「ねぇ。越前は手塚のどこが好き?」

 それは不二先輩から唐突に言われた疑問。

 「どこがって…全てとしか…いきなりなんですか?」

 「うーん。全てかぁ…じゃあ一つだけ挙げるとしたら?」

 俺の質問は無視ですか?

 「別に無視してるわけじゃないよ。」

 だなんて笑顔で言われても…てか、何で思ってることが解ったのだろう?
 本当は黒魔術とか使えるんじゃないのかな。

 「ね!どこ?」

 「…性格、かな?」

 「へー。どうしてそれを?」

 「…何だかんだ言って、かなり優しいんスよ。甘えさせてくれるし。
 みんな怖いとか言ってるけど俺はそんな事ないと思うんスよね…」

 「へー。愛してるねぇ」

 うん。それは本音。本当に好き。
 他にも良いとこいっぱい有るけど一つって言われたしね!

 「不二先輩は?乾先輩の好きなとこって何?」

 「んー…」

 それから不二先輩はずっと唸っていた。

 「……無いんすか?」

 「それは無いけど、いっぱい有り過ぎて解らないや。
 でも解らないからって乾が嫌いなわけじゃないんだよ。」

 やっぱそう来たか。

 「ほらね。やっぱ一つに絞るなんて出来やしないんスよ。
 相手のことが、それほど好きだから。」

 「それもそうだね。」

 そういって不二先輩はふわりと笑った。



 【それは何かと聞かれること。】
 (手塚…)
 (なんだ…)
 (入りにくいな。)
 (……あぁ)



 バカップル!
 2009.11.02.志花久遠.


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最終更新:2010年02月03日 16:34