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京太郎「お邪魔しまーす」
菫「京太郎、帰って来たのか?」
京太郎「仕事もひと段落ついたからな、それに……」
菫「それに?」
京太郎「いや、なんでもない。あと実家の風呂が壊れてるらしくってさ」
菫「ああ、そういえばそんなことを言ってたな、うちの風呂に入るのか?」
京太郎「できればそうしてくれると助かる」
菫「そうか、タオルの置いてある場所とかはわかるな?」
京太郎「何回菫と風呂に入ったと思ってんだ?」
菫「昔のことだ、忘れろ」
京太郎「つってもなぁ……そうだ!」
京太郎「今日は一緒に入ろうぜ!」
菫「なっ、なにを言ってるんだ!なんで私が京太郎と……」カァァ
京太郎「えーいいじゃんいいじゃん、たまにしか会えないんだからー」
菫「おま、お前は私を何だと思っているんだ」
京太郎「えーっと、俺の幼馴染で、遠距離だけど恋人」
京太郎「キスしたのは菫が告白してきたときに一回だけ、でも俺にとっては大事な大事な恋人」
京太郎「違うか?」
菫「違わくない……が……」カァァ
菫「とにかく!私はぜーったいに入らないんだからな!」
京太郎「はいはい、どうせ入ってくるんだろうから待ってるよ」
菫「入らないからな!」
菫「まったく、どうして京太郎はいつもあんなことを恥ずかしげもなく言えるんだ」
菫「…………私も、あのくらい大胆になれればいいのに」
菫「なんで告白ができて今は何もできないんだろう……はぁ」
「あら、愛しの京ちゃんと入らないの?」
菫「誰があんなやつと」プイッ
「中学二年生までずっと一緒に入ってたのにねぇ」
「菫ちゃんがあの日のときに京ちゃんが血相変えて『病気なのか!』って聞いてきたのは本当に驚いたわよ」
菫「だからそのことを言わないでくれって言ってるじゃないか!」
「菫ちゃんも菫ちゃんで京ちゃんと離れたくないーって泣いちゃうし、本当面白かったわ」
菫「母さんのばか……」
「とりあえず入って来なさいな、後は私がやっておくから」
「話したいことがあるなら話しておきなさい」
「早く攻めないと向こうでいい女の子に取られちゃうわよ?」
「菫ちゃんだって、考えてはいるんでしょ?」
菫「…………」
「京ちゃんみたいに恥ずかしがらずに、ね?」
菫「……わかったよ」
菫「行ってくる」
「いってらっしゃい」
「全く、ばかなんだから、京ちゃんも菫ちゃんも」
「さーてと、お赤飯でも炊きますかね」
カポーン
京太郎「はぁ……」
京太郎(指輪も買って、渡して終わりなのに)
京太郎(どうしてあんなおちょくるようなことしかできないんだよ)
京太郎(菫のあれはきっと照れ隠しみたいなやつだと思うけどさ)
京太郎(なんであと一歩、踏み出せないんだろうな)
京太郎「はぁ……」
菫「ため息をつくと幸せが逃げて行くぞ」
ガララ
京太郎「菫っ!?」
菫「なにを驚いてるんだ、自分から言っておいて」
京太郎「いや……でも……」ジーッ
菫「そ、そんなに見るな……」カァァ
京太郎「ま、いいや、洗いっこしようぜ洗いっこ!」
菫「……わかった」
京太郎「菫の髪は相変わらず綺麗だな、菫に似て」
菫「そんなこと、なら京太郎の髪もサラサラじゃないか」
京太郎「んーそうかー?」シャワー
菫「そんなもの、だ」
京太郎「菫ーもうちょっと寄ろうぜー」
菫「ダメだ!そんなこと…………まったく」
京太郎「いいもん、俺が近づくから」ダキッ
菫「ひゃぅ!」
菫「ば、ばか、近寄りすぎだ」
京太郎「というか抱き締めてるんだけどな」
京太郎(菫の体、やわらかいな)
京太郎(って、やばいやばいやばい!何してんだよ俺!)
京太郎(なんでこんなこと!菫も項垂れちゃってるし!)
菫(京太郎の体、大きい)
菫(って、どういう状況だよ!)
菫(京太郎はどうして……どうして……)
京太郎(菫の心音、呼吸)
菫(京太郎の心音、呼吸)
京菫(なんで、こんなに心地がいいんだろう)
京菫(好き、だからかな)
京太郎(…………決意しろ、須賀京太郎!)
菫(あのとき、みたいに)グッ
京太郎「菫!」
菫「京太郎!」
京太郎「あれももう一年前かー」
菫「またその話か」
京太郎「この子にも俺たちみたいな相手が見つかるのかな」
菫「だといいな」
京太郎「名前、何にしたい?」
菫「そういう京太郎は、どうしたいんだ?」
京太郎「決まってねー」
菫「私もだ」
京太郎「まだ半年あるんだからゆっくり決めてくか」
菫「ふふっ、だな」
菫「……京太郎」
京太郎「なんだ?」
菫「お前は私を何だと思っているんだ?」
京太郎「えーっと、俺の幼馴染で、俺の嫁」
京太郎「一回目のキスは菫が俺に告白したとき、二回目のキスはお互いにプロポーズしたとき、三回目のキスは結婚式で」
京太郎「四回目からはもう覚えてない」
京太郎「とにかく、俺にとっては大事な大事な嫁さんだ」
菫「……そう、か」
チュッ
菫「これで、二百回目だ」
菫「私もだよ」
最終更新:2013年10月16日 13:44