アットウィキロゴ

第4話 臍フェチ京太郎と泉

.



 陽を遮る新緑、安らかにそよぐ風、人から見れば涼しげな制服を着ている私

 ある夏の、昔の、私


京太郎「こんなところにいたのか」

泉「たまには一人になりたいときがあるんです」

京太郎「へーじゃあ俺帰るな」

泉「どうしてそうなるんですか!?」

京太郎「いや、だって一人がいいんだろ?」

泉「京太郎は特別です……って何言わせるんですか!まったく!」カァァ

京太郎「じゃあ隣座るな」

泉「ど、どうぞ」

京太郎「ありがとさん……っと」


 彼は須賀京太郎

 私をいつも慰めてくれる人

 私をいつも救ってくれる人

 私をいつも励ましてくれる人

 私といつも一緒にいてくれる人

 私の親友

 私の……好きな人


京太郎「そういえば、今年もそれ着てるんだな」

泉「この制服のことですか?」

京太郎「そうそう、いつも寒くないのか?」

泉「元々暑がりでしたし、女子高生になったら大胆にしてみよ思とったんで、まあ」

京太郎「それを三年間も着続けてるってのもな」

泉「一年中半袖着てる人みたいですよね」

京太郎「たしかにそんな感じだな……」


 小学校や中学校でいたな、あまり友だちいなさそうだったけど

 …………あれ、私に友だちがいないのってひょっとして……いやいや、この服かっこいいから大丈夫、うん


泉「……でも、もう三年生ですか」

京太郎「二年のときに急に三箇牧が廃校になって千里山が共学になって転校して」

泉「二年のときは咏ちゃんたちと全国行きましたね」

京太郎「今年の全国はどうなることやら」

泉「心配ですよね……私が部長でいいのかどうか」

京太郎「あーいや、それに関しては保証しておく、泉なら大丈夫だ」

京太郎「咏なんかに任せたらどうなるかわかったもんじゃないからな」

京太郎「だから自信持ってくれよな」

泉「ふふっ、おおきに」ニコッ

京太郎「まあ……どうってことねえよ」


 ずっと私の顔を見ていた目がそれる

 思わず私も目線を膝の上へ移す

 彼に私の赤い顔が見えないようにしてしまう

 こうしていると、また想ってしまう

 ……あのときは諦めたけど、やっぱり


泉「……好き」ボソッ

京太郎「ん?なんか言ったか?」

泉「い、いえ!何も!」

京太郎「そうか……あ、もうすぐ部活だな」

京太郎「それでは行きましょうか、お姫様」スッ

泉「まったく、京太郎ってば」ガタッ


 そうして、彼の手を取って立ち上がろうとしたそのとき――――


泉「わわっ!」ズルッ


 足がもつれて転んだ私が倒れ込んだのは――――


チュッ


 あれ?
 

京太郎「…………」

泉「…………」


 今の唇の感触……これは、そういうこと?


京太郎「す、すまん!先行ってるな!」タッタッ

泉「は、はい……」


 呆然と立ちすくみ……へたりこむ

 私の初めてが……たしかに彼に奪われるのが本望やったけど、まさか、こんな形で……


泉「はぁ……」


 人差し指を唇に当ててみる、ほんのりとした温もりは、やがて顔中に広がっていった







京太郎「仕返しだ!」

泉「……は?」

京太郎「俺は泉に初めてを奪われた!だから仕返しをする!」


 私は奪われたものだと思っとったんやけど……


泉「……って、わかりましたから!静かにしてください!」

京太郎「ん?今わかったって言ったよね?」

泉「いっ!……言ってしまいました…………」

泉「それで、何をすればいいんですか?」

京太郎「キス!」

泉「さっきやったやないで……え?」

泉「今、キスって……」


 つまり、今度は恋人みたいにってこと……


京太郎「そう!泉のヘソに!」

泉「……は!?」


 んなわけないか


泉「お、おへそ、ですか?」

京太郎「実はな……俺、臍が好きなんだ」

泉「な、なぜ……?」

京太郎「長くなるけどいいか?」

泉「やめておきます」


 言いたくてたまらないような顔、本当に好きなんやろう


泉「ふふっ」

京太郎「で、いいのか?」

泉「え?」

京太郎「一応同意はほしいんだ、じゃないと愉しむに愉しめないし」


 彼には散々振り回されていた、私もそれなりに彼を振り回していた

 せやったら、このくらい……


泉「私たちの間に、遠慮とかそんなもの必要ないですよ」

泉「せやから……」ススッ

泉「…………どうぞ」カァァ


 ……大丈夫じゃないですね、これ


京太郎「んじゃ……」チュウ

泉「んっ……」

京太郎「はぁ…………はぁ……」

息荒すぎやしないですかね!?

京太郎「いぃ……」レロッ

泉「ひゃぅ!」

泉「な、舐めないでぇ……っ!」

京太郎「あぁっ……あぁ!」レロレロ

泉「ゃっ……ぁっ……」


 気持ち良くて、気持ちよくて

 何も、考えられなくなって

 とけそうになって、がまんできなくなって


京太郎「はぁっ、はぁっ」レロレロ
 

 きもちよくて、きもちよくて


泉「んっ、あっ、…………んんっ!」





 思えば、このときからすでに始まっていたのかもしれない


 私と、彼の関係が――――





――――夢は覚める――――

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2013年10月12日 23:37