「ふッ………………。」
カナさんは突然手を伸ばし、そこにあったペン立てから、1本のマジックを取り出す。
それは丸いキャップの、どこにでもありそうな太い黒の油性マジックだ。
おや、と思っている間に、カナさんは、手にしたマジックを自分の脚の間へと導いて
いく。その先端が、スジの上でぴたりと止まる。
「(え………………!?)」
そして。マジックのキャップが、スジの上を何度か往復した………その、後。
「んんっ………ッ!」
「(わッ………!!)」
カナさんがきつく眼を閉じるのと同時に、ぴたりと閉じていたスジを緩やかに押し開き
………その先端が、くちゃり、とカナさんの中に呑み込まれていった。
「あ………ッ………。」
全体の半分ほどがずぶずぶと呑み込まれた後、カナさんは少しの間、惚けたような表情
で自分からは見えないはずのその部分をぼんやりと見つめていた。
「(すご………は、入って………!?)」
ほんの少しの静寂の後。侵入したマジックがまた、くちゃり、と音を立てて動き出す。
初めは、ただ真っ直ぐに抜き差しするように。次に、スジの内側を上下に擦るように。
さらに、角度をつけて、トロトロと溢れ出す液体を掻き出すように。
「あ、やンッ………ん、ぅ………!」
やがて、マジックの隣に、カナさん自身の指が1本挿入される。スジが更に押し広げら
れて、隙間から更にたくさんの液体が溢れ出して来る。増えた指がより深く、大胆に
内側を抉り、さらにマジックを円を描くように動かして中を掻き回す。水音が大きく
なる。マジックと指がスジを目一杯まで押し開くと、その奥のピンク色が姿を覗かせた。
「ん、ッう、あン………や、ぁ………。」
流れ出す液体が、スジと、マジックと、手と太腿とお尻をシーツを容赦なく汚していく。
てらてらと光を反射している様子が、妙に興奮を煽る。
カナさんは硬いマジックと柔らかい指とを使って、自分のアソコをぐちゃぐちゃにこね
回すように弄り続ける。
「はッ、ふぁッ、に、ゃぁンッ、んぅっ………ッッ!!」
「(っ、は………はぁッ………!!)」
カナさんが高まっていくにつれて、オレの息もどんどん荒くなってくる。つい、自分が
こっそりそれを覗いているのだということを、忘れそうになる。そうして何もかもが
どうでも良くなってくる程、眼の前の光景は魅力的で、どうしようもなく刺激的だった。
「やぁ、ッ………んっ!」
カナさんが、おもむろに体勢を変える。その場でごろり、と180度身体を回転させて、
仰向けからうつ伏せになる。そのままカナさんは膝を立てて、まるで猫が伸びをするとき
のように腰を突き上げて、最高に敏感になったアソコと、お尻の穴までもを、オレの
眼の前に曝け出した。
「ん、んんッ!ひゃ、いや、ぁっ………!!」
「(はっ………ナ、さん………!!)」
甲高くて、気がおかしくなりそうな程可愛らしい声のボリュームが上がっていく。
顔はベッドに突っ伏したまま、全身をわななかせながら腰だけを突き上げて、片手で
限界まで開いたピンク色のアソコに、マジックを必死で抜き差しさせる。角度をつけて、
内側の壁をぐりぐりと刺激し、さらに外側、スジの途切れた所にある1番敏感な部分を
弄るのも忘れない。
何かに弾かれるように、綺麗なお尻が何度も跳ね上がる。太腿は溢れた液体でビショ
ビショになって、それでも余った物がマジックを伝ってシーツに滴り落ちる。
「(カナ、さん………ッ………!!)」
頭が、勝手にその名前を呼ぶ。眼の前で繰り広げられている光景のこと以外は、もう、
何も考えることが出来なかった。
「や、あ、んん………も、もうッ………!!」
カナさんの声に籠る熱が最高潮に達して、マジックの動きがラストスパートを掛ける
かのように加速していく。
そして、次の瞬間。
「う、ぁ………~~~~~~~~~ッッッ!!!」
声にならない声を、上げながら。カナさんが、その身体をビクビクと引き攣らせた。
背筋が伸び、腕が硬直し、爪先がピンと伸びたまま震える。
しばらくその姿で固まった後、カナさんはやがて、糸が切れた人形のように、くたり、
とベッドの上で崩れ落ちた。
「は、あ………ん………v」
「(………………。)」
恍惚の表情を浮かべながら、カナさんはぐったりとベッドに突っ伏している。ときどき
余韻のように、その身体がピクピクと弱々しく震えた。
「(………………っ。)」
事が終わり、無防備な姿でへたり込むカナさんの姿に。
オレは………体の内側から、何か、熱いものが込み上げてくるのを感じた。
が、次の瞬間。
『ガチャッ』
「ッッッ!!?」
リビングのドアが、音を立てる。
オレは自分でも驚くほどのスピードで、しかもほとんど足音を立てないまま、一気に
ドアから飛び退く。一瞬の間を置いて、ドアの向こうから、マコトが顔を覗かせた。
「あ、居た居た。なかなか戻って来ないから、どうしたのかと思った。」
「え、あ、うん………ご、ゴメン、ちょっと、ね。」
「なんだ、腹でも壊したか?」
「いや、別に………大丈夫。」
何も知らない様子のマコトに向かって、オレは引き攣った笑みを浮かべる。マコトの
後ろで、南が『それじゃまるで、ウチが悪い物でも出したみたいじゃないか。』とか
なんとか言っているのが聞こえた。
「ホント、大丈夫だから。」
「よし、じゃぁ続きだ。頼んだぞ、オレの宿題の為に!」
そう言った後ろから何かが投げつけられ、マコトの後頭部にぶつかる。マコトは、
おそらく南に向かって何かを言いながら、リビングへと戻って行った。
誰も居なくなった廊下で、オレは胸を撫で下ろす。
「(危なかった………も、戻ろう………。)」
何故か忍び足になりながら、カナさんの部屋のドアの前を通り過ぎる。
通り過ぎながらオレは、まだ隙間の開いているドアを横目でちらりと確認したが、歩き
ながらでは、その向こうに何が見えるのかは解からなかった。
「は、ぁ………………。」
………………。
「………………。」
………………なんだ。もう、行っちゃったのか。
「ふぅ………ふぃー………。」
荒くなった息を整えるように、私はゆっくりと何度か深呼吸をする。
「(アレで気付かれて無いと思ってるんだから、可愛いじゃないか。)」
快感の余韻で、まだ身体に力が入らない。まだ、ときどきピクピクと震えの来る身体を
ベッドに横たえたまま、私は、ぼんやりと今の行為について考えを巡らせていた。
「(しかし、まぁ………。)」
最初はマセた小学生、シュウイチといっただろうか、あいつをちょっとからかってやる
くらいのつもりだったのに。何がなんだか解からないうちに、ついつい盛り上がって、
結局、自分を慰めてる所までお披露目してしまった。
しかし………独りきりでやるより、なんだか、随分気持ち良かった気がする。
「(なかなか………悪く、ないかも知れないね。)」
にへら、と口元が少しだけ緩む。
「(………って、それじゃまるで痴女だよ。)」
いや、まるで、というか痴女そのものでしかない気がしてくる。いかんいかん、と頭を
振って、私は浮かびかけたアブない考えを振り払う。
が。また、すぐに同じ考えが浮かんでしまう。今度は、抵抗する気も起こらない。
「(………藤岡来たときにでも、また、どうにかして試してみるかな………。)」
そう考えると、絶頂を越えたはずの身体が、またじんわりと熱くなって来るような気が
した。ああ、もうダメだ、どうやら完全にハマり掛けてるらしい。
心の中でかなり危険な計画を立てながら、私は一人でほくそ笑んでいた。
やがて、身体中に広がった倦怠感が薄れてくる。
私は汚れた下着を脱いで、シーツを畳んで、身体を拭いて、着替えを済ませる。
「(じゃ、まぁ今日のところは………。)」
心の中でもう1つ、危険な計画を立てながら。
「(シュウイチクンの反応でも見て、楽しむとしようかね。)」
私は部屋を出て、チアキ達の集まるリビングへと向かった。
最終更新:2008年02月19日 22:51