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雅枝さんに絹との縁談を持ちかけられる京太郎

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 ある日、お母さんがこんなことを言い出した


雅枝「なあ、絹って今好きな男とかおるん?」

絹恵「男の子?いや、いないなぁ」

雅枝「そうか、じゃああの男の子とはもう別れたん?」

絹恵「別れるも何も、付き合ってすらないって」

雅枝「ふーん、じゃあ明日少し一緒に出かけへん?」

絹恵「別にええけど、どこに行くん?」

雅枝「絹に会わせたい男がおるんや、ま、要はお見合いやな」

絹恵「お見合い!?」

絹恵「ど、どうして?」

雅枝「私が絹とあの子が合う思たから、やな」

絹恵「どんな理由やねん、わけわからん」

雅枝「せやから絹、明日はちゃんとした服着ろよ!」

絹恵「えぇぇぇ~そんな……相手はどんな人なん?」

雅枝「そりゃあ、会ってからのお楽しみやな」

絹恵「なんやそれ」

雅枝「まあ、楽しみにしときや」

絹恵「はぁ……」

洋榎「ハンバーグおいし~」



 その夜、夢を見た

 5年も前の、だけれど私にとってはとっても大事な思い出の夢を。



パシーン パシーン

「私も、お姉ちゃんみたいになるんや、サッカー上手くなるんや!」

「えい!」パシーン

ポカッ

「いってー、なんでボールが飛んで来るんだよぉ」

「す、すみません!大丈夫やった?」

「ま、まあ大丈夫だぜ!男だからな!」ヒリヒリ

「そうか……ほんまにごめんな」ナデナデ

「だーっ!大丈夫だっつってんだろ!ところでお前、何してるんだよ、こんなちっちゃい公園で」

「へ、見てわからんか?どっからどうみてもサッカーの特訓中やろ」

「サッカー?でもお前、あんまし上手くなさそうじゃん」

「そ、その通りやけど、これでも結構頑張ってるんやで!」

「自分で『頑張ってる』なんて言うやつの努力は当てになんねえんだよ」

「な!」

「お前、上手くなりたいんだろ?なら、俺が手伝ってやろうか?」

「え、ほんまに?ええの?」

「おうよ!俺はサッカー上手いんだぜ、長野のペレとは俺のことなんだぜ!」

「そ、それは頼もしいな」アハハ

「あー!お前信じてないだろ!」

「まあいいや、お見せしよう!王者の蹴り筋を!」


「夕方かー、そろそろ集合時間だなー」

「集合時間?」

「おう!大阪・京都2泊3日の修学旅行中だぜ!」

「え……そ、それじゃあ、もう遊べないん?」

「そうなるけど、うーん……」

「まあ、またいつか会えるだろ!」

「ところでお前、名前は?」

「愛宕絹恵や、君は?」

「そうか、キヌエか。俺は須賀京太郎っていうんだ」

「あ、もう行くわ、じゃあな、キヌエ」

「ちょっ、ちょっと待って!」

「ん、どうした?」

「ペンと紙、貸してくれるか?」

「別にいいけど……ほらよっと」

「ありがと…」カキカキ

「よし!」

「こ、これウチの電話番号やから!家に帰ったら電話してな!」

「ふーん……おう、ソッコーでかけてやるぜ!それじゃあもう本当に行くな!」

「今日はおおきに。じゃあね、京太郎!」

「じゃあな、キヌエ!」







京太郎「今日のノルマ終わりーっと」ノビーッ

京太郎「もう寝るか」

ヴッーヴッー

京太郎「電話か、誰からだろう」

京太郎「はい、須賀ですが」

雅枝『須賀、明日暇か?』

京太郎「ああ、愛宕監督でしたか」

京太郎「まあ土曜日ですし、暇ですけど」

雅枝『じゃあ明日石戸の家に来い、じゃあな』ガチャ

京太郎「どういうことですか?って」

京太郎「もう切れてる……」

京太郎「とりあえず、行ってみるか」

京太郎「さあ寝よ寝よ」




――――石戸宅

京太郎「お邪魔しまーす」

郁乃「邪魔するなら帰ってや~」

京太郎「じゃあそうさせていただきますね」

雅枝「須賀来よったか、こっちだ」

京太郎「はーい」



雅枝「……なあ須賀、お前今好きな女の子とかおるか?」

京太郎「いませんけど……なぜ?」

雅枝「そうか、ならよろしく」

京太郎「よろしくって、大体今日は何を」

雅枝「お前に会わせたい子がおるんや」

雅枝「いわゆる、お見合いってやつやな」

京太郎「お見合い?誰とですか?」

雅枝「ウチの下の娘とや、さ、着いたで」

ガララ

京太郎「娘さんって、あそこに座ってる人ですか?」

雅枝「せや、絹恵いうんや、ほら入った入った!」ゲシッ

京太郎「うわわっ」

雅枝「ほなごゆっくりー」

京太郎「ちょっ、ちょっと待ってくださいよ!」

ガララ ピシャ

京太郎「嘘だろ……」



――――隣室

憩「は?」

照「ひ?」

咏「ふ?」

憩照咏エイ(((((何この展開)))))

憩「郁乃ちゃんから面白いから来てみいや~って言われて来てみたけど……」

照「なんで、京がお見合いをしているんだ……」

エイスリン「イクノ、ナニミテルノ?」

郁乃「これはな~あの部屋に置いておいた隠しカメラの映像なんやで~」

良子「私がやりました!」ビシッ

咏「お~流石は元傭兵だねぃ」

良子「ノーウェイ、傭兵は関係ないだろう」



京太郎「痛た、あ、すみません」

絹恵「な……」

絹恵(この子……似とる……あの子に)

絹恵「それで、えーっと君の…名前は?」

京太郎「あ、俺、須賀京太郎っていいます」

絹恵「ふーん、須賀京太郎くんかーなるほどなるほ……は!?」

京太郎「え!?」ビクッ

絹恵(ほ、ホンマにマジモンの京太郎なんかいな……)

京太郎「えーと、絹恵さんでしたっけ?」

京太郎「初めまして、今日はよろしくお願いします」

絹恵「え……」

絹恵(どうして…覚えて、ないん?)

京太郎「?」

京太郎「さっきからどうかしましたか?」

絹恵「え、な、何が?」

京太郎「急に驚いたり、なんかポカーンとしていたり」

京太郎「やっぱり絹恵さんも愛宕監督に無理矢理連れて来られたんですか?」

絹恵(京太郎……どうしよ、話してみようかな、でもあっちは憶えとらんみたいやし……)

絹恵(なら私も知らんふりしよか)

絹恵「あー、いや何でもないで、まあ確かに無理矢理やったな」

絹恵「あんなお母さんでごめんな、迷惑やろ?」

京太郎「そんなことはないですね、周りにもっと面倒くさい人がいるんで」

京太郎「それに、そのおかげでこうして絹恵さんみたいな綺麗な方と出会えたわけですし」

絹恵「き、綺麗て……」



照「面倒くさい人って誰なんだろうね」

憩「え……じゃあみんなで一斉に指差してみよか」

照「うん、そうしよう」

「「「「「せーの!」」」」」ビシッ

照「え、私!?」

郁乃「なんで私まで指さされとるん~?」



絹恵「ま、まあこうしてお互い連れて来られたんだし、気楽にいこうや」

京太郎「はい、そうですね」

京太郎「じゃあこれはお見合いごっこってことにしましょうか」

絹恵「せやね」



良子「なんだ、ごっこ遊びか……はぁ」

郁乃「ねえねえ、なんで私が面倒くさいん~?」

照「ねえねえどうして?」

憩「うるさいわ、話が聞こえへんやろ」



絹恵「最初は質問タイムやな」

京太郎「そうですね、まずはオーソドックスな質問からしましょうか」

京太郎「絹恵さんのご趣味は?」

絹恵「麻雀とサッカーやな、サッカーは中学までやっとったんやけど姫松に入ってからは麻雀一筋や」

京太郎「なぜ麻雀を?」

絹恵「お母さんとお姉ちゃんが麻雀やっててな、それに憧れて始めたんや」

絹恵「須賀くんの趣味は……麻雀やな」

京太郎「え、どうしてわかったんですか?」

絹恵「そりゃあお母さんの知り合いには麻雀やっとる人しかおらんからな」

京太郎「それもそうですね」



エイスリン「イイフンイキダネ!」

咏「どうしてあんな大きくなるんかなー、わっかんねー全てがわっかんねー」

郁乃「憩ちゃ~ん、この紐解いてや~」

照「早くするんだ!」

憩「ホンマに黙っとれ!」ガムテープビシッ

照「~~」モゴモゴ

郁乃「~」モゴモゴ

憩「ふぅ……これで大丈夫やな」

郁乃(憩ちゃん憩ちゃん)

憩「え?」

郁乃(早く助けてや~)

憩「直接脳内にっ!?」



――――そんな良い雰囲気のまま、時間は過ぎていきました





京太郎「夕方かー、そろそろ夕食作らなきゃなー」

絹恵「須賀くん、自炊しとるん?」

京太郎「はい、ご馳走しましょうか?」

絹恵「ええ案やけど……ええわ」

絹恵「そないなことお母さんの思う壺やからな」

京太郎「そうですね、じゃあまた今度にしましょうか」

絹恵「な、なあ須賀くん」

京太郎「なんですか?」

絹恵「また……また、会えるよね?」

京太郎「勿論じゃないですか、俺たち友達なんですから」

絹恵「友達……か」

絹恵「じゃあ、携帯出してくれるか?」

京太郎「別にいいですけど……はい」

絹恵「ありがと…」ポチポチ

ピローン!

絹恵「よし!」

絹恵「こ、これウチの連絡先登録しといたから、メールしてくれな」

京太郎「はい!ソッコーでしますよ!何百通も送ってあげますよ、迷惑だなぁ……って思っても遅いですからね!」

絹恵「ふふっ、おおきに」

京太郎「それじゃあ、今日はお疲れ様でした」

絹恵「お疲れ様、須賀くん」



雅枝「なあ、どうやった?」

絹恵「お母さん……わかってやったやろ」

雅枝「さ、さーなんのことかわからんなー」

絹恵「はぁ……でも、ありがとな、お母さん」

雅枝「いやぁ~オカン愛しとる!なんて照れるなぁ~」

絹恵「言っとらんよ!それと前見て!前!」

雅枝「う、うわ!赤信号やった!」

絹恵「危なっかしいなぁ……」

雅枝「すまんすまん、てへっ☆」

絹恵(結局言えなかったな、あの日のこと)

絹恵(京太郎……今は須賀くんか……)

絹恵(やっぱりまだ……好きみたいや)






 あの後、俺は度々絹恵さんと連絡を取り合い、一緒に出掛けたりもしていた


 目的は主に絹恵さんのお姉さんへのプレゼントや監督へのプレゼントを買いに行く、というものだったが……


 そんなこんなで、絹恵さんとのお見合いから1ヶ月後


京太郎「実家だなぁ」

京母「何ぼーっとしてるのよ」

京太郎「実家に帰ってのんびりしてて悪いか?」

京母「悪いよ、何より邪魔。自分の部屋の掃除でもしてきなさい」

京太郎「えぇ……」



京太郎「まあ……こんなものか」

京母「お、綺麗になってんじゃん」

京太郎「だろ!流石だろ!」

京母「ああ、流石は私の子どもだな」

京母「昼飯はどうする?外でモモちゃんとか咲ちゃんとかと食べるか?」

京太郎「そうだな、そうするよ」

京母「少し用事で出かけるから、はい、お小遣い」

京太郎「ん、ありがと」

京母「じゃな~」

京太郎「行ってらっしゃい」

バタム

京太郎「んーっ」

京太郎「次は本棚を片づけるかな」ガサゴソ

京太郎「うわっ、卒業アルバムだ、懐かしいなあ」ペラペラ

京太郎「そういえば、卒業アルバムの後ろの方にある空白のページってなんであるんだろうな……」

京太郎「ん?」

京太郎「アルバムとアルバムの間に何か挟まってるな……」

京太郎「よし、取れたぞ」

京太郎「これは……電話番号か?」

京太郎「誰のだろう?」



京太郎「一応持って帰ってきたけど、うーん」

京太郎「電話してみるっていうのもアリだけどな……」

ヴーッ ヴーッ

京太郎「っお、絹恵さんからメールだ」

絹恵『急にすまないんやけど、明日買い物に付き合ってくれへん?』

京太郎「明日は……予定も無いしいいか」

京太郎『はい、じゃあいつもの駅に9時集合、でいいですか?』

絹恵『うん、OKやで』

絹恵『また明日な!』

パタム

絹恵(絶対絶対ぜーーったい!)

絹恵(明日こそは告白するんや!)

絹恵(……)

絹恵(でもやっぱり次の次……いや、ダメや!……でもなぁ……)




京太郎「さてと、そうと決まれば早く寝ますか」

京太郎「電話番号……かぁ」


 布団にくるまりながら、例の電話番号のことを考えてみる

 考えても考えても、何も浮かんでこない

 頭がモヤモヤする……何か大事なものを失ったような、そんな感覚もあった

 次第に俺は眠りについていた、そして……

 夢を見た





「なんだよ、みんな『グリコ見に行くー!』とか言いやがって」

「おかげでひとりぼっちじゃねえか」

「咲とモモの班に入っておけばよかったな」

「ん?公園?」

パシーン

ポカッ

「いってー、なんでボールが飛んで来るんだよぉ」

(ボール硬ぇよ……)

「す、すみません!大丈夫やった?」

(女、女子か……よし)

「ま、まあ大丈夫だぜ!男だからな!」ヒリヒリ

「そうか……ほんまにごめんな」ナデナデ

(ああ、気持ちいいなぁ……じゃなくて!)

「だーっ!大丈夫だっつってんだろ!ところでお前、何してるんだよ、こんなちっちゃい公園で」

「へ、見てわからんか?どっからどうみてもサッカーの特訓中やろ」

「サッカー?でもお前、あんまし上手くなさそうじゃん」

「そ、その通りやけど、これでも結構頑張ってるんやで!」

「自分で『頑張ってる』なんて言うやつの努力は当てになんねえんだよ」

(お、結構かっこよくね?)

「な!」

「お前、上手くなりたいんだろ?なら、俺が手伝ってやろうか?」

「え、ほんまに?ええの?」

「おうよ!俺はサッカー上手いんだぜ、長野のペレとは俺のことなんだぜ!」

(呼ばれたことないけどな……)

「そ、それは頼もしいな」アハハ

「あー!お前信じてないだろ!」

「まあいいや、お見せしよう!王者の蹴り筋を!」


 俺たちは遊び続けた

 彼女のおもちはなかなかのなかなかで、ボールを取るときに揺れて……良い

 彼女と遊ぶのは、これまでにないほどに楽しくて

 彼女がボールを上手く取れたり、蹴れたりしたときに見せた笑顔に、俺は次第に惹かれていった

 できることならば、ずっと彼女とこうして遊んでいたいと思うようになっていた

 しかし、時は止まることを知らなかった



「夕方かー、そろそろ集合時間だなー」

「集合時間?」

「おう!大阪・京都2泊3日の修学旅行中だぜ!」

「え……そ、それじゃあ、もう遊べないん?」

「そうなるけど、うーん……」

「まあ、またいつか会えるだろ!」

「ところでお前、名前は?」

「■■■■や、君は?」

「そうか、■■■か。俺は須賀京太郎っていうんだ」

「あ、もう行くわ、じゃあな、■■■」

「ちょっ、ちょっと待って!」

「ん、どうした?」

「ペンと紙、貸してくれるか?」

「別にいいけど……ほらよっと」

「ありがと…」カキカキ

「よし!」

「こ、これウチの電話番号やから!家に帰ったら電話してな!」

「ふーん……おう、ソッコーでかけてやるぜ!それじゃあもう本当に行くな!」

「今日はおおきに。じゃあね、京太郎!」

「じゃあな、■■■!」


 好きだ!とは、言えなかった

 そう言うとなんだか俺が軽い男みたいに思えるし……

 彼女とまた会うその日まで、その言葉は取っておくことにした





絹恵「まっ、待った?」

京太郎「いえ、今来たばかりですよ」

絹恵「いっつもごめんなぁ、お姉ちゃんを起こすのに手間取って」

京太郎「構わないですよ、さあ行きましょう」



郁乃「京太郎くんのデートを尾行し隊~~!」

照「おー」

憩「ウチ、何してるんやろ……」

良子「毎週女の子と出掛けて……なんとも羨ましい……」



京太郎「それで、今日は何を買いに行くんですか?」

絹恵「同学年の子の誕生日が近いからそのプレゼントを買いに来たんや」

京太郎「ふんふむ、それじゃあまずはあそこの店にします?」

絹恵「アクセサリーショップか、ええな、ほな行こか」ギュッ

絹恵「あれ?」

京太郎「今日結構人多いですし、はぐれたら困るので……嫌だったら離しますけど」

絹恵「うっ……うぅ……///」

京太郎「どうします?」

絹恵「はい、そのままで……」

京太郎「さ、行きましょうか」



憩「う、ウチなんて手を繋いでもらったことなんて無いのに……」

照「あんのメガネ女……捻り潰してミンチにしてやろうか」

郁乃「わ、わわっ、だ、大胆やな~」

良子「私が最後に友だちと出掛けたのって…………」



絹恵「これピッタリやな、これにしよか」

京太郎「あれ、もう決定なんですか?」

絹恵「うん、あの子こういうの好きやから」

京太郎「あ、このネックレス絹恵さんに似合いませんか?」

絹恵「こ、これか?」

京太郎「はい、かけてあげますね」

京太郎「こんな感じ……でしょうか」

絹恵(か、顔が近いって!///)

京太郎「お、付けられましたね、どうですか?」

絹恵「う、うん……いいと思うで」

京太郎「じゃあこれ、俺から絹恵さんのプレゼントです」

絹恵「プ、プレゼントなんてそんなん悪いよ」

京太郎「いつも俺を遊びに連れて行ってくれてるお礼ですよ」

絹恵「で、でも!」

京太郎「あ、すみませーん」



照「あのたこ焼きおいしそう……」

憩「ちょっと待てぃ!」

郁乃「あのクレープもおいしそうやな~」

憩「ばらけんといて!ほら、戒能プロも手伝って!」

良子「友だち……いないな……あれ、そもそも友だちって何?どうしたら友だちなんだ?あれ?」

憩「もういややこのメンバー……」



京太郎「もう夕方ですね」

絹恵「せや!須賀くんウチでご飯食べていかへん?」

京太郎「いいんですか?」

絹恵「その代わり、買い出しにも付き合ってなー」

京太郎「了解です」



憩「あの子たちどこ行きよった……」ゼェゼェハァハァ



絹恵「今日はハンバーグやなー」

京太郎「夕食はいつも絹恵さんが作ってるんですか?」

絹恵「せやで、お母さんは帰ってくるの遅いし、お姉ちゃんは家事が全くできへんからな」

京太郎「そうなんですか……あれ」

京太郎「この、公園は……」

絹恵「どうしたん?」

京太郎「あ、すみません、少し待ってください……」

絹恵「うん」

絹恵(ここって確か……)

京太郎(ああ)

京太郎(そうか、そういうことだったのか)

京太郎(昨日の夢は、昔の思い出)

京太郎(俺は昔、ここで)

京太郎(絹恵さんと出会ったのか)

京太郎「はぁ……」

絹恵(ようやく、気付いてくれたみたいやな)

絹恵「な、須賀くん、話したいことがあるんやけど」

京太郎「俺も、です」

絹恵「じゃ、あのベンチに座って話そか」



絹恵「先、須賀くんからええで」

京太郎「はい、では……」

京太郎「…………えっと」

京太郎「昨日、夢を見たんです」

京太郎「この公園で女の子と遊ぶっていう、昔の楽しい思い出の夢をみました」

京太郎「俺はその女の子に電話番号をもらって、修学旅行から半年、俺はその子と電話をしました」

京太郎「でも、いつの間にか電話をすることは無くなって、あの女の子のこともいつからか忘れていてしまった」

京太郎「けど、俺は今日になってようやく思い出しました」

京太郎「俺の電話を待っていてくれて」

京太郎「俺と話していたのは」

京太郎「俺に電話番号をくれたのは…………」

京太郎「あなただったんですね、キヌエさん」

絹恵「……うん」

絹恵「やっと……やな」

絹恵「その通り、やで」

京太郎「あ……泣いてるんですか?」

絹恵「な、泣いてなんかいないわ!」ヌグッ

絹恵「それで、そっちの話は終わりなんか?」

京太郎「いえ、これが本題です」

京太郎「…………ふぅ」

京太郎「キヌエさん、俺はあなたのことが好きです」

京太郎「"初めて"会った時から」

京太郎「ずっと好きだったんです」

絹恵「……私も」

絹恵「私もそう言お思っとったのにな……」

絹恵「京太郎くん、私は、君が好きや」

絹恵「ずっと好きやった」

絹恵「せやから、これは今まで思い出せへんかった罰や」

京太郎「えっ……」







カン!











【公園の茂みの中】

洋榎「あわわわわわ」

洋榎「みみみみ、見てしもた」

洋榎「絹がちゅ、チューしとるところ!」

洋榎「どど、どうしよ、せや携帯や携帯」

洋榎「誰に電話しよ、恭子?いや、ここは由子や」

洋榎「や、ゆ、ゆーこ……ぬわっ」

洋榎「あっ、ケータイが!」

トンットンッ

洋榎「あかん、そっちは水たま……」

ポチャ

洋榎「」


もいっこ、カン

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最終更新:2013年10月16日 13:17