※ミュ氷帝戦のときのカーテンコールの話です。 





 「ちょっと!国光さんの眼鏡返してよ!」

 国光に抱きつきながら跡部に向かって言うリョーマ。

 「あーん?別にお前の眼鏡じゃねぇだろ!」

 「俺が嫌なんだよ!アンタの汗が付いてるのは嫌なの!」

 こんなことを言いつつちゃっかり手を握っている手塚とリョーマ。
 ほかの部員は呆れてベンチに戻っていった…

 「景ちゃん!こんなムッツリな眼鏡借りんでも
 俺のがあるやないの…」

 おろおろする忍足の言葉は跡部には聞こえないようだ。

 「…今誰か俺のことをムッツリとか言わなかったか?」
 「え?言った?聞こえなかったけど…」

 だれにも聞こえていなかったらしい…

 「とにかく!返してよ!」

 リョーマが相手を睨み、言った。

 「ふん!おらよ!」

 と、言いながら眼鏡を投げる。

 「……(眼鏡を投げるなよ!)」

 「おら!行くぞ忍足!」
 「はいよ…」

 スタスタと歩く跡部の後ろをトボトボと歩く忍足は切なかったとか…

 「ねぇ、国光さん。眼鏡かけてあげる!屈んで!」
 「え?…あぁ。たのむ。」

 スッとリョーマの腕が伸びて眼鏡が耳にかかった瞬間…




 ちゅっ…




 「はい!できたよ!」

 俯きながら言うリョーマの耳は桜色に染まっていた。




 【眼鏡】
 (最後は理由が欲しかっただけ…)






 塚リョと忍跡
 2009.08.10.志花久遠.




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最終更新:2010年02月03日 16:30