365マロン名無しさんsage2011/07/09(土) 22:47:55.67 ID:???


「よし…時間ね!三人とも、絶対勝って来なさいよ!!」
歩み出す三人の背に、自信に満ち溢れた声を投げ掛けるナミ。
その言葉を、一人は麦わら帽子をぎゅっと引き下げ、一人は獰猛な笑みを口元に溢し、気合いの入った声でしっかりと受け止めた。
「「おう!」」
返事が無かったあと一人は―――

「サンジくん」
名指しで声を掛けるも振り返らない。声も発さない。だがナミは知っていた。ポケットに手を突っ込んでゆっくりと歩く彼が、背中の裏でどんな表情をしているのかを。
それを強い眼差しで見つめ、ニヤリと笑みを溢すナミ。
「…ちゃんと策はあるんでしょうね。負けたら承知しないわよ!」
聞こえるか聞こえないか。そんな声で呟くと、だるそうに丸めた背中の彼は右手を持ち上げ、二、三度ひらひらと振って見せた。
『直ぐに片が付く』
そう言うのが聞こえてきそうなその背中。小さな声ではあったが、確かな声で発した彼女の言葉は、彼の耳にちゃんと届いていたらしい。
それを見たナミは、一層笑みを深める。自信に溢れたその笑みを。
そして…後ろのベンチに座って二人を見ていた女もまた、無邪気にクスクスと笑みを深めるのだった。

「サンジー!!何やってたんだよ!早くしねぇと始まるぞ!?」
「悪い悪い」
「ったく馬鹿眉毛が…。とろとろ歩いてんじゃねーよ」
「あんだとゴラァ!!」
「チッ…イチャイチャしやがって(ボソッ」
「あ゙ぁ!?聞こえねーよクソマリモちゃんと悪態吐きやがれ!」

同じ表情をしたマネージャーと司令塔が互いに想い合っていることを知る人間は、まだ二人。




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最終更新:2011年07月12日 02:56