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ある雪の日、私は倒れてしまいました
原因は風邪、疲れすぎていたこととあまり体の強くなかったことがわざわいしたらしいです
京太郎「生姜入りのお茶です、どうぞ」
宥「ありがとう……んっんっ」ゴクゴク
宥「あったか~い」
京太郎「そうですか、それは良かったです」
京太郎「汗かいてるでしょうし、体拭きましょうか」
宥「ふえっ?」
宥「い、いいよそんなの、京ちゃんに悪いし……それに恥ずかしいし」カァァ
京太郎「そう言わずに、脱がしますよ」
彼は私の旦那さん、心のあったかい人
ちょっとえっちなところもあるけど、お父さんの後を継いでこの松実館の支配人さんになりました
玄ちゃんは私の代わりに女将さんになって、灼ちゃんは赤土先生とボーリングとか麻雀とかを遊ぶところを経営して、穏乃ちゃんは憧ちゃんと和菓子屋で一生懸命働いてます
私は玄ちゃんと違って体が弱くて、最近はお仕事もあまりできてません
京ちゃんとも最近はご無沙汰……これだと私の方がえっちですね
京太郎「これで終わりですね」
宥「京ちゃんありがとうね」
京太郎「このくらいどうってことないですって、それにしても、やっぱり白いですよね」
宥「えっ?な、何が?」
京太郎「宥さんの肌、とても白くて綺麗で」
宥「そ、そんなことないよ、玄ちゃんの体の方が綺麗だもん…………」
京太郎「なんでいつもそう謙虚なんですか、もっと胸張ってください」
京太郎「宥さんは世界で一番綺麗な人なんですから」
宥「一番…………あぅぅぅぅぅ」プシュー
ゴーンゴーン
京太郎「じゃあ俺戻らないとなんで、さっきのお茶はそこのポットに入ってますから、何かあったら呼んでくださいね」
宥「うん、行ってらっしゃい」ニコッ
京太郎「行ってきます!」
黒いシャツの上に羽織りを羽織って、京ちゃんはどたばたと出て行きました
私は何も知らないふりをして見送りました
わかりやすいです、京ちゃんも玄ちゃんも
でも私はなにも言えません、赤ちゃんの産めない私なんて京ちゃんにとっても、京ちゃんを好きな玄ちゃんにとっても邪魔だから
二人が幸せなら私はそれでいいです
「寒い……」
「寒いよ、京ちゃん」
「寒いよ、玄ちゃん」
さっきお茶を飲んだばかりなのに、お布団だってこんなに厚いのに
「寒いよぉ……」
私の悲しいつぶやきは、寒い部屋の中に消えていきました
【side-玄】
憩「宥さん、子ども産めへんみたいやで」
ある日、友達のお医者さんにそう言われました
お姉ちゃんは体が弱くて、子どもが産めないらしいのです
たしかに、今までにも何回かそんなちょうこうは見られました
赤ちゃんを身ごもっても二回中二回とも流産
お姉ちゃんも京太郎くんもたくさん泣いていました
私も今度こそ大丈夫だよ、と二人を励ましていましたが、こうして言われると諦めたくなってきます
このことはお姉ちゃんと京太郎くんにはまだ伝えていないです、そんなことをしたらお姉ちゃんが京太郎くんに嫌われてしまうかもしれないから
いつからか、二人はちょめちょめをしなくなりました。お姉ちゃんの体が原因だそうです
このままだとお姉ちゃんが捨てられちゃうんじゃないか、と思いました
だから、私は京太郎くんを……
初めは拒んでいた京太郎くんも、やがては積極的になりました
お姉ちゃんが休んでるときに二人で出かけたりするようになりました
お揃いのシャツを買ったりカメラを買ったりしました
私は京太郎くんが好きでした、でも彼が選んだのはお姉ちゃん
私は、諦められていなかったのかもしれません
ある雪の日、この日もまた私は彼と交わしました
偽りから真に移り変わってしまった愛を
私の歓びの叫びは、温かい彼の口に塞がれ、消えていきました
最終更新:2013年10月16日 14:01