解説
- Client.exeのreloadを利用した切り替えは既にこちらやこちらで解説されているとおりですが、このタイプは切り替え時にかかる時間がクライアントの更新時間と同一であり、頻繁に更新しないのに切り替えはしたいという場合には使用リソースか切り替えにかかる時間のいずれかを犠牲にしなければならず、あまり効率的とは言えません。
しかしConfigRegionは一つのiniに切り替える情報をすべて記述し、必要に応じて情報の表示/非表示を切り替えるため、クライアントの描画速度に左右されず非常に効率的です。
反面見えていない部分も描画しているためini切り替え型に比べてPCのリソースを多めに消費するという短所もあります。テレビ欄をチャンネルごとに…といったような、切り替える情報が多すぎるような場合、一つのiniに切り替える情報すべてを表記する関係上描画範囲が広すぎて、逆に通常使用時に激しい負荷がかかります。状況に応じて二つを使い分けてください。
- 設定自体は理解してしまえば非常に単純なのですが、そこにたどり着くまでが比較的高難易度かと思われます。付属のサンプルを見てもどういう構造がよく分からず投げ出してしまう人も多いような気もするので、さらっと解説。
ConfigRegionをダウンロード/インストールする
- こちらのリンクからPluginPakの最新版を落として解凍し、pluginsフォルダにあるConfigRegion.dllをC:\Program files\Samurize\plugins\に移動させて下さい。以上です。
Samurizeと関係なく、Windowsは初期設定では.dllファイルが見えません。見当たらない場合フォルダオプションから全てのファイルを表示させるように設定を変更して下さい。
ConfigRegionを設定する
- 表示方法に関してはいくつか種類があるのですが、例としてここではスタックと呼ばれる切り替え型を使います。
まず、切り替えたい情報を一つのiniにすべて表示させます。既にreloadを利用するために複数のiniにわけてある方は、 Configエディタのメニュー「ファイル」内にある「構成ファイルの併合」を上手く使ってください。
配置制限は特にありません。以下に示す例では完全に切り替えるためにそれぞれの領域が被らないようになっていますが、被っていても動作します。
Stack_HAICHI.jpg
- 次に切り替える範囲それぞれをすべて含むようにメーターないし画像オブジェクトを配置します。いずれの場合も種類、色、透過度に制限はありません。既に背景を設置してあるならそれを使っても構いませんし、不可視の画像オブジェクト作っても構いません。上下関係も適当で結構です。
メーター名はそのままでも構いませんが、わかりやすいように適当に名前を変えた方がいいかと思います。ここでは簡単にBase1、Base2とでもしておきます(メーター名の変更を行う箇所が分からない方はConfigエディタの左側にずらっと並んでいるメーター名の中から該当のメーターを選んで右クリック→名前の変更で)。以降便宜上これらを「台座」と呼びます。台座のサイズは同一である必要はありませんが、切り替えは常に台座の左上の座標を基準に行われます。
Stack_HAICHI2.jpg
(台座の色は便宜上付けてあります。通常は無色透明で構いません。このまま台座を左下にずらして行き、既存のメーターがそれぞれの台座上に収まるように被せます)
- ソースプラグインとしてConfigRegionを追加します。「メーターの追加」→「プラグイン」で「ConfigRegion」を追加。「情報」タブに移動し、「実行する関数」で「SetStartingRegion」を指定、その後「設定」を押すと設定画面が出ます。ここで初期展開する情報のある台座の名前を求められますので、「Meter Name」にBase1と入力してください。
また、初期配置位置はこのBase1のある座標になります。
ちなみに設定画面はuziq氏作成の他のプラグインの例に漏れず日本語環境だと文字化けしますので、必要に応じて言語ファイルを英語に切り替えてください。
CR_Config.jpg
- 切り替え用のボタンを作ります。入力コントロールが作れれば何でも構わないので、Base1の台座の範囲内に適当にメーターを作成してください。
「入力」タブに移動し、「入力コントロール」にチェックを入れ、「追加」を押すと入力ウィザードが立ち上がります。「プラグイン」にチェックを入れ「次へ」、プルダウンメニューから「ConfigRegion.dll」を選択し「次へ」、「入力アクションの選択」を要求されるので適当なアクションにチェックを入れてください。ここでは左クリックにしておきます。アクションを選択すると右下の「プラグインの設定」のグレーアウトが解除されるので、クリックすると入力プラグインとしてのConfigRegionの設定画面が出てきます。クリックした際に表示させる台座の名前を要求されますので、「Meter Name」にBase2と入力します。Stackが選択されている箇所はそのままで構いませんので、OKを押します。入力ウィザードに戻るので、「完了」を押してウィザードを終了させてください。以上です。
必要ならばBase2の台座側にも同様の手段でメーターを追加し、要求される「Meter Name」でBase1を指定してください。
CR_Config2.jpg
- 作成したiniファイルを保存してClientに読み込ませ、先ほど設定したボタンを押下したとき意図したとおり動作するかどうか確認します。動作したら作業は終了です、お疲れ様でした。以降この応用でボタンと台座を増やしていけば(限界はありますが)いくらでも切り替える情報を増やすことが出来ます。
ボタンを押しても反応しない場合、こちらを参考にSamurize本体の設定を見直してみてください。
自動ローテーション
- いくつかの情報を指定したmsで自動で切り替えさせることが可能です。ソースプラグインとしてのConfigRegionのメーターを作成した際の「設定」画面で初期起動の台座名を入力する箇所がありましたが、そこでBase1|Base2|Base3...というように「|」で区切って複数の台座名を入力していくとその順番通りにローテーションします。「|」で区切った瞬間、何msで切り替えるかの設定項目のグレーアウトが解除されますので、任意の数値を入れてください。最大値は9999msの模様。
CR_Config4.jpg
スタック以外の表示について
- 切り替えではなく、ボタンを押すと指定した箇所に表示/非表示させるパネル型とでも言うべきタイプも作成できます。こちらでは表示の際に簡単なアニメーション効果を付加させることが可能です(過度の期待はしないでください)。作成方法はスタック型とほぼ同じで、入力プラグインとして設定する際に選択する項目を変えるだけです。
CR_Config3.jpg
- 「Show」は文字通りそのボタンを押すと指定した台座を持つ情報が表示されます。「Hide」はその逆で情報を非表示にします。最後の「Toggle」は表示時に押すと非表示に、非表示時に押すと表示にという感じで切り替わるボタンです。
- その下のAnimateはアニメーション設定です。スタック表示時には選択できない項目です。チェックを入れると以下のグレーアウトが解除されて設定可能になります。すぐ下にある四つのラジオボタンはアニメーションさせる方向を決めるものです。文字化けしてるような気がするのですが、上から順に、「下から上に表示」、「上から下に表示」、「右から左に表示」、「左から右に表示」となっています。
- 「Steps」は何段階にわけて表示させるか、です。数値が大きければ大きいほど滑らかに展開/格納します。最小値は0、最大値は128です。
- 「Pause Duration (ms)」はStep間の待ち時間を何ms取るかです。最小値は0、最大値は100です。値を大きくすると低速回線でプログレッシブjpgのエロ画像を見ているようなノスタルジックな気分が味わえます。
- 最後の「AutoReverse」ですが、例えば「上から下に表示」を選択している際にHideやToggleで閉じる際に「下から上に」閉じるようになる機能です。必要ならチェックを入れてください。解説は以上です。
補記
- ConfigRegionは現在マウスオーバーをトリガにすることは可能ですが、マウスアウトをトリガに設定することは出来ません。ConfigRegionの仕様上実装が難しいのだと思われます。実現すればかなり効率的な切り替えが出来そうなのですが残念です。
- Configエディタ上の台座を設定されていない領域は、どのような状況にあっても表示されることはありません(起動時に一瞬見えますが)。ですので、切り替えさせる範囲以外を含む場合は、設定ファイルから該当部分を分離させ、クライアントを複数起動させて別個に表示させてください。
最終更新:2010年11月16日 19:03