「それでは…みんな、用意はぃ…」
「「「「「おっけー」」」」」
「……準備周到だな。まぁ、そっちの方がありがたいが…」
[チアキ達6人は風呂場へ、俺やカナ姉、ハルカさんは洗い物]

 “ジャー…ジャバジャバ…”
「晩ごはん大好評だったねハルカ」
「ホント、作ったかいがあった」
『ハルカさんの作るものは何でも美味しいですよ!』
「あら‥ふふっ…嬉しいわぁ」
「こら、あんまり褒めるな。調子に乗るぞ?」
『いやいやカナ姉、アンタじゃあるまいし…』
「そうそう」
「…お前達は二人して私をコケにしてるのか? 終いにゃ泣くぞ」
「ごめんごめん。冗談だから‥ね?」
「まったく……あ!」
「!? 何? カナ、どうしたの?」
「朝ごはんも9人分か…お泊まりだし」
………あれ? 9人?
「そっか‥明日も大変だね」
 まさか……な?
『……ちょっと質問良い?』
「何? マコちゃん」
『お…わ、私も今日泊まるの?』
「え…泊まらないの?」
「そんなの親に電話すりゃ良いだろ? ほら、して来い」
『う…うん』
帰るのもめんどいし…泊まるか、今日は。よし!
 [電話の所へ駆け出す俺]
「まあ‥とりあえず、ハルカのもてなしはs……」
…レェーッツ! テレフォンターーイム!!



『あ‥もしもし、母さん? うん‥今、南の家。今日泊まってって良い?』
「…よけいなことじゃないよ!! もてなしだよ!!」
カナ姉うるせぇ…声が聞こえないよ。え? …………い、良いの?
『う‥うん! 分かった! は~い、は~い♪』
“ピッ…カチャッ…”
…女子8人と俺一人か。これは生まれて初めての体験だぁ!! なんか意識しちゃうな…。
「マコちゃんも牛乳飲む?」
『あ…はい!!』

~リビングにて~
「はい、これね」
“…コトン”
『あっ‥は、ハルカさんどうも…』
「どう致しまして。はい、これはカナの分」
「…にしても、あいつら6人でフロ入ってんの? そんな大浴場‥うちにあったか?」
「浴槽は‥無理すれば3人くらい入れる大きさだよね」
『でも、めっちゃ無理しなきゃ‥』
「そうだね…もう少しのんびり入れるおフロ場欲しいよね」
『ゆっくり足を伸ばして入れるような?』
「そうそう。だれが一番風呂か競争して」
『あ~~…楽しそう』
「でしょう?」
「…大きさ欲しい競争?」
『「ん?」』
「大きさ競争…大きさ欲しい……」
‥つ、ついにカナ姉…壊れたか?
「…ひらめいた!!」
『「わぁっ!?」』
「私のもてなしは、この牛乳だ!!」
‥な…なぜ!?



「やつらはこの牛乳を、ありがたく飲むことだろう!」
‥だから、なぜ!?
「ハルカ、マコちゃん、もてなしとはなんだ?」
‥え?
「心にくい気配りだ!!」
早っ!? カナ姉早いよ!
「考える暇を与えない……」
「私の心にくい気配りに、上手いことやつらを誘導しないと!!」
『…私たちは置いてきぼりですかね、ハルカさん?』
「‥みたい」
「そのためにも‥フロ場をたきつけてくる」
…どういうこった?
「…? おフロはたいてあるじゃない」
「いいからいいから。あっ…そうだ! マコちゃんも来な」
『え? あ…はい』
“トテトテ…”

~お風呂場~
『なぁ‥カナ姉、何で俺も?』
「まぁ‥これも、いわゆるもてなしだ。お前も一応、お客さまだからな」
『なるほど!』
カナ姉…すげぇ! 俺のことまでシッカリもてなすなんて!!
「さぁ‥ついたぞ。心の準備はいいな?」
『…何の?』
“ガチャ…”
……!!?
「あちゃー‥脱ぎっ放しかぁ…。マコちゃんには少々刺激的過ぎたかな?」
…し、刺激的とかそんなんレベルじゃねぇよ!! 困るだろ目のやり場に!!
「まったく…いったい誰のパンツだい、これは?」
…だ・か・ら!!
「…なんだい? そんなに顔を赤くしてから」



『あ‥赤くなんかないよ!』
「そうかそうか‥お前もやっぱ男の子だな。余りに予想通りの反応で、私は嬉しいよ」
『ひどいや…』
そうだよ! こんな格好してるけど、俺だって男だよ!!
 そりゃいきなり‥し、下着とか見たらこんな反応するに決まってるよ!!
 だ‥誰のかは知らないけどさ!! き…気にしてないぞ!?
「さて……私はこんな事をするためだけにここへ来た訳じゃないんだ」
なっ…何だよそれ!! …落ち着け! 落ち着くんだ!! 俺に焦りは似合わないぜ!
「えっと……あった! これで良し‥っと」
……ふぅ…ん? 石けんだ。何に使うんだろ?
 「おーい、新しい石けん使いな~」
“ガチャ…”
「「「わっ!」」」
「「ひゃっ!」」
「‥いきなり開けるんじゃないよ、バカ野郎」
「まあまあ………おっ? お前なかなか…」
 ?? な、何がなかなかなのさ!?
「わぁ‥カナちゃんエッチ~」
「見るなぁ~!」
「やらしいおじさんがいるよ!!」
「へっへっへっ…」
「このスケベ! よ~し‥トウマ、水かけちゃえ!」
 「おう!」
“ぱしゃっ‥ぱしゃっ…”
「わ‥こら、止めろ!」
ど‥どきどきが止まらないや! 体が熱い、すごく熱いよ!!
 なんかノドもヒリヒリしてるし…何か変だ、俺!

最終更新:2008年02月15日 22:49