それに気づかずにいた・・・
いや
気づいていない振りをしていた・・・
けれどもう無理。こんなの耐えられない。
「解ったよ。何処にも行かない。貴方の側に居よう。
約束するよ……白梟……」
「黒鷹?」
名前を言うが早いか貴方は力強く抱き締めてくれる
「玄冬に言わなくてはね。私は彩に移住すると、ね?
ちびっこは嫌がるだろうなぁ…
そうだ!玄冬も一緒に来てしまえば良いじゃないか!
ナイスアイデアだ!ハハハッ」
黒鷹が私と一緒に居てくれる。
「黒鷹……では、約束しなさい。
その1。私の前では私以外の名前を言わないこと。
まぁ…話の流れで言わなくてはいけないときは
見逃しましょう。
その2。私から絶対に離れないこと。
…その位、貴方でも出来ますよね?」
それは小さくて幼い独占欲。
小さくともそれは立派なココロ。
「勿論だよ。……じゃあ待っていてくれたまえ。
用意をして明日には貴方の下に行くさ。」
「えぇ。待っています。」
「じゃあ……とぅ!」
最後がなければまだ格好良かったのに…
まぁそこも貴方らしい。
さて、黒鷹と玄冬用の戸籍を用意して、
それから花白に黒鷹と玄冬がこの彩城に
暮らすことを伝えなくては…
あぁ…明日が楽しみです…
【そして春が訪れる】
(主よ…私は今、彼らに負けず劣らず幸せです。)
後書き。
花帰葬の鷹梟小説です。
白梟のキャラ崩壊度&乙女度が素晴らしい!
本編じゃ絶対ありえない!(←残念だ)
私的に鷹は左で、梟は右に位置づけられてます。
書いてて楽しかったです。
タイトルはイタリア語です。
訳は…まぁ何となく解りますよね?
後書きも長くなりそうなので強制終了します。
ここまで読んでくれた方有り難うございます!
良かったらまた読んでくださいね?
2009.05.25.志花久遠.
最終更新:2009年11月02日 14:38