初恋の人の命日だ。
中学校の時付き合ってた子がいた。
内向的だったけど素直な子だった。
彼女の母親はW不倫していた。
彼女は家に母親が男を連れ込んで
情事にふける様を偶然見てしまった。
俺に泣きながら電話してきた。それからおかしくなった。
父親も不倫を見て見ぬふり。子供の為と言って離婚しなかった。
彼女は俺に別れを告げた。自分には不倫出来る血が流れていると。
自分が居なくなれば父親は言いたい事も言えると。
俺は必死に宥めた。でも救えなかった。
彼女は自ら死を選んだ。俺と数名の友人、父親に遺書を残して。
数年後、同窓会があり、命日に友人達と墓参りに行く事になった。
墓には不倫した母親の姿があった。
ぐっと堪えて会釈だけし、帰ろうとした時
母親が言った「私は死んだら娘に謝りたい・・」と。
ずっと堪えてきた感情が爆発した。
「無理ですよ。彼女には会えませんよ。
貴女は死んだら地獄に堕ちる。天国に行けるとでも思ってましたか?」
ずっと心に引っかかってる。家族だけが苦しいわけじゃねえよ。
周りの人間を不幸にする。
赤く染まって横たわる彼女が俺には忘れられない。